本放送はあと数日残っているが、週末に出かけるので書けるかどうかわからないのと、偶々今日放送の「クローズアップ現代」(脚本家の吉田恵里香 さんのインタビュー)を見たので。
他の方のブログでも詰め込みすぎと評価されていたけど、取り上げられているエピソードや登場人物に史実の裏付けがあり(こちらは今知ることが多いんだけど)、あとからあとから色んなエピソードが出てくる。なんだか大学の一般教養の授業を聞いてるみたいだった。法曹関係の方々の評価も高いらしいですね。
確かにあれもこれも感はあるのだが、それゆえに伝わってくる密度感やメッセージ性というのもあるので、そこは。
しょうじき、最初はもっと目の粗い女性自立の話なのかと思っていたけど、それは杞憂だった。今日の吉田さんの語りを聞いて更に納得した。
対談は「生きにくさ」がテーマだったけど、 すこし昔の優秀なビジネスウーマンの方の中には、はたから見ていてもどこか窮屈な印象を受ける人が時折いました。
優秀な男性というのもいるが、それとはどこかが違う。
非常に頑張っていて皆にも親切で礼儀正しくて、しかし何か言いたげ、みたいな。今よりはずっと男社会だった世間との間に、どこか齟齬があったのだと思います。
ここ何十年かで、そこは少し変わってきているとは思います。多少残ってはいるけど。あまりにもリラックスしすぎてるおっさん、と言うのも見かけなくなりましたね。
他方、寅子が恩師に失望してかみついたり、いつの間にか家族との間に溝ができ、結果として娘の優未を苦しめていたり、というあたり。
よき理解者のはずの人も無意識に人を傷つける、主人公も常に正しい行動をとっているわけではない、少数派は多数派に圧迫を感じている。
・・、みたいな感じがなんとも良かったです。
廊下で美佐江と話している時、入ってきた優未を思わず庇うように抱きしめる、と言うシーンも、なんとも良かったな。
なので、いちおう現時点ではそうとうな傑作だったかなと思ってる。
米津玄師のテーマ音楽もかなり良かった。
ただ、こないだ特番で歌詞のテロップ見たけど、半年聞き続けても何を言っているのかさっぱりわからなかった。
写真は本文と全然関係なく、田部京子さんのシューベルト。
急に涼しくなって、今日は空模様もすっきりしなかったけど、こんな時に長大な後期ソナタは最高に似合います。フランツは30そこそこだったのに、何でこんなに枯れた味を出せたのでしょうね。。