乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

87; 『ペルシア民俗誌』【A・J・ハンサリー著 岡田恵美子訳/サーデク・へダーヤト著 奥西俊介訳】

2009-06-22 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫
 記録だけ  2009年度 87冊目          



    『ペルシア民俗誌』
    
      



 『コルスムばあさん』

   A・J・ハンサリー 著   
   岡田恵美子 訳

 『不思議の国』

   サーデク・へダーヤト 著   
   奥西俊介 訳



 1999年1月13日 初版

 平凡社

 東洋文庫 647

 337ページ ?円   



 先日読んだサーディーの『薔薇園 イラン中世の教養物語』が面白かったので,イラン関係の民俗学を楽しむ。『ペルシア民俗誌』は「コルスムばあさん」と「不思議の国」の二本立て。



「コルスムばあさん」は女の私にはかなり興味深い。読んでいくうつに,昔の話だということを混乱。ついつい現在のことかと勘違いしてしまう。今も続く慣習やもう廃れた習慣。いろいろあるようだが,基本的なイランの感覚が少し感じられたような気がする。

 黄色や観相果実や「7」や水曜日や婚礼や断食などといった話。日本との共通点や逆さなどいろいろな場合があり、楽しい時間を過ごせた。


「不思議の国」は日本の共通点を探しながら読み,満足した。本文も楽しく,また解説部分を切り離して読んでも面白い。ペルシャ語の全く知らない私は多分わかってない部分も多いのだと思うが,民俗学として楽しむことができる。「不思議の国」は好きだな!

 病気や占トや鳥や生き物。生活や習慣。イランもげんかつぎが多いんだ。ことばや色や形や行動のイメージから教訓めいた言い伝えがあったんだな。


 私は龍(竜)が好き。「不思議の国」での、
 
     【竜の皮は火のつけたニンニクとタマネギの皮でしか燃やせない。】
という部分は心ときめく。イランのことを全く知らない私だが、【血や心臓を食べる(勇気)】というイラン人の感覚と【竜の皮は火のつけたニンニクとタマネギの皮でしか燃やせない。】が ドラキュラーとイメージが重複する。(笑み)

 イランの竜は西洋的。羽が生えたいわゆるドラゴン系の聖獣。



 今回も『薔薇園 イラン中世の教養物語』の時と同様、ゆっくりとイメージしながら楽しんだ。とても面白かったので「コルスムばあさん」と「不思議の国」は数年後にもう一度読もうと思った。

 



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84; 『民俗の思想 常民の世界と死生観』 谷川健一 著

2009-06-16 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 記録だけ  2009年度 84冊目          



    『民俗の思想 常民の世界と死生観』
    
      



 谷川健一 著

 1996年10月5日 初版

 岩波書店

 278ページ 1133円+税   



 15日、『民俗の思想 常民の世界と死生観』を読了。

 この本も私似は興味深い。今までに出てこなかった具体的な内容も多くかかれている。また。柳田國男氏や折口信夫氏の忠実な云々と書かれている。柳田國男氏の『一つ目小僧』の神社生け贄云々などは以前に読んでいたので、うなずきながら楽しんでいた。柳田國男氏が青銅を置き去りにしてこられたという記述箇所などを見ると、著者谷川健一氏の盲目的柳田論者ではなく、冷静に物事をとらえる学者だと感じた。



 興味深かった部分を簡単に記録しておこう。

 
1; 「創世神話の誕生」 163~

2; 島根県 美保神社「ねっ参り」 194~

3; 「族霊との合体」

  パターン   神と結婚、神を食べる

   神と結婚  「蛇婿入り」
         「猿知恵入り」
         「鶴女房」
         「白鳥処女伝説」
         「羽衣伝説」
 
   神を食べる 「沖縄例」
            死人→ 親戚一同で肉を食う  
            現在は『豚』におきかられる

           「真肉親類」(マツシシオカエ)  近い親戚
           「脂肪親類」(ブトブトーオカエ) 遠い親戚

            葬式→ 「骨をかじりにいく」と表現する時代あり


4 著者  谷川健一

   1921生 熊本 

     『青銅の神の足跡』『白鳥伝説』『常世論』他小説、歌集、全集 など

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80; 『「悪所」の民俗誌  色町・芝居町のトポロジー』  沖浦和光 著  文春新書 497

2009-06-10 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 記録だけ  2009年度 80冊目          



    『「悪所」の民俗誌  色町・芝居町のトポロジー』



 沖浦 和光

 2007年6月25日 第2版

 文春新書 497

 290ページ 850円+税   

                                            


 沖浦 和光先生著の『「悪所」の民俗誌  色町・芝居町のトポロジー』 を本日読了。沖浦先生の本は 『竹の民族誌』『「芸能と差別」の深層』に続いて三冊目。私は民俗学関係で方と先生という呼び方を使用している。最近では だいたい先生づけしている方は,好きな学者である。

 本書も『「芸能と差別」の深層』と同様、芸能特に歌舞伎に関する話が多い。沖浦先生は相当の見巧者であり,私の用な初心者でさえ歌舞伎の世界へと誘い込まれる。それも,歌舞伎の発祥の部分から詳しく述べられ、今まで読んだどの本よりも詳しく掃除の芸能役者の立場やおかれた状況は理解できる。

 興味深いのは歌舞伎を始めた者。一般的に出雲の阿国と知られており,私も疑いを持ってなかった。が、沖浦 和光先生によると 大和の元天理にいたという漂流巫女が元だという説もあると言うのである。私似は詳しくはわからないので,これに関してご存知の方がいらっしゃいましたらお教え下さいますればありがたいです。

 今回も夏目漱石や永井荷風に付いてもふれられていた。沖浦 和光先生長期にわたる大きなの時代の流れにおける一筋のものの見方が好きだと感じる。

『「悪所」の民俗誌  色町・芝居町のトポロジー』 には遊女の話も多く出てきた。アムステルダムまで話が広がり,学生時代に観た夜の異国の女たちの窓明かりに懐かしさを覚えた。

 歌舞伎の演目はてんこもり。好きな芝居も次々に出てきて,うれしさはこみ上げる。挿絵の浮世絵『四代目 松本幸四郎』(東洲斉写楽・画 234)には魅せられた。
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79; 『魔性の文化誌』  吉田禎吾 著  研究社

2009-06-07 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 記録だけ  2009年度 79冊目          



    『魔性の文化誌』 



 吉田禎吾 著

 1998年11月30日 

 研究社

 272ページ 2700円+税   

                                            


 怪異の民俗学 2 『妖怪』の解説を書かれた香川雅信氏似よると、宮田登先生の前に

     山口昌男 『文化の両義性』(岩波)

     吉田禎吾 『魔性の文化誌』 (研究社)

がいろいろと論じられていたと記されていたよ。
 
 これは読まねばと思い、吉田禎吾氏の 『魔性の文化誌』を選ぶ。この本が比較面俗楽の立場をとっており,かなり面白い。特に興味を引かれたのは、
https://blog.goo.ne.jp/admin/editentry/?eid=4306e79c3b07ed0d61f9704e6124be58&sc=c2VhcmNoX3R5cGU9MCZsaW1pdD0xMCZzb3J0PWRlc2MmY2F0ZWdvcnlfaWQ9JnltZD0mcD01NDU=#
     色(白、黒、赤)、さかさ水、双子、女性の魔力、憑きもの、ナマハゲ、右・左回り  ・・・など。 

 右・左回りにおいては以前稲荷神社に行ったときに疑問に思っていたとことだったので,この本でおかげで、また今までとは違った謎を解く糸口の一方向性をつかんだ思いで喜んでいる。

 民俗学が少しなりとも好きな人には読んで損はない良書と感じる。




             
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78; 『漂白の精神史  柳田國男の発生』 赤坂憲雄 著  小学館

2009-06-04 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫




 
 記録だけ  2009年度 78冊目          



    『漂白の精神史  柳田國男の発生』 



 赤坂 憲雄 著 

  1994年11月10日 

 小学館

 238ページ 4500円  

                                            


 5月29日金曜から読み始めていた『漂白の精神史  柳田國男の発生』を,6月4日午前1時の読了。時間は相当かかったが,面白かった。柳田國男氏の分をそっくりぬきだして説明してあり,両方を考えながら読み進めると自分なるのイメージがわいてくる(感じがする)。赤坂憲雄先生の文章は美しく滑らかでうっとりする本が多いが,今回は鋭角な感じのする言葉使いであった。印象深い部分は多くある、また,わからない部分も多かった。私の力不足である。ここらで民俗学事典を手に入れないと,わからない言葉も多く,困り始める。悩む主婦(笑み)

