まさか、あの柑橘が浜松で栽培されていたなんて!!
もっと大きなものを想像していたのですが、意外と小ぶり。
100g弱くらいの重さでした。
これは、浜松市のスズキ果物農園さんのブラッドオレンジです。
カットしてみましょう。
ほんのりと赤い色がまだら模様に入っています。
この赤い色の正体は、アントシアニン。
アントシアニンは、ひとつひとつに含まれる量に違いがあり、
中には全く含まれていないものもありました。
ブラッオレンジというと、果肉はその名が示すように血のような色、
どちらかというと紫とか黒に近いものをイメージしていたのですが、
どうも品種が違うようですね。
果肉の色が黒に近いようなものは、モロ種。
私が購入したものは、色的には最も薄く、ほんのりと赤紫がさす程度ですから、
タロッコ種の方ではないかと思われます。
すでにこのタロッコ種の栽培が広がっている愛媛県の取り組みを見てみますと、
地球温暖化の影響で、原産地のイタリア以上に
ブラッドオレンジの栽培に適していることがわかり、栽培が始まったようです。
しかし、いくら気温が適しているとは言っても、栽培法は確立されておらず、
この赤味の発色にはその年の気温や水分管理が影響し、
安定したきれいな発色にはご苦労されているようです。
温暖な静岡県でも、ブラッドオレンジの栽培が始まり、
これまでジュースでしか味わえなかったものを
生の果実で味わえるのはとてもうれしいことです。
でも、その背後にある地球温暖化を考えると、
この豊かな香りと甘み、そしてそれをしっかり支える酸味を
喜んでばかりはいられない・・・と複雑な気持ちになります。