”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

情熱の川口エンドウ

2016-05-14 13:16:33 | 在来種 伝統野菜

今が旬の絹さや。

その中でも、本当に収穫時期の短い

貴重な絹さやを送っていただきました。

 

    

 

2014年秋に、江戸東京野菜に登録された川口エンドウです。

    

川口というのは、八王子市川口地区(旧南多摩郡川口村のこと)で、

現在の八王子市西北部の楢原町、犬目町、川口町、上川町、美山町

を指します。

  

川口地区では戦後、200軒以上が農業を営んでおり、

その主力作物のひとつが川口エンドウと呼ばれる絹さやでした。

ここで、川口エンドウの歴史を見てみましょう。

    

●川口エンドウの全盛期(1950年代後半~60年代前半)

 20~30軒の農家が栽培しており、都内の青果市場に出荷。

 60年代当時は、2週間で450万円の売り上げ。

  

 

●川口エンドウは、なぜ姿を消したのか?

 ◆高度経済成長期に入り、八王子に工業団地計画が持ち上がる。

  川口地区の農地も、工場勤務者の宅地に転用された。

 

 手間がかかるので、栽培をやめる農家が増えた。

  ・収穫は手摘みで行う。

  ・種まきから収穫まで7~8ヶ月かかる。

  ・同じ畑で作るためには、間隔を5年以上あける必要があった。

 

 ◆出荷をやめて自家消費用に栽培

  それでも、栽培自体やめる農家が相次ぎ、

  数年前からたった一人の農家 草木さんが

  自家用に栽培するのみとなっていた。

   

 

●川口エンドウの復活

 ◆2012年 

  「多摩・八王子江戸東京野菜研究会」代表の福島さんと

  たった一人の栽培農家 草木さんが出会い、

  復活に向けて動き出す。

 

 ◆2014年

  ・「江戸東京野菜」に登録。

  ・草木さん、福島さん、JA関係者に地域の農業仲間6人を加え、

   計9人でプロジェクトが発足。

  ・農業仲間6人が、草木さんから種苗の提供を受け、

   それぞれが2アール程度で栽培を始める。

 

 ◆2015年 5月下旬

  プロジェクトとして初の収穫を迎える。

   

 

こんな復活への情熱が込められた川口エンドウ。

普通の絹さやよりも肉厚で、シャキシャキした食感、

甘味も十分と言われています。

触っただけで、これまで食べてきた絹さやとは違って、

とてもしっかりとした肉質を感じます。

  

さあ、どんなふうにいただきましょうか? (^^♪

     

コメント
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