「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

そうか もう君はいないのか Long Good-bye 2023・07・08

2023-07-08 05:04:00 | Weblog

  


   今日の「 お気に入り 」は 、伊集院静さん( 1950年〈 昭和25年 〉2月9日 -  )
  の随筆「 旅だから出逢えた言葉 」から スクラップ 。備忘のため 。

  「 私たちは生きている限り 、離別を避けて生きることは
   できない 。
    そうして離別の直後から 、私たちに忍び寄る哀しみも
   また避けることはできない 。
    十人の人に 、十の " 哀しみのかたち " があるのでは
   なく 、一人の人間がかかえる " 哀しみのかたち " は
   多様であり 、その度合い 、迫りくるかたちも千差万別
   である 。
    若いうちはただ嘆き 、人によっては途方に暮れてしま
   う 。しかし或る程度 、人生の分別がつくような年齢に
   なると 、哀しみをかかえる術のようなものを持つよう
   になる 。それはたとえば祖父母との別れ 、両親との別
   れ 、友や知人との別れにもいくつか遭遇し 、その経験
   が 、必要以上に哀しむことで生じる動揺をなるたけや
   わらげようとする 、生きる知恵 、術を身に付けるから
   だろう 。
    だが特別に近しい人を喪失すると 、その動揺をいかに
   コントロールしようとも 、哀しみは 、まるで魔法のご
   とく 、残された人に忍び寄るものである 。 」

    引用終わり 。

   ( ´_ゝ`)




  

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