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また古い音楽の話になってしまって恐縮です。。
前回Shazamのことを書きましたが、これは検索してアルバム見つけて、アマゾンで注文しました。
たしか、在宅勤務しているときにふと「逆境」という言葉が浮かんできたんですよね。同時に吉田拓郎が曲の合間に「(今のおれは)逆境に耐えて生きていくからな」と言っていた言葉が浮かんできて、たしかあれは小室さんのコンサートでの出来事だった、と連想。
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その、小室さんと吉田拓郎さんがデュオで歌った曲というのは「君にで出会ってからというものボクは」で、二人の出会いから今日までにおきた様々な事件を歌っていくというもの。小室等さんの23区コンサートで披露されました。
1978年に行われた(と思われる。CDには録音データが一切記されていない)23区コンサートのことは、僕は吉田拓郎さんの深夜放送を通じて知っていました。小室さん自身のこともそれで知った。
小室さんは吉田拓郎さんと仲が良いらしくて、よくゲストに呼ばれていました。気さくな感じの吉田さんと、ちょっと繊細で芯のある感じの小室さんとの会話がなんか楽しいというか、二人の関係がうらやましいというか、そういう感じで聞いていた。
吉田拓郎さんは飾らない感じの話し方で、なおかつ一定の礼節というか気配りが話し方に伝わる感じで、ラジオでゲストの人たちと楽しく会話しているのが良かったんですよね。。当時思春期で、いろいろ人間関係の面倒くさいことに悩む少年でしたから。。
いちど加藤登紀子さんがゲストのとき、拓郎さんは性関係(と芸術)の話題を持ち出して、加藤さんが「私は今34歳で、それはけっして悪いものではないけど、でもやっぱりそれだけじゃ満足できない(だから音楽などの芸術活動をする)」と答えているのを聞いて、いやあ、すごい大人の会話だなあ、と感心したことがあった。
いまだって自分、なかなかそういう会話できないよな。。
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話を戻すと、このアルバム、小室さんの代表曲がほぼ収められている、と同時に、曲の合間にゲストとして出演された方々のコメント(会話)がたくさんはいっていたり、小室さん自身の興味深いMCが入っていたりして、とても中身が濃いものになっている。
僕が知っている小室さんの曲は、たぶん相当ムラがあるけど、本アルバムには例えば、「なんにもしたくない」、「一匹のカニ」、「お早うの朝」(これは山田太一原作、田宮二郎主演「高原にいらっしゃい」テーマ曲)、「お前が死んだあとで」、「都会の朝」、「おねえちゃん」(NHK「みんなのうた」)、「雨が空から降れば」、「出発(たびだち)の歌」(上條恒彦さんが歌って大ヒット)など、代表的な曲が収められています。
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「都会の朝」も上條さんが歌ってらしたそうですが、この歌詞がとても好きでした。
「厚いガラスの向こうに 白い河のような高速道路・・」
おそらくは東京下町の、現代的な高層マンションから見る風景なのかな。
ちょっと松任谷由実「十二階のこいびと」を連想させる、静謐な描写。
歌う前に、これを作詞した白石ありすさんと、谷川俊太郎さんのコメントが収録されています。
白石さんは70年代半ばに活躍された方で、その後は行方がわからない(ウィキ)そうです。声を聞く限りでは、小室さんたちと同世代ぐらいなのかな、という感じもします。。
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「雨が空から降れば」は、これを書くためにネットを検索するまで全く知らなかったのですが、もとは今年亡くなった別役実さんの演劇「スパイものがたり」から来たものだったのですね。。
雨が 空から降れば
思いでは 地面にしみこむ
僕にとっては、歌詞が自分の頭の中にしみこんでいます。。
しょうがない 雨の日はしょうがない
公園のベンチでひとり
おさかなを 釣れば
おさかなも また 雨の中
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コンサートは40年以上前に開かれたもので、CDはそのときの盛り上がったようすを伝えてくれます。
僕は当時少年だったので、コンサートに行くことはできなかった(行動力があればできただろうけど、チケットの買い方も知らなかったよな)。
もとより僕にとっては、窓越しにちらりとみえる、大人の世界でした。
なので、今こうして聞くとなんとなく、いまだ願ってもかなわぬ世界を垣間見たような、わさわさした思いが残ります。