 去年あたりから,東北に行きたくて仕方がない。昨年,もう一度行きたいと思い岩手を根掘り葉掘り調べていたが,行けずじまい。だが赤坂憲雄先生の『漂白の精神史  柳田國男の発生』を読み終えて,岩手と青森に行きたくなった。青森は恐山ももう一度時間をかけてよってみたい。赤坂憲雄先生のようにイタコに口寄せをしていただき,体験してみたい。「モリコ」でも「若い口達者な巫女」でもなく、本来の「イタコ」の話を聞いて体験してみたい。ただ,頭から体験と言う感覚で望むと「罰が当たらないか」と消極的な私。要するに以前行った恐山はそれほどまでに怖かった・・・。現実的な部分と精神的な部分とがミックスされ,私は楽しんで民俗学の本を読み進む事ができるのである。

 赤坂憲雄先生は益々好きになってきた。講演も一度くらいは聴いてみたい。宮田登先生は今はいらっしゃらないが、赤坂憲雄先生は現役のばりばりのようだ。私の学生時代には潜りの大学院生や潜りの聴講生が流行ったものがが,今はどうなんだろう・・・。京都は大教室なら目だたないときいている。ただ聴いてみたい下鴨神社の神主様の授業の目安がつかめていない。多分,情報をキャッチしてくれると言った口約束を、奴!は忘れているに違いない。祭りや神事や神饌の話を神主様直々に聴いてみたいものだ。

 さて、こんな面白い書物を出版されている赤坂憲雄とは、いったいどんな方なんだろう・・・。そろそろお顔などのイメージが気になり始めてきた。いやいや,載せるな。載せて下さいまするな。男前であれそれなりであれ、私は勝手気ままに読んでたのし見騒々して楽しみでごじゃりまする・・・ってな訳で,今回も楽しい時間を過ごさせていただきました。赤坂先生、そして最後までおつきあい下さいましたみなさま、ありがとうございます。この場を借りて,感謝申し上げます。
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76; 『子守り唄の誕生』  赤坂憲雄 著 講談社学術文庫 1742

2009-05-27 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫
 
 記録だけ  2009年度 76冊目          



    『子守り唄の誕生』 



 赤坂 憲雄 著 

 2006年1月10日 

 株 講談社

 講談社学術文庫 1742

 234ページ 900円+税   

                                            


 5月26日、二冊目は赤坂憲雄先生の『子守り唄の誕生』を楽しむことにした。

 まず冒頭に『赤とんぼ』があげられている。

 この『赤とんぼ』は長年私の心を悩ませていた歌だ。

 とにかく寂しい。 

 赤坂憲雄先生や解説者の高畑氏は「観たような光景を思い浮かべる」と口を揃えられている。

 確かに情景は時を刻みつつ悲しいまでに心にしみいる。

「ねぇやは 十五で嫁にゆき お里の便りも 絶え果てた」

 この歌詞を聞いて寂しいお年寄りの方は多いのではないか、と取り越し苦労さえしていた。

 ところがこの『ねぇや』は『姉』ではない。

 口減らしのためによそに出された『子守り』だという。




 子守りたちは自分の境遇を悲し実嘆く心を歌にする。

 芋一つ呉れぬ雇い主を恨み、「子がどうなっても知らない」と歌うことにより鬱憤をはらす。

 そうして五木の子守唄の歌詞にのせ、いろいろと歌われた子守唄も多い。

 子守りたちが歌たった一例として、
 =============
「わしが死んだとて 墓も無し」
 =============
の歌詞が妙に私の心に食い込み、聞いていると切なくつらい。


