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乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

49: 被差別部落の伝承を訪ねて 『民俗文化の深層』  乾武俊 著

2009-04-05 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

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記録だけ  

 

2009年度 49冊目  

 

  被差別の伝承を訪ねて

            『民俗文化の深層』

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        images images images  

 乾 武俊 著

 解放研究所

 1995年8月15日第1版

 227ページ 2500円+税

 

 先日から読み始めていた 「被差別の伝承を訪ねて『民俗文化の深層』」を、本日読了。

 この本はなかなか読めず、3周期(1ヶ月半)ほど更新し、寝かせておいたもの。

 近隣の図書館には民俗学関係の本は少なく、希少の一冊だった。

 ところが・・・。

 

 読み始めると、面白い。

 内容は深い。

 舞台好きの私にはたまらなく面白い内容で、欲しいなとまで思った。

 

 知らない伝承芸能の数々。

 知っている伝統芸能や芝居。

 民衆と密着した芸能が満載である。

 

 もったいないことをした。

 メモをとるべきだったと、後悔。

 

 この本は、伝統芸能の視点から考えて、私は純粋に欲しいと思った。

 この本はもう一度しっかりとメモをとりながら、再読しよう。

 

 写真は、あえて能楽にした。

 私は、伝統芸能は分け隔て無く 好きだと感じる。

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47: 『民謡・猥歌の民俗学』  赤松啓介 著  明石書店

2009-04-04 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

    

           

 (写真は中国/雲南省の麗江古城内。

 酒を飲みながら、向かいあった飲食店の従業員と客が歌で対戦。

 雲南省の少数民族の方たちの山間での歌垣の名残か・・・。)

           

( こちらは麗江古城のすぐ近く。

 古城の外の飲食店。

 おどりや歌のライブを楽しませる、大がかりな屋台風の店が多い。

 鳥料理や豚の丸焼き、串焼きが目立つ。

 串焼きなどは、一味唐芥子をかけて食べる。)

 

 

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記録だけ  

 

2009年度 47冊目  

 

     『民謡・猥歌の民俗学』

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        images images images  

 赤松啓介 著

 明石書店

 1996年11月20日第3版

 460ページ 5300円+税154円

 

 昨日から『民謡・猥歌の民俗学』を読み見始め、本日読了。

 いろいろなパターンに即して歌や民謡、伝承された歌などが集められ手いる。

 民話や口承文芸の形式と同じつくりで、読みやすい。

 声に出して読むと、勢いが付いてリズムに乗れる。

 しかしながら、中には声に出しては読めないものも含まれていた(笑み)

 まぁ、本の題名からして、あたりまえと申せましょう。

 

 赤松啓介氏はこれで四冊目。

 こんなに読むとは思わなかった・・・。

 

 気になったのは、『はやり歌古今集』と、近松の『五十年忌歌念仏』

 一応記録しておこう。

 

『万葉集』『神楽歌』『催馬楽』は家にある。

 近々 『神楽歌 催馬楽』は目を通しておこう。

 

 本日も記録のみにて失礼申し上げます。

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46: 生活民俗と差別昔話 『民俗文化』  赤松啓介 著  明石書店

2009-04-02 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 (写真は法隆寺です。)

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記録だけ  

 

2009年度 46冊目  

 

 生活民俗と差別昔話

         『民俗文化』

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        images images images  

 赤松啓介 著

 明石書店

 1986年11月20日第3版

 338ページ 2000円

 

 四月一冊目は、生活民俗と差別昔話 『民俗文化』を楽しむ。

 故赤松啓介氏はこれで三冊目。

 読み始めて二〇ページばかり読んで、一旦、このブログを見て確かめる。

 生活民俗と差別昔話 『民俗文化』はやはり読んでない。

 以前これと似た本を読んだ。

 似ているというより、内容が全くいっしょ。

 それほどまでに、『差別の民俗学』 と生活民俗と差別昔話 『民俗文化』は同じ話しだった。

 多分、組み立てもたいした違いはないのではないか。

 但し、『民俗文化』も生活民俗と差別昔話 『民俗文化』と同様、図書館からお借りしたもので、今は『民俗文化』を手元に持ち合わせてない。

 比較のしようがないのが残念。

 まぁ、こういったことは度々あるが、読む側にとっては少し残念。

 近隣図書館から、わざわざ県立図書館に借りていただいた本田から、申し訳なく感じる。

 

