だしの勉強をするようになって、
どうしても正解がわからない味がありました。
それは、あご(トビウオ)のだし。
長いこと生きていますが、
静岡で生まれ育ったせいか、
かつお節、昆布、椎茸のだしを利用することが多く、
煮干し(カタクチイワシ)は、ごくたま~に。
あごのだしは、だしソムリエ講座のテイスティングで
初めていただきました。
「なんて上品な澄みきった味なんだろう。」
というのが第一印象。
が、その後、あごのだしについて別の声を聞きました。
あごのだしで育った人が、その味を表現する時、
必ず「力強い」という言葉を使われるのです。
だしというのは、その土地、土地の
食材や料理と密接に繋がっていますから、
それにふさわしい取り方(水に浸す時間や煮出す時間など)が
あるのだと思います。
そこで、自分でもあごだしを取って実験してみようと思いましたが、
静岡では、あごの入手は難しい・・・。
そんな時、築地へ行く機会をいただき、
乾物とだしの専門店 寿屋さんに伺いました。
あごを丸のままの煮干しにしたものもありましたが、
お店の方が勧めてくれたのは、
煮干しを割ったものです。
「かつお節は、何を使うことが多いの?
枯れ節?荒節?」
「枯れ節を使っています。」
「枯れ節はスッキリしているから、
あごと合わせて使う時、
丸のままの煮干しを使ったら、物足りない味になるよ。
割ったものを使った方が、しっかりしたコクが出るよ。」
そんなやりとりがあって、この「だしあご」にたどり着きました。
また、お店の方はうま味の相乗効果についても
こんな説明を・・・。(*^_^*)
「ねーさんが昆布だとしたら、
まわりにどんな男をはべらせるかによって
おいしさが変わってくるからね。
鰹の枯れ節か荒節か、厚削りか薄削りか、
カタクチイワシの煮干しか、あごの煮干しか焼き干しか・・・」
何よりもわかりやすい、
深くてうま味たっぷりのアドバイスを
ありがとうございました。 (^_-)-☆
さあ、あごだしの実験に取り掛かりましょうか。(^^♪