 
 子守りの多くは貧しい家の出で、たどり着いた村の一員としては認められなかった。

 子守りが初潮を迎え青年団の男性が夜ばいでもしようものなら、村の女の子が馬鹿にしてその男をも相手にしないといったことさえあったという。

 初潮を迎えた子守りの多くは村を追われ、いろいろなケースの人生を歩んだそうだ。

 中には村の長者と結ばれるシンデレラ的伝説の子守りもいたらしいが、皆にやっかいみの子守りを歌いつがれたという。



 赤坂憲雄先生は赤松啓介先生の文献などをしばしば例に挙げられ、肯定的な部分と否定的な部分を冷静に受け止め論じておられる。

 なるほど、大阪から子守唄発祥と断定するにはいたらないと私も感じた。



 赤坂憲雄先生の本はどの本を読んでも言葉の調べが美しい。

 内容は論理的でわかりやすく解説してくださっているが、小説を読んでいるような錯覚に陥る。

 この先生の本は宮田登先生と同じで続けて読んでゆきたいと感じている。


          


 ところで上の写真は中国雲南省の麗江古城内でみたもの。

 城内の人口川を挟んでたてられた飲食店同士が客、従業員とともに歌の掛け合いをしている。

 顔は笑いながらだが、お互いに競い合って歌う。



 私は今までこの本を読むまでは雲南省の少数民族の方が山中で実らぬ恋の歌を歌うのが元かと思っていた。

 いわゆる歌垣に近いと感じていたのである。


 ところが本処分中に出てくる『宇目の歌げんか』の話を読んでいるうちに、こちらに近いのではないだろうかとも思い始めたのである。

 いずれにせよこの本の締めくくりには、子守唄は赤子に歌ったのではなく歌の内容が何であれ、異性に送られたのではないかとも考えられるニュアンスが記されていた。

 私にとっては中国雲南省の歌の掛け合いを含めて、非常に興味深く思われる。

 いずれ機会を設けて、この歌の掛け合いの深層は探るつもりであリ、今後の課題として温めておきたい。

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75; 怪異の民俗学 2 『妖怪』  小松和彦 責任編集 河出書房新社

2009-05-26 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫
 (写真は奈良/郡山の春日神社で出会った猫ちゃん。神社にふさわしい威厳のあるにゃんこちゃんだった。

  奈良には春日大社や春日神社などいろいろあるが、いったいいくつぐらい存在するのだろうか・・・。)





 記録だけ  2009年度 75冊目          



   怪異の民俗学 2 『妖怪』



 小松和彦 責任編集 

 2000年7月15日 

 河出書房新社

 449ページ 4000円+税   

                                            


 先日から楽しんでいた怪異の民俗学 2 『妖怪』を今、読了。

 怪異の民俗学シリーズは 7『異人・生け贄』と8『境界』に続いて三冊目。

 柳田邦男、宮田 登 、小松和雄等は7『異人・生け贄』と8『境界』および今回も書かれていたよ。

 妖怪とあっては、もちろん妖怪先生(宮田 登氏)も執筆されているのは当たり前だね。(ニンマリ)



 先日書いた『髑道中五十三驛』【ひとりどうちゅう・・・)は『芝居と俗信・怪猫物の世界』横山泰子先生が書かれた物だよ。



 アダムス・カバット氏の『化物尽の黄表紙の考察ー化け物の外面をめぐってー』を読んでいると、『黄表紙』は読みたくなるな。

 初めに断り書きがあって、今なら差別用語と言われる語彙がふんだんに出てくるな。

 アダムス・カバット氏と言う国籍が違う学者さんだから、余裕を持ってみていられたよ。

 全体において論理的展開と考察で面白かったよ。

『黄表紙』やら何やらの当時の絵がふんだんに織り込まれていて、それも楽しかった。



 後で家族の『黄表紙』を拝借して楽しんでいたら、なんだかんだで知らないうちに家族の方が読み出していたよ。

 籠釣瓶をちらつかせて「返して~」って叫んじゃおうかと内心思ったな。

 ま、これは嘘。『MEITO(名刀、名答)』じゃないよね。


 
 香川雅信氏の解説を読んでいたら、参考になったよ。

 宮田登先生の解説部分で

     山口昌男 『文化の両義性』(岩波)

     吉田禎吾 『真生の文化誌』 (研究社)

