”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

野菜の旬と感謝の心

2010-06-29 15:08:31 | “農”

我が家の小さな庭にもきゅうりが成り始めました。

Cimg3245

まさに今が旬の夏野菜です。

いろいろな場面で野菜のお話をさせていただいておりますが、

旬についてお話するのが、一番難しいと感じています。

ある方がこんなことをおっしゃいました。

「今、スーパーに行くと、いつでもトマトが買えたり、

 大根が買えたり、季節感がなくなっています。

 いつでも手に入る・・・これは便利なことですが、

 食べ物に感謝する心、モノを大切にする心が

 失われてしまうので、危険なことだと思います。」

確かに、1年を通じて同じような野菜が手に入るとなると、

誰よりも先に季節の野菜を食べることを粋とした「はしり」や、

過ぎて行く季節を惜しみながら食べる「名残り」といった

日本特有の食文化は消えかけているのかもしれません。

しかし、それと感謝の心は別のはずです。

だいたい、旬の露地栽培の野菜だけでは、

約1億3000万の日本の人口をまかなうことはできません。

施設栽培も、工業製品を作っているわけではありませんから、

その土地の気温、天候など環境に左右されます。

今年の春先の低温や日照不足で、施設栽培の野菜も

生育が遅れ、価格が値上がりしたこと、覚えていますよね。

大切なのは、施設栽培が必要であるという現状

(日本の耕地面積や農業人口の減少など)、

そして生産者のご苦労と工夫などを合わせて伝えていくこと。

そうすれば、食べ物に感謝する心は

決して失われることはないと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする