「森のバター」と呼ばれ、滑らかな舌触りとほんのり甘く、美容効果も高いアボカドは、女性に特に人気の食材です。スーパーでも手軽に手に入りますが、おいしく食べるタイミングが難しい食材としても、私たちを悩ませています。そんなアボカドは、果たして冷凍できるのでしょうか?おいしく熟した段階を、食べ逃さないためにも、おいしく保存する方法をお教えします。
アボカドは冷凍できる?
アボカドは、メキシコや中央アメリカ原産で、主に熱帯地域で栽培されます。クリーミーな味わいとその食感から、「森のバター」と称され、ビタミンなどの栄養素が豊富で、アボカドに含まれる油分は体にも、美容にもいいことでも知られています。
日本でも、様々な料理に使われるようになり、スーパーでも手軽に手に入るようになり、定番食材となりつつあります。日本に輸入されているアボカドは、そのほとんどがメキシコから輸入されたものです。なので、その他の果物や野菜と比べると少々値が張る印象もあります。
また、熟された食べごろの期間を逃さないのも至難の業であり、おいしく食べるために、結構大変なのも事実。ですが、アボカドは、熟された食べごろのものであれば冷凍保存も出来るのです。
アボカドを冷凍保存するべき2つのメリット
食べごろのものをすぐに使える!
アボカドは、収穫されてから追熟させて食べるのが一般的です。スーパーなどで売られているものでも、すぐに食べられる熟成状態のものと、まだ未熟なものの両方を目にすることが出来ます。皮が緑色で硬いものは、まだ未熟な状態で、皮が黒く果肉に弾力のあるものは追熟され、食べごろのアボカドです。
未熟なアボカドを買うと、ご家庭で追熟させる必要がありますが、その保存方法は特に難しく、冷蔵庫に入れると追熟が止まってしまうので常温での保存が適します。ですが、27℃以上になると、追熟障害を起こしてしまうので真夏や気温が高い日などは、注意が必要だったり、食べごろの時期を逃してしまったりするなど、保存するのが大変なのです。
ですが、冷凍保存すると、追熟された食べごろのアボカドを食べたいときに食べられるのです。食べごろになったものを冷凍するので、アボカドの熟し具合を見て、メニューをいちいち考えたりする手間が省けます。なので、何日かかけてアボカドを召し上がりたいとき、わざわざ未熟なものを混ぜて買う必要はなく、食べごろのアボカドをまとめ買いして、冷凍保存しておけばいつでも料理に使えるので便利です。
節約になる!
先述にもあるように、日本で手に入るアボカドは、そのほとんどがメキシコからの輸入品で、その分値段は高くなっています。筆者が良く利用するスーパーでは、アボカド1個当たりの値段が税込みで100円程のところや150円近くするところなど様々で、地域が変われば200円近くしたりする場合もあると思います。
時々セールになり、安くなっているのも見かけます。そこでついつい買いすぎてしまって失敗するなんてこともあるでしょう。保存が難しく、食べごろ時期も短いアボカドは、必要なときに必要な分しか買わないという方が多いので、1個あたりの値段で考えると、結構な高級食材になります。
ですが、冷凍保存をしてしまえば、食べごろのアボカドを長期で保存することが可能なので、セール時にまとめ買いをしても、使いきれずに無駄にしてしまうということも減るので、アボカド代を節約できます。それにより、食費への影響も減るので、正しい冷凍方法を知れば、お得にアボカドを召し上がることが出来ます。
アボカドを冷凍する際の3つの保存方法
方法1.定番!カットして冷凍
これは、最も一般的なアボカドの冷凍保存方法です。食べごろのアボカドを食べやすくスライスして冷凍するだけなので、解凍後にすぐに料理に使えます。詳しい手順は下記になります。
1.アボカドに縦に包丁を入れ、ぐるっと一周させ、半分に切ります。それから、中心にある種を取り除き、皮をむきます。
2.そして、上記画像のように縦にスライスします。
3.レモン汁をふりかけます。
4.ジップロックなどの真空状態になる袋に並べて、冷凍するだけです。
袋に入れるとき、アボカド同士がくっついて重ならないように工夫してください。一つ一つラップでくるむのも良いと思います。
方法2.アレンジ!ペースト状にして冷凍
こちらは、食べごろのアボカドをペースト状にして冷凍保存する方法です。味をつけて冷凍することも可能なので、解凍後すぐにパンに塗ったり、ディップにしたり、手軽に使えるおしゃれな保存食となります。詳しい手順は下記になります。
1.アボカドは、半分に切り、種を取り、皮をむきます。
2.ボールにアボカドを入れ、フォークやマッシャーで潰し、ペースト状にしていきます。
3.レモン汁を混ぜます。※このとき、味をつけたい人は調味料を加える
4.ジップロックなどの真空容器か袋に詰め、冷凍します。
※味をあらかじめつける際のおすすめは、バジルや塩、様々なハーブと塩が混ざったクレイジーハーブやクレイジーソルトなど。さらに、オリーブオイルやガーリックオイルなどもおすすめです。
方法3.簡単!まるごと冷凍
これは、究極に簡単な冷凍保存方法でしょう。買ってきたアボカドをそのまま冷凍保存するだけです。皮をむく必要も、種を取る必要もありません。食べごろのアボカドであれば、買ってきたその日に、袋などに入れてポンと冷凍庫にしまうだけです。
「おいしそうなアボカドを見つけたけどすぐは食べないかな。」というときは、冷凍庫に保存し、使う日に解凍して、自分好みに調理するだけです。ただ、この方法は、他に皮をむいて冷凍する方法と比べると、中がぐちゃっとなりやすくなってしまうので、注意が必要です。
冷凍保存するときの3つのコツと注意点
必ず熟したやつを冷凍しましょう!
先述でもお伝えしたとおり、冷やすとアボカドの追熟は止まります。低温障害を起こす温度は、5度以下といわれますので、氷点下になる冷凍庫では、アボカドは追熟しませんので、必ず追熟された食べごろのアボカドを冷凍保存するようにしてください。
食べごろの熟成状態を見極めるポイントは皮が黒く、触ると果肉に弾力があるものです。さらに、おいしいアボカドは、ヘタが取れていなくて、ヘタと実の間に隙間がなくグラグラしていないもの、皮にシワが入ってなくてハリツヤがあるものです。アボカド選びの際に、注意してみてください。
空気に触れないようにしっかり密封する!
これは、どんな食材を冷凍するときには必ず注意をしなければならないことですが、アボカドを冷凍する際、保存容器や袋に空気が入ったままだと、果肉に含まれる酵素が空気と反応して変色が起こったり、傷みやすくなります。いくら冷凍庫の中だといっても、完璧な冷凍保存方法が保てません。
みなさんもご存知のとおり、アボカドは、すぐ変色してしまうほどデリケートですよね?アボカドを冷凍保存する際は、レモン汁などをかけて変色を抑えようとしますが、保存方法がなっていないと、そもそも意味がありませんので、しっかりと空気が抜ける真空容器や袋での保存が、おすすめです。
変色防止にレモン汁!
アボカドは、半分に切ったり、皮をむいて、果肉が空気に触れてしばらく経つと変色し始めます。これは、皮をむいたりんごやバナナが変色するのと同じ現象です。変色させる成分も無毒ですので、変色すると食べられないということはありませんが、見た目の美しさは失われてしまいますよね。
そこで、冷凍保存する際でも、普段でも、アボカドの変色を防ぐために使えるのはレモン汁です。レモンに含まれるアスコルビン酸というビタミンCの成分が働き、変色を防いでくれるといわれています。冷凍保存する際にも、レモン汁を加えると、保存中の変色を防ぐのに大変効果的です。
解凍するときの3つのポイント
自然解凍する
ペースト状やスライスしたアボカドは、自然解凍するのがおすすめです。他の保存方法でも、なるべく自然解凍をするのがいいのですが、かたまりのものだと、自然解凍後に少し果肉がべちゃっととしてしまうこともあるようです。
なので、ネットリ感が出て問題のないペースト状にしたアボカドは、自然解凍が適しているといえるでしょう。加熱のし過ぎによる変色などのトラブルも防げます。
キッチンペーパーにくるみレンジでチン
まるごと冷凍させた場合は、少し常温において皮がむけるほどになったら、皮をむいて、まるごとキッチンペーパーでしっかりくるみます。それを電子レンジの解凍機能を使ってチンするだけです。1回冷凍してアボカドし、実が固くなった状態のアボカドは、皮もむきやすく、そのままレンジで解凍するだけなので、とっても簡単です。
コツは、しっかりキッチンペーパーでくるむことです。レンジから取り出すとき、少し熱い箇所もあるので、火傷にも注意してください。
そのまま調理に使う
これは、あらかじめカットやスライスをして冷凍したアボカドをそのまま加熱調理に使用する方法です。オーブンやグリル料理、さらにトーストなど、加熱をする料理には、そのまま使うことも可能です。また、スムージーを作る際に、凍ったままのアボカドをブレンダーに入れてしまうお手軽レシピも人気です。
冷凍保存すると栄養素は失われてしまう?
アボカドの栄養素とは?冷凍するとどうなる?
先述にもあるとおり、アボカドは、脂肪分を豊富に含んでいるため、「森のバター」と呼ばれています。その、脂肪分は不飽和脂肪酸の1種のオレイン酸で、中性脂肪を減らす働きがあり、健康志向の人にも注目される脂肪なのです。
またアボカドは、「若返りのビタミン」と言われるビタミンEや、アンチエイジング効果や抗酸化作用があることで有名なコエンザイムQ10も多く含んでいて、「食べる美容液」との異名も持っています。そんなスパーフードであるアボカドは、もちろん食べごろを新鮮なうちに食べることで、その栄養素の恩恵を受けることが出来ますが、冷凍保存も出来る食材です。
冷凍保存をして、取り出すたびに外気に触れたり、冷凍と解凍を繰り返したりすれば、鮮度だけでなく、栄養価も徐々に失われてしまいます。では、出来るだけ鮮度と栄養素を保ち冷凍する方法はあるのでしょうか?