が先に論じられていたと記されていたよ。

 ウムウム。そういうことはあるだろうし、宮田登先生も他の先生方と同様。漏れず参考資料は明記されている。

 山口昌男氏は『言葉論』において言い回しが私似は難しかったな。あとの『境界』を論じた部分は面白かったんだけどね。

 ぜひとも 山口昌男 『文化の両義性』(岩波)と吉田禎吾 『真生の文化誌』 (研究社)は読みたいな。



 ところでこの怪異の民俗学シリーズは結構分厚くって重たいんだ。

 これで三冊目だってさっき書いたでしょう。

 私は読書中は片手で本を持つ癖があってね。

 この面白いシリーズに夢中で気がつくと右手薬指の小指側が水ぶくれしていたんだ。

 読み終わった今気がついたんだけど、結構痛いよ。

 読書も正しい姿勢で正しく持って読まないといけないんだね(笑み)


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『髑道中五十三驛』で遊ぶ。/ 横山泰子先生記録

2009-05-24 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫
 

 
 怪異の民俗学2の『妖怪』の中には横山泰子先生の「芝居と俗信・怪猫物の世界ー『髑道中五十三驛』試論」がある。

『髑道中五十三驛』(ひとりどうちゅうごじゅうさんつぎ)の台詞の一部が載せられてているのは興味深いと同時にありがたい。

 七月の『蜷川十五夜』のせいか演技のインパクトが脳裏に焼き付いているせいか、何となく菊五郎丈の顔を思い浮かび、彼の口調(風)で楽しんでみる。

 あまりに面白いので、芝勘丈と歌右衛門丈と藤十郎丈と勘三郎丈と玉三郎丈でも声を出して読んでみた。

『髑道中五十三つぎ』は面白いようだ。



 気になったので横山泰子先生を調べてみる。

 1965年生。

 法政大学工学部教授、

「怪猫物」の怪談狂言について、当時の猫にまつわる俗信や文学的伝統などとの関連性を探っておられる。

 大衆演劇を民俗的背景と照らし合わせながらと観といていく研究をも進められているらしい。



 私事だが、今現在 怪異の民俗学2の『妖怪』を読んでいる。

 横山泰子先生の抜き出し『髑道中五十三驛』で止まってしまって、先に進まない・・・。

 幸せなつぶやきである。




 


  横山泰子先生記録 ▼   (Amazonより転載)

新品 四谷怪談は面白い
(単行本)
横山泰子
定価 ¥2,242(税込)
新品販売価格 ¥2,242(税込)
発売年月日 1997/04/14
在庫がありません。
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新品 江戸歌舞伎の怪談と化け物-(講談社選書メチエ)
(単行本)
横山泰子
定価 ¥1,575(税込)
新品販売価格 ¥1,575(税込)
発売年月日 2008/09/10
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新品 江戸東京の怪談文化の成立と変遷一九世紀を中心に
(単行本)
横山泰子
定価 ¥26,250(税込)
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発売年月日 1997/03/15
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新品 綺堂は語る、半七が走る異界都市江戸東京-(江戸東京ライブラリー22)
(単行本)
横山泰子
定価 ¥1,575(税込)
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発売年月日 2002/12/10
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新品 江戸社会と国学原郷への回帰
(単行本)
ノスコ,ピーター/スティール,
定価 ¥4,410(税込)
新品販売価格 ¥4,410(税込)
発売年月日 1999/10/20
在庫がありません。


ほかカッパ関係の絵本あり
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74; 『東西/南北考』  いくつもの日本へ  赤坂憲雄 著  岩波新書 新赤版

2009-05-22 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫
 記録だけ  2009年度 74冊目          



    『東西/南北考』  いくつもの日本へ



 赤坂 憲雄 著 

 2000年11月20日 

 岩波新書 新赤版 700

 197ページ 660円+税   

                                            


 赤坂憲雄先生の『東西/南北考』いくつもの日本へ を読む。

 蓑(片口と丸口)(樹皮文化と竹文化)の話は特に興味深い。

『東西/南北考』の樹皮文化と竹文化分布と『竹の民俗誌』(沖浦和光 著)を重ねて考えると、かぐや姫伝説発祥がよりわかりやすい。



 胎盤を埋める場所にも特徴があるらしい。(154から)

   A 家の戸口、敷居の下、土間、他  → 踏まれるほどに子が育つ

    B 産室の床下、縁の下、他     → 陽光に中るのを嫌う

   浜辺、海に流す          →  漁民

 

