「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

述懐 Long Good-bye 2024・09・21

2024-09-21 05:25:00 | Weblog

 

 今日の「 お気に入り 」は 、田原総一郎さんと佐藤優さんの

 共著  「 人生は天国か 、それとも地獄か 」( 白秋社 刊 ) から 、

 「 知の巨人 」佐藤優さんの述懐 。備忘のため 、抜き書き 。

  引用はじめ 。

 「 世の中を見渡せば 、理不尽な事故や事件に
  巻き込まれ 、肉親が不幸に見舞われている人
  が少なくありません 。なぜ私の子が 、親が 、
  妻が 、夫が ・・・ その悲嘆はいかばかりで
  しょう 。しかし 、思いもかけない不幸は 、
  残念ながら誰の身にも起こり得ることです 。」

 「 私の場合 、命の危険には晒されませんでし
  たが 、身に覚えのない事件に巻き込まれてし
  まいました 。逮捕されたとき 、父はすでに
  他界していましたが 、母はどんな思いだった
  のでしょうか?」

 「 母と私はプロテスタントのキリスト教徒です 。
   キリスト教では 、人間は死ぬと肉体も魂も
  完全に滅びてしまいます 。しかし 、イエス・
  キリストの再臨で復活し 、審判にかけられま
  す 。これが『 最後の審判 』であり 、神を信
  じ 、神の意向にならって生きた者はイエス・
  キリストと共に神の国に行き 、永遠の命を得
  るとされています 。キリスト教徒はそれゆえ 、
  死こそが信仰の完成であると考え 、死という
  ものを恐れません 。
   ですから 、キリスト教徒は 、死や孤独 、そ
  して危機に強いといえるでしょう 。自分の命は
  神のものであり 、命が終われば神のもとに帰る
  と信じているのですから 。
   実際 、私が512日間の拘留と厳しい取り調
  べに耐えられたのも 、信仰を持っていたことが
  非常に大きかったと思います 。ここで受けた試
  練は神の意志であり 、それを乗り越えることで
  神に近づくことができる 、どんな不条理な出来
  事に直面しても 、不条理であればあるほど 、自
  らと自らの信仰を確立する機会だ 、と思いまし
  た 。
   拘置所の外に出て作家として働き 、その後 、
  腎機能が低下して透析を受けることになっても 、
  また新型コロナウィルスが蔓延しても 、どこか
  醒めた目で見ています 。」

  (⌒∇⌒)

  「 ここで『 旧約聖書 』の『 ヨブ記 』の話をし
  ましょう 。
   ヨブは 、信仰が篤く 、たくさんの子どもを授
  かり 、また働き者で 、資産に恵まれた人物で
  した 。そんなヨブに嫉妬した悪魔は 、神に対
  して賭けを持ちかけます 。
  『 ヨブの信仰は 、しょせん財産と子どもに恵
  まれたからだ 。それを奪ったら 、きっと神を
  呪うに違いない 。賭けをしよう 』
   ヨブの信仰を疑わない神は 、『 ヨブの命を奪
  わない範囲で好きにするがいい 』と 、賭けに応
  じます 。
   悪魔は事故を起こし 、ヨブの子どもたち 、そ
  してヒツジなどの家畜をすべて殺してしまいま
  す 。すべてを失い 、打ちひしがれるヨブに対
  し 、悪魔は追い打ちをかけ 、疫病に罹らせて
  しまいました 。
   ところが 、ヨブの口から出てきたのは 、次の
  ような言葉でした 。
  『 私は裸で母の胎を出た 。裸でそこに帰ろう。  
  主は与え 、主は奪う 。主の御名は褒め称えられ
  よ 』(『 ヨブ記 』1章21節 )
   ヨブは神を呪うどころか 、神を称え 、そう叫
  びました 。
   賭けに負けた悪魔は退散し 、ヨブは再び 、家
  族と財産を得ることになります 。
   私は『 ヨブ記 』を読むたびに思います 。生
  きていれば 、神と悪魔の賭けではないかという
  ような 、あまりに不条理な試練に立たされるこ
  とがままあるのだ 、と ―― 。」 

  (⌒∇⌒)

  引用おわり 。

  上の小文のタイトルは「 神と悪魔の賭けにも似た

 不条理な試練に直面することがある 」。

   長く生きれば 生きるほど 、いろんな目に遭います 。 

  (⌒∇⌒)

 ( ついでながらの

  筆者註:「 佐藤 優( さとう まさる 、1960年〈昭和35年〉
       1月18日 -  )は 、日本の作家 、元外交官 。
       同志社大学神学部客員教授 、静岡文化芸術大学
       招聘客員教授 。学位は神学修士( 同志社大学・
       1985年 )。

       在ロシア日本国大使館三等書記官 、外務省国際
       情報局分析第一課主任分析官 、外務省大臣官房
       総務課課長補佐を歴任 。その経験を生かして 、
       インテリジェンスや国際関係 、世界史 、宗教な
       どについて著作活動を行なっている 。」

      「 Wikipedia に対する評価:
        ウィキペディア(日本語版を含む)に対して 、
       百科事典が本来果たすべき『 歴史をある時点
       で切断し 、その時点での体系知の構造を提示
       する 』という目的・機能をウィキペディアは
       果たすことができないとしている 』 また 、
       ウィキペディアへの批判として 、それが『 世
       界大百科事典 』といった従来の事典と比較し
       て『 信憑性が根本的に異なる 』としている 。」

      以上ウィキ情報 。)

      

  

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 魔法のチケット Long ... | トップ | 人間が生きる意味 Long... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事