みかんの産地に住んでいながら、
大量のみかんがすぐ近くで廃棄されているということを
今日まで知りませんでした。
おいしいみかんを作るためには、摘果という作業は欠かせません。
たくさん生りすぎている枝の実や日陰の実を間引きして、
良い実だけを残していきます。
そうなると、咲いた花のうちの5%ほどしかみかんにならないのです。
さらに、選果が行われて、傷のあるものや大きさが規格外のものは
外されますので、収穫されたもののうち30~40%だけが商品となります。
以前は、規格外のものをジュースや缶詰に加工していましたが、
今はその数も減りました。
消費者がみかんの缶詰を食べなくなったうえに、
海外からジュースを輸入した方が安上がりだからです。
店頭に並ぶ選び抜かれたエリート以外は、産業廃棄物として扱われます。
「どうやって廃棄しているのですか?」と尋ねると、
「山のみかんの木のまわりに捨てているよ。
本当は、産業廃棄物不法投棄になっちゃうんだけど、
そこまでうるさいことは言われたことがないよ。」
という答えが返ってきました。
果物が産業廃棄物として扱われ、
収穫を終えたみかん畑が、捨てられたみかんで黄色く染まる・・・
そんな風景は見たくないけど、これが現実・・・。