 西関東では戸口に埋める習俗が優勢な地域だったらしい。

 縄文前期から 弥生・古墳・奈良・平安時代に至るまでみられたと言う。

 この習俗は全国的にみられるのだろうか・・・。

 先日行った奈良・橿原の今井町。

 某屋敷の土間から胎盤の入った瓶が出てきたと説明書きがあった。



 赤坂憲雄先生の『東西/南北考』はわかりやすく面白かった。

 写真や絵や分布図もあり、優しい言葉で論理的に説明されている。

 赤坂憲雄先生もすごい方だなぁ。






  赤坂憲雄先生記録 ▼


 怪異民族学 8 『境界』  小松和彦 責任編集  河出書房新社


『東北学 / 忘れられた東北』  赤坂憲雄 著   株 講談社


 怪異の民俗学 7 『異人・生け贄』  小松和彦 責任編集 河出書房新社


 明治大学公開文化講座 XIV『文化における「異」と「同」』 風間書房


『民俗を織る旅』(五柳叢書)  赤坂憲雄 著  株 五柳書院


『境界の発生』  赤坂憲雄 著  講談社学術文庫

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73; 『「芸能と差別」の深層』   沖浦和光・三國連太郎 対談   ちくま文庫

2009-05-21 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫
 記録だけ  2009年度 73冊目          



    『「芸能と差別」の深層』



 沖浦 和光

 三國 連太郎  対談 

 2005年65月10日 

 ちくま文庫

 397ページ 800円+税   

                                            


『「芸能と差別」の深層』 を本日読了。

 芸能に関する対談が主で,興味深く読んだ。

 芸能が発生した頃を想像。妄想しながら読み解いた。




 民俗学の本を読み出したのは単純な理由。

 伝統芸能が好き。

 民話が好き。

 神事や聖獣や妖怪や文様や祭りが好き。

 日本や中国も好き。

 こんないい加減な理由で読み始めたはずなのに,違う方向性を感じる。



 沖浦和光先生は『竹の民族誌』の著者。

 かぐや姫の話はすこぶる面白い。

『竹の民族誌』葉読む価値のある優れた本だった。

 私は沖浦和光先生も好きだ。

 


『「芸能と差別」の深層』において,伝統芸能がよりよくわかった。

 これは民俗学者だけでなく、諸所立場や経験や俳優として生きてこられた三國連太郎さんの話の厚みが加わったためだと感じる。

 芝居の好きな私にとってはかなり楽しめる本だった。

 少しメモしておこう。



  ==============
     乱鳥のメモ★^^★
  ==============



 『猿楽伝記』(138)
    観阿弥・世阿弥親子   振り付け、舞
  ▼
 『風姿花伝』
    世阿弥が書いた




 折口信夫
   『芸能史ノート』




 夏目漱石
    野蛮人の芸術

  ⇅

 荷風




 柳田國男
 
    『竹伐爺』  全集第六巻





 民衆文化  (334~)

   →「反近代的で時代遅れ」

   →「芸術を虐待し,恋愛を罪悪視する」官建国・日本





 今回も記録のみにて失礼申しあげます。
 

 

 

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72; 怪異の民俗学 8 『境界』  小松和彦 責任編集  河出書房新社

2009-05-19 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫
 記録だけ  2009年度 72冊目          



   怪異の民俗学 8 『境界』



 小松和彦 責任編集 

 2001年6月20日 

 河出書房新社

 448ページ 4000円+税   

                                            



 怪異の民俗学シリーズ 7『異人・生け贄』に続いて二冊目。

 怪異の民俗学 8 『境界』を今しがた読了。

 柳田邦男、宮田 登 、小松和雄、常蜜徹等諸先生方は7『異人・生け贄および今回も書かれていた。

 小松和雄氏は『境界』において、私の好きな赤坂憲雄先生の『境界の発生』を絶賛されていた。(ニンマリ)



 まず初めには山口昌男氏と宮田登先生(ニンマリ)の総論。

 驚いた。

 山口昌男氏の出だしはよくよく考えてみると簡単な内容なのに,外国語のようにわからない。

 何度も戻っては繰り返して読み,声に出し,それでもチンプンカンプン。

 自己嫌悪に陥り,頭がしびれ始めた。

 9ページから18ページまでは,わかったようなわからなかったような状態でお手上げだった。

 仕方がないので子供(娘)に細やかに解き説明してもらった。(だはは!)

