旧宅近くに寄ったので(床屋に行ってみた)、昔よく通った道の桜の様子を見に行った。ところが、行ってみると森は完全に切り拓かれ、桜の樹も根元からなくなっていた。
この辺りは農家が何件か残っていて、都内なのに鬱蒼とした森の中を道が通っていた。毎年この季節、桜の木が見事な花を咲かせて、通勤する者の目を楽しませてくれた。2本あったのだが、1本は5年前に伐採された。森自体もかなり刈りこまれたが、その後も何かの農作業の場所として使われていた。
転居の年の春。この年は開化がやや遅かったようで、これは4月に入ってからの撮影。
昨年3月25日(日)。21日春分の日は寒い雨で、2分咲きぐらいだったのが、この日はもう観頃になっていた。
今年も元気に花を咲かせてくれるものと期待していたのだが。。
開発許可の表示が出ていた。分譲して住宅を建てるようだ。
駅まで数分、むしろ今までそうならなかった方が不思議なほど、宅地として好条件の土地だ。
2017年春
現宅は都心からはかなり離れているが、大規模な区画整理によって新しく作られた街なので、少なくとも家の周辺は人工のものしかない。この辺り(旧宅)付近のほうがなんというか田舎臭い。商店街もほとんどないし、不思議な街だよな。。
2001年11月4日
ハードディスクが壊れて、ここ数年の写真はサルベージしきれないものもあったりで完全に時系列で保管されていない。
転居前の記憶はそのせいもあり、どこかいびつに圧縮されて心の隅にしまい込まれている。4,5年前の出来事は昨日のことのようにも思えるし、旧宅時代の生活全体がはるか昔の出来事のようにも思える。こうして風景が変わっていくと、記憶はどんどん遠くへと加速しながら去っていくようだ。
ただ一方で、この季節独特の、切れるように澄んだ陽の光と、身の引き締まるような冷えた空気は、それに連なる昔の記憶を、次々と呼び覚ましてくれるような気がする。