さっきブレーカーを飛ばした。セラミックヒーターとカーボンヒーター、ファンヒーターとオイルヒーター、電気ケトルをつけたうえ、電子レンジをかけたとたんにバシッ。そりゃそうだろう。。この家は40Aだが、実家は30Aで、気を付けないとしょっちゅう飛ばしてしまう。契約を変えないといけないのだが。。
中学の時、校舎はスチームヒーターだった。窓のわきに銀色のラジエターが設置してある。冬の朝、教室に入るときはまだひんやりしているが、やがてぽかぽかしてくる。ラジエーターの上に物を置いてはいけなかったはずだが、みんな弁当を置いていた。昼頃にはちょうどいい暖かさになっている。窓際の席にいる生徒の特権だった。もっとも、それをそれほどありがたがっていたという記憶もない。
スチームは音がする。ファンヒーターのようにボウボウいうのではなく、時折遠くの方からカンカンカン、という音がしてくる。金属パイプを通じて、温かい蒸気が通るときにパイプが膨張して音が出るのかもしれない。鉄道のレールの様に、遠くからの音が伝わってくる。そういえば小さい頃、遊び仲間とレールに耳をつけて、遠くの列車の「かたん、かたん」という音を聞いたことがあった。今なら良い子は絶対にまねしないでね、の世界ですけど。
この音は自然に出てくるものだが、人がわざとラジエータを叩いて音を出すことも、もちろんできる。なにしろいたずら盛りの頃だから、当然そういうことは思いつくわけだ。1年生の時だったと思うが、ある日、静かな教室で、モールス信号の様にカンカン、カカンという、明らかに人が叩いたような音が鳴り響いたことがあった。教室は階数で学年がわかれていて、蒸気パイプはたしか垂直に伸びていた。ということは、だれか上級生が叩いているわけだ。
近くの友達同士で顔を見合わせたが、結局応戦することにした。
翌日も、またその翌日もカンカン音がしてくる。そのうちうんざりして、誰も相手にしなくなった。上級生の癖に、大人げないなあ、と思った記憶がある。
社会人になって、一時期元旦(のちには大みそか)にオフィスに駆り出されることがあった。ビル内のほとんどのテナントは休業しているし、自分のところも出ているのは僕たちの部署だけだ。冷暖房は稼働しておらず、必要なら管理センターに申請する必要がある。上司が聞いたら、なんでもボイラーを焚く必要があるから結構高くつく、1日10万円はかかると言われたそうだ。さすがに目をむいてしまい、暖房なしで1日過ごすことにした。
最初はいいが、そのうちどんどん冷えてくる。家から電気ストーブを持ってきたことがあったが、机の下のコンセントにさしてつかっていたら、フロアの一部だけブレーカーが飛んでしまった。オフィス内の電気は、区画ごとにブレーカーが設定されているらしく、個々の容量は小さいらしいことがこの時わかった。
今のオフィスでは、全館共通の冷暖房が朝8:30から夜7:00まで、それ以外は別料金になる。休日も同様だ。冬はまだしも、夏エアコンなしはかなりきついという人が多い(僕は暑いのはけっこう平気)。エアコンの操作パネルにパスワードを入れて操作すると使えるようになるが、オフィス内の人たちはそのことを知らない(か、忘れている)。教えてあげてもいいが、乱用されるとお金がもったいないので黙っている。