 19ページ目からあとは面白かった。

 良かった良かった。



 編み笠(節分)の話は全く知らなかった。

 面白いものだなぁ。



 思いついた順番に,興味深かったことを連ねておこう。

   
   編み笠(節分)
   杖
   音を出す
   賽の河原
   箒
   廁
   子ども・老人(産声など)
   辻と占
   辻(歌舞伎、能、芸能、謡、芝居、相撲、宝引き ほか)


 
 今回も時間がかかった。

 四日もかけて読んだ 怪異の民俗学 8 『境界』だが 、面白い箇所が多い。

 楽しめる満足のいくものだった。

 怪異の民俗学シリーズも,なかなかしゃれている。













  赤坂憲雄先生記録 ▼


 怪異民族学 8 『境界』  小松和彦 責任編集  河出書房新社


『東北学 / 忘れられた東北』  赤坂憲雄 著   株 講談社


 怪異の民俗学 7 『異人・生け贄』  小松和彦 責任編集 河出書房新社
2009-05-07 | 乱鳥乱読記録/2009年度


明治大学公開文化講座 XIV『文化における「異」と「同」』 風間書房
2009-03-20 | 乱鳥乱読記録/2009年度


『民俗を織る旅』(五柳叢書)  赤坂憲雄 著  株 五柳書院
2009-02-18 | 乱鳥乱読記録/2009年度


26: 『境界の発生』  赤坂憲雄 著  講談社学術文庫
2009-02-17 | 乱鳥乱読記録/2009年度

       
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67; 怪異の民俗学 7 『異人・生け贄』  小松和彦 責任編集 河出書房新社

2009-05-07 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫


 記録だけ  2009年度 67冊目          



   怪異の民俗学 7 『異人・生け贄』



 小松和彦 責任編集 

 2001年5月20日 

 河出書房新社

 395ページ 4000円+税   

                                                 

 柳田邦男、肥後和男、宮田 登 、西郷信綱、若尾五雄、

 赤坂憲雄、三浦裕之、中村育雄、桂井和雄、吉田禎吾、

 小松和雄、常蜜徹、矢野敬一、
 





 以前 河出書房新社の『日本異界絵巻』を楽しんだことがあるが,今回は 小松和彦 責任編集の 怪異の民俗学 7 『異人・生け贄』 を遊ぶ。

 これは面白かった。
 
 連休を挟み,思うように読書に時間を取れなかったが,今朝はパンを焼きながら 本と格闘。

 それもそのはず。

 この本は近隣図書館にたのみ,県立図書館から借りていただいたもの。

 今日が返却日だというのに、明け方まで飛んでも半分程度の進み具合であった。

 焦る乱鳥。

 速読乱読なんのその。

 とりあえず一通り最後まで読んだが,先ほども言ったようにたまらなく面白い。

 東北の池にぜごを突き落とした話、さよ姫の話。

 生け贄や人柱,呪術的要素。



 宮田 登や赤坂憲雄や小松和雄の話も、私にとっては心地が良い。

 矢野敬一の家の衰退の話も民話パターン的で,興味深かった。


 
 この本も,欲しいなぁ。


 
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56: 『宮田登 日本を語る1 民俗学への道』  宮田登 著  吉川弘文館

2009-04-19 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

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記録だけ  

 

2009年度 56冊目  

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『宮田登 日本を語る1 民俗学への道』

 

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 宮田登 著

 発行所 吉川弘文館

 2006年2月10日

 233ページ 2730円

 

 本日、宮田登を楽しむ。

 私の好きな宮田登氏の 『宮田登 日本を語る1 民俗学への道』

 今年では56冊目にあたる。

 

 宮田登 日本を語るシリーズも 残り僅かになってきたかと思うと、少し寂しい。

 まぁ、もう一度読めばいいことだな^^

 

『宮田登 日本を語る1 民俗学への道』も楽しく、一気に読みあげた。

 いろいろと興味深いことが書かれていた。

 時間がないので一つだけ記録しておこう。

 

 地名の重要性(P.119~)