使う分だけ小分けにして冷凍しよう!
先述でもあるとおり、一度冷凍したものを何度も取り出したり、冷凍と解凍を繰り返すと、鮮度と栄養価の低下に繋がります。それを防ぐためには、一度に使うだいたいの量を把握して、それぞれを小分けにして冷凍することです。そうすることで、使わないアボカドまで外に出したり、解凍してしまう必要がなくなり、冷凍保存でおいしさも栄養素もキープできます。
冷凍した際の賞味期限と保存期間
冷凍アボカドの保存期限は1~2ヶ月程度
いくら、食べごろの状態を冷凍したからといって、あまりに保存期間をおくと、食材本来の味や食感が失われてしまいます。アボカドも同様で、レモン汁をかけて保存した場合でも、多少は変色が出てきてしまうので、冷凍したアボカドは、1ヶ月から長くても2ヶ月経つころまでに使い切ることをおすすめします。
冷凍アボカドを使用したおかずとレシピ
アボカドココットそのまんまアイス
アボカドを半分に切って凍らせるだけの簡単ヘルシーおやつです。簡単でお手軽なので、ダイエット中の女性にも高い支持を得ているレシピです。詳しい手順は以下のとおりです。
1.半分に切ったアボカドをラップにくるんで冷凍庫で2~3時間凍らせます。
2.シャーベット状になった位が食べごろです。
種付きのほうは少し削って、そこに、はちみつやメープルシロップ、アガベシロップなどの甘味料をちょこっとたらして、種のないほうは、くぼみの部分に甘味料をたらし、召し上がってください。自然派のシロップがおすすめですよ!
ヘルシー♥アボバナベリースムージー
アボカドやベリー系など、美容に良い食材をふんだん使ったスムージーです。可愛らしいピンク色もテンションを上げてくれます。バナナも使っていて腹持ちがいいので、軽めの朝食や、食べ過ぎたときの調整、置き換えダイエットなどにも最適です。
<材料>
冷凍アボカド約30g
冷凍バナナ約30g
冷凍ミックスベリー約30g
ザクロ酢(ホンチョ)約大さじ1
豆乳約100cc
りんごジュース(りんご)約50cc(半個)
<手順>
全ての食材をブレンダーに入れて、ミックスすれば完成です。
りんごジュースでなく、りんごを使う場合は豆乳の量を50cc足して調節してください。冷凍のものをそのまま使えるので、材料を切ったりする手間が省け、忙しいときにも最適です。
アボカド☆海老☆トマトのココットカマン
冷凍アボカドをそのまま使える料理です。相性の良いトマトやチーズと一緒にトースターで焼くだけの簡単おかずとおつまみのレシピです。あともう一品ほしいとき、急な来客へのおもてなしなどに最適です。
<材料>
カマンベールチーズ1つ
冷凍アボカドダイズ 50g
冷凍海老60g
プチトマト7つ
エクストラバージンオリーブオイル大さじ1
ガーリックパウダー(すりおろしにんにくでもOK)少々
酒小さじ1/2
胡椒少々
パン粉少々
<手順>
1.冷凍海老は少しお酒をふり、レンジで1分ほど加熱する。アボカドは、くっついていたらばらしておく。
2.トマトを1口大にカットする。
3.1と2をお皿にいれ、オリーブオイル・ガーリックパウダー・胡椒を加えて和えます。
4.カマンベールチーズを半分に切り、ココット皿に乗せます。
5.その上に、3の具を敷きつめ、パン粉をふります。
6.トースターで10分ほど焼いて、パン粉とチーズの淵が色づいたら完成です。
3で食材を和えるときは、海老のゆで汁も一緒に使いましょう。食材の解凍時間によっても加熱時間を調節してください。そのままでも、パンに乗せてもおいしそうです。
アボカド冷凍して手軽にお得に食べよう!
手軽に手に入るようになったアボカドは、豊富な栄養素を含み、私たちにとっても欠かせない食材となりました。いつでもおいしく、食べたいときに食べたいから、正しく冷凍保存して賢く使いきりましょう!今回は、冷凍する際のコツや注意点をはじめ、アボカドを使ったレシピなど、紹介してきました。
アボカドは、冷凍も出来ますが、やはり、新鮮なものには味も栄養価も叶いませんので、常に冷凍保存するというのは避け、セールなどで食べきれないほど買ったときだけ、冷凍して保存するようにしてください。
おいしくアボカドを食べて、キレイと健康をケアしちゃいましょう!
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