 内容は面白かった。

 以前『差別の民俗学』にて 興味を持った部分は記録しているので、今回は省かせていただきます。

 今回も記録のみにて、失礼申し上げます。

 

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 『差別の民俗学』     

 赤松 啓介 著  2006年 筑摩書房の記録 ▼

http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/84e51ccd0cf27daa835fdc71ff5cf214

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40: 道辺の男女神 『道祖神』  京都書院アーツコレクション168

2009-03-24 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

         

(写真はニヒル・ウィルタ両民族の 「偶像」。

 道祖神ではありません。

 大阪の民族学博物館にて)

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2009年度 40冊目  

 

  道辺の男女神 『道祖神』

 

 京都書院アーツコレクション168  

 京都書院発行

 森田拾史郎 著

 金森敦子 解説

 平成10年9月1日 第1版

 1000+税

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 道辺の男女神 『道祖神』を楽しむ。

 写真が楽しく、先日から何度も見ては遊んでいた本。

 

 解説は最近注目している 金森敦子女史。

 近いうち、この人の本も選び 読みたい。

 

 説明では

   塞の神=道祖神=道の神

といった単純な者ではなかったとある。

 

 都に疫病→人型(疫病を移して捨てる)

 巨石、道反之大神になぞらえる 

    →神体として丸石や陰陽に似た石

     『古事記』

 

 境界無き時代  240~

  気の人形

  丸石や陰陽石

     『信貴山縁起絵巻』

  ↓

  男女二神像   142~

  道切り

 

 六道輪廻  250~

  六道の辻

  六観音・六地蔵 → 道陸神(どうろくじん)

  上は正且つ日に投げ込まれる

       → ドンド焼き

  

 以上が特に興味深かったところ。

 

 今回も記録にみにて 失礼申し上げます。

 

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37: 『宮田登 日本を語る10 王権と日和見』 宮田登 著 吉川弘文館

2009-03-19 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は奈良の信貴山 2009.正月)

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記録だけ  

 

2009年度 37冊目  

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         images  

『宮田登 日本を語る10 王権と日和見』

 

    images images images

 宮田登 著

 発行所 吉川弘文館

 2006年12月10日

 246ページ 2730円

 

 今朝 『宮田登 日本を語る10 王権と日和見』を読了。

 王権と日和見は宮田登が得意とするところだが、わたしは王権の方はきわめて興味がない。

 明治天皇がお田植えをされた場所に石碑が建ったとか、神饌のため御所で天皇がお田植えされたという部分くらいが、心に残ったかな。

 宮田登 日本を語るシリーズは奈良県立図書館と、京都の大学図書館の中心図書館で借りてもらっている。

 これまで読んだ十冊余の宮田登 日本を語るシリーズは全て誰も読んだ後がなかったが、今回初めて、どなたか(複数の方)が読まれた跡があった。

 やはり日本人にとって 王権と日和見という内容は、興味深いのかも知れない。

 ちなみに今回この本は 奈良県立図書館のものを近隣図書館に借りていただいた。

 王権と日和見というだけあって、奈良の話しも多いこととを付け加えておこう。 

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 王権と日和見というタイトルだが、私にとっては日和見の部分が参考になった。

 興味深い部分を簡単ぬ抜き出しておこう。

 

 日和見の儀礼 164~

  ヒヨミ→カヨミ→コヨミ

 

 白山と日知り 165~

  花祭り  「聖なる時間」として、把握

  花祭りとは別に、大豊作の年に神楽

   神楽の方法(ノートに記録)166

 