 これは諸先生方が言われていることだが、新興住宅や町合併や新町づくりにおいてノ 今後の重大課題と考える。

 地名でおおよそがわかる場合が多いことは、先日講演をの中で 青山茂先生http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/d5ece2f627bbbc9c7355cb8537b7768a(『卑弥呼はほんとうに山辺の道を歩いたか』)もおっしゃっていた。

 

 ところで、『宮田登 日本を語る1 民俗学への道』では宮田先生の後輩にあたる福田アジオさんが解説。

 その中で 宮田登先生の人物像を語られていた。

 思った通りの方。

 講義を聴きたかったなと、再び感じた。

 

 今回も記録だけで、失礼申し上げます。

 

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55: 『神、人を喰らう』 人身御供の民俗学  六車由美 著  新曜社

2009-04-19 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

 (鹿、せんべいを喰らいて  神、人を喰らう)

  

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 記録だけ  

 

2009年度 55冊目  

 

       『神、人を喰らう』

       人身御供の民俗学

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        images images images  

 六車由美 著

 新曜社

 2003年3月31日第1版

 269ページ 2500円+税

 

 四月十八日 土曜日

 前日から読みかけていた 六車由美著 『神、人を喰らう』人身御供の民俗学を読了。

 途中『説教節』『まつら長者』などが出てきて、本書の3~4割がたは声を出して読む。

 全体を通して 文章がなめらかで、読みやすくわかりやすい。

 

『神、人を喰らう』は上滑りせず、細やかで真面目にとらえられたところが興味深い。

 今まで読んだ中に出てきた 人身御供や人柱や生け贄の記述(書物)よりも掘り下げられており、ありがたい。

 参考文献を開くと、これまた興味深い本も多い。

 

1 本書では赤坂憲雄氏に対する記述部分はたいへん面白かった。

 

2 八尾市恩智神社 御供所神事(11/26)

  米の神饌

    A 丸餅150

    B 餅マガリ 700~800

    C 俎板 オオブト マガリ バイシ 1500

    ABC あわすと人型 → 身代わり

 

3 身代わり 

    同村

    異人  → 呪術的要素が強まる

         → 神(或いは蛇)が受け付けない

     2パターン

 

4 異人  → 神(或いは蛇)が受け付けない

   上の場合を踏まえて、村で乞食(本書記述ママ)を囲う

   囲い人は生け贄のため

   村の権限などは全て与えられない

   隔離

 

5 『殺生の積みの緩和』のための『生け贄』という行為

 

 

 上1、2、3、4、5 以外の興味深いところをざっ!と簡単に記録しておこう。

 

 ・人身御供の靜めるためと、神が食するための生け贄

 ・人→四つ足→二本足→鮭→雑魚

 ・神社前池のひとつ目の魚(柳田)

 ・皇居の櫓下の大量人骨

 ・本当に人は食べなかったという著者の意見

 ・祭(性と食)

 ・広義の意味での「たべる」を、著者が三回以上取り上げたところ

 ・近松作品

 

 上は思いついたままですので、順番はばらばらです。

 こんな風に楽しい時間を過ごすことのできる本であったことを付け加えておきます。

 

 本日も記録のみにて失礼申し上げます。

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51: 『宮田登 日本を語る12 子ども・老人と性』 宮田登 著 吉川弘文館

2009-04-07 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 (写真上は東大寺の仁王・ 阿形)

 

 (写真上は東大寺の仁王・ 吽形)

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記録だけ  

 

2009年度 51冊目  

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『宮田登 日本を語る12 子ども・老人と性』

 

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 宮田登 著

 発行所 吉川弘文館

 2007年1月10日

 200ページ 2730円

 

 今年度51冊目は 『宮田登 日本を語る12 子ども・老人と性』を楽しむ。

 宮田登 日本を語るシリーズは37冊目の『王権と日和見』http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/d01fe6cb445406b23191255d51470409以来。

 今日読んだ宮田登 日本を語る12 は面白く一気に読むことができた。

 話しは飛ぶが、 本日柳沢文庫に行った。

 柳沢文庫のみならず、興味深い内容があり、記録しておきたいが、いろいろありすぎて 時間がない。

 この本は、興味深い内容が多かったが、今回は日本を語るシリーズとはいえ、記録のみにて失礼申し上げます。

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コメント (2)
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