3月末に築地へ行った時、煮干しについて
お店の方からお話を伺う機会に恵まれました。
煮干し(カタクチイワシ)には、
青い煮干し(青口)と白い煮干し(白口)があります。
これは背の色の違いを表わしています。
では、実際に見てみましょう。
●青口
500g 735円 (九十九里産)
●白口
500g 1680円 (伊吹島産)
もちろん、両方とも上質なものです。
青口を食べてみると、噛んでいるうちに
中からじわ~っとうま味が出てくるのを感じます。
しかし、その後、白口を食べてみると、
その上品さに驚かされました。
やはり、青口の方が「魚臭さ」を感じてしまうのです。
その違いは、どこにあるのか?
それは、原料となるカタクチイワシが獲れる場所です。
白口となるカタクチイワシは、
瀬戸内海の伊吹島で獲れます。
目の前で泳いでいる姿が見えるほど、
近い距離で漁が行われます。
鮮度が命と言われるカタクチイワシですが、
距離が近いということは、
加工までに時間がかからないということ。
一方、九十九里のように太平洋の外海で獲れるものは、
加工までに時間がかかります。
それが色の差となっているようです。
白口からは、あっさりとした甘みのあるだしが取れます。
青口からは、力強いだしが取れます。
この特徴を知った上で、味の好みや料理によって
使い分けるのが一番ですね。
さて、もう一度お値段を見てみましょうか?
青口が500gで735円、白口が500gで1680円
その差は倍以上ですが、
青口は、頭とわたを取り除いてから使うのに対し、
白口は、すべてを使ってだしを取ることができます。
つまり、廃棄する部分がないということ。
価格だけを見た場合、
どちらがお得なのか考えるポイントにもなりますよね。(^_-)-☆
※例年11月頃、九十九里で獲れるカタクチイワシは
白口に仕上がります。しかし、九十九里産の煮干しの内、
その割合はわずか1割程度と言われています。