袋井のメロンは、日本一のおいしさと出荷量を誇り、
高い評価を得ているが、
クラウンメロン支所の組合員数(袋井市)は
平成17年に294名、平成21年は216名と減少し続けている。
農家がメロン栽培をやめる理由は
●重油価格の高騰
●温室の老朽化(温室1棟の建設費は1,000万円)
●後継者不足
そんな中、栽培を続けている農家というのは、
高い重油を買い続けることができる大金持ちだけなのか
と、勝手に思い込んでいたが・・・。
本当のところはどうなのか、生産者の方にお話を伺いました。
栽培を続けているメロン農家というのは
●温室の加温に廃油を利用している。
●研究熱心な後継者がいる。
●良いものを作りたいという思いが強い。
「廃油は回収業者に集めてもらっています。
主に冬場の加温に使うんだけど、廃油は1年中出るでしょ。
集めた廃油を溜めておくためのタンクが必要になってきます。
だから、うちもタンクの数を増やしました。
設備投資にお金はかかったけど、長い目で見ればね・・・。」
「今まで使っていた重油用のボイラーは、廃油には使えないんだよ。
だから、廃油用の新しいボイラーを設置して・・・。
それに、重油用のボイラーは掃除しなくてもよかったけど、
廃油ってのは、いくら精製してあってもカスが溜まるからね。
2ヶ月に一度は掃除しているよ。
マスクもして、そりゃあ重装備だよ。」
「中には自分で廃油の回収までやって、
経費節減している農家もいるよ。
あんたさぁ、農家って田んぼや畑にいるだけって
思っているかもしれないけど、それ以外のことにかかる時間って
けっこうなモンだよ。」
「やっぱり、いいものを作りたいっていう思いがあるから、
やめないで続けていけるんじゃないかなぁ・・・。」
生産者の情熱が、クラウンメロンという芸術品を作り出しています。
その思いは、廃油のエネルギーを遥かに超えるものでした。
お忙しい中、私の不躾な質問に答えて下さった生産者の皆様、
本当にありがとうございました。