  トキオリ 184~

   『歳事習俗語彙』

   奈良県一帯 トキヨリ  (202~含む)

   トキ は セチ に当たる古語

    「年に三トキは犬も知る」

    「年に三トキは犬もする」

    「年に三トキは嫁も知る」

    トキは 正、五、九

    仏に団子、小豆飯、

    多く食べる

 

  「時そば」(落語) 190~

    霊的背景として、時を刻む

    → 捨て鐘

 

 節 203~

  竹の節

   竹の成長過程におけるプロセス

   → 人間の時間認識の仕方に投影

 

 鯰絵 207~

  世直し

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 上のような部分が、私の好きな何らかに関連していて 興味を持ったところ。

 他にも、興味深い部分は多くあったが、今日はこれくらいにて 失礼申し上げます。

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35: 『宮田登 日本を語る 6  カミとホトケのあいだ』  宮田登 著  吉川弘文館

2009-03-13 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は京都の東福寺 2008)

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記録だけ  

 

2009年度 35冊目  

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『宮田登 日本を語る 6  カミとホトケのあいだ』

 

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 宮田登 著

 発行所 吉川弘文館

 2006年7月10日

 199ページ 2730円

 

 本日 二冊目は『宮田登 日本を語る 6  カミとホトケのあいだ』を楽しむ。

 この本は面白かった。

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 興味深い部分を簡単ぬ抜き出しておこう。

 

 盆踊り 

   「なんまんだーぼ なんまんだーぼ」

   念仏おどりに由来 ご馳走→送り出す  6~

   

 御霊信仰 32~

 

 民俗信仰のカミ・タマについて 39~

 

 代受苦(だいじゅく)

   境の神の機能と代受苦

   地蔵(災厄を散り去る)  164~

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 ご来場、ありがとうございます。

 今日は夕方より来客の予定。

 記録のみにて、失礼申し上げます。

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34: 民俗と文化の同一性を探る 『日本文化のふるさと』 角川選書 222

2009-03-13 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

記録だけ  

 

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2009年度 34冊目  

 

 民俗と文化の同一性を探る

  『日本文化のふるさと』

 

 角川選書 222

 岩田 慶治 著

 平成3年12月5日 第1版発行

 1300円+税

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 3月13日

 昨日から 二冊の本を楽しむ。

 タイトルは 日本文化のふるさと とあるが、 アジアなどの諸外国との比較民俗学的な内容。

 興味深いので、この本は二度(二回目)読んだ。

 

 今日は夕方から来客あり^^

 記録のみにて失礼いたします。

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32: 『祭りと信仰』--民俗学への招待--   桜井徳太郎 著  講談社学術文庫

2009-03-09 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は奈良の下市の梅。

 

記録だけ  

 

2009年度 32冊目  

 

 『祭りと信仰』

 --民俗学への招待--

 

  

 桜井 徳太郎 著

 講談社学術文庫

 昭和62年12月10日第1版

 319ページ 2730円

 

 朝から『祭りと信仰』を読み、楽しむ。

 桜井 徳太郎氏の本は初めてだったが、この人の本が面白い。

 興味深い部分が満載。

 この人は好きだなと、直感的に感じた。

 宮田登と同じくらいに好きになるかも。

 一冊目にして、『女の霊力』が働いたよ(笑み)と、内心 おちゃらけたわたし。

 

 

『祭りと信仰』を読んで、興味深い部分を記録しておこう。

1山岳の話し。

2農村のサイノカミ(賽の神)と呼ばれる道祖神の話し。

3『卑弥呼と民俗学』では宮田登には書かれてなかった内容。

 邪馬台国は何処かは、先日聴いた青山茂先生の話に近い。

 物事を客観的にとらえる事のできる学者だと感じた。

4『卑弥呼と民俗学』から巫女の話しに発展。

 巫女本来の姿はいろいろな方がいわれている。

 内容的に納得。

 去年の秋に参加させていただいた差別関係のフィールドワーク時の吉田栄治郎氏の話された 天理の口寄せ巫女の話しを思い浮かべた。

5イタコに後でどういう意味の託宣があったかを問うと、神が乗り移る云々でわからない。

 対して4出の天理の口寄せ巫女の返答は興味深い。カウンセラー的要因を重視。

 どちらも納得。

6古代の政治(巫女と審神者さにわ

 これは有名。

7七世紀、大和の元興寺(がんごうじ)の道昭和尚(どうしょう)の死骸を荼毘にふすように → 火葬 

 この話も先日の青山茂先生の話にあったところで、親しみやすい。

8『成人式--元服』での若者組の酒一升云々は赤松氏炉共通。

9民俗学でいう『予祝行事(よしゅく)』の重要性。

 

 

 全体を通して 桜井 徳太郎氏と言う民俗学学者は机上の学問だけではなく、祭りや氏の土地の生活や習慣の中に飛び込んで、その土地の人々と酒を買わし、話しを聞いたそうだ。

 民謡が上手く、おどりが上手い。

 土地の人と仲良くなり、突き詰めた話しを聞き出すのは、たわいないことだったのだろう。

 その上で才能のある方が能力を発揮されると、鬼に金棒。

 こういった素晴らしい本が書き上げられるのだなぁと心底感じた。

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30: 『宮田登 日本を語る 2  すくいの神とお富士さん』  宮田登 著  吉川弘文館

2009-02-25 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 


(写真は雲崗石窟。中国の山西省。


『宮田登 日本を語る 2  すくいの神とお富士さん』の中の比較民俗学の部分で雲崗石窟が取り上げられていたので、この写真を思う出す。


そういうと、今年は中国に行く予定がないのが、寂しい。                 


                     2007.12 )


 


記録だけ  


 


2009年度 30冊目  


 


『宮田登 日本を語る 2  すくいの神とお富士さん』


 


  


 宮田登 著


 発行所 吉川弘文館


 2006年3月10日


 225ページ 2730円


 


 本日『宮田登 日本を語る 2  すくいの神とお富士さん』を読了。


 


 江戸時代 6月。


 洗いざらしのザンバラ髪に白衣姿の若者が富士に登る。


    白雪に くろき若衆や 富士もうで


 


 修行、初詣(6月正月)、成人式云々で山に登り、下山。


 赤坂氏の記述によると修行などで山に入り降りた後の込み入った話を踏まえると、これらの若者が富士を下った後も同様と考えるのが妥当だろう。


 真の意味での成人式である。


 


 富士参りした若者は、麦わらでつくった蛇を土産にしたという。


 この蛇を一年間飾ると、無病息災、火事にならない等と言われたらしい。


 ちなみに(白)蛇は「脱皮」という意味合いも大きく、縁起が良い。


 成人式の意味合いも含められた富士登山の土産には、ぴったりかも知れない。


 


 138ページの『「非日常時」の民俗学』では 柳田國男氏の『明治大正史 世相編』で示されたモデルは「情念」のようなもの・・・・・・。「知」「情」「意」という意識の問題として、抽出するという独自の方法を持っているがゆえ現代民俗学において、個展として迎入れられる 云々と書かれていた。


 これについてゃかねがね、知人や友人が耳にたこができるほどいっていることであり、納得した。


 近々、友人に電話を入れることにする。


 


 宮田登氏は若くして亡くなられたが、東アジアにおけるミクロ信仰の研究は、古谷野洋子女史(『ミルクと中国芸能』『比較民俗研究20.2005.10』が性かを出されているとのこと。(佐野賢治氏 解説より)


 中国、比較民俗学とあっては 気になる。但し、位置主婦の私に読める内容かどうかの資料が手元にはない。あんちょこだが、何処かの大学図書館やアマゾン等で確かめたいと思う。


 


 


 


 

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29: 『差別の民俗学』  赤松啓介 著  筑摩学芸文庫

2009-02-23 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

      

       

      

(写真はイランのベヒストゥン。

砂地の山道をかなり歩いていく。すると所々、写真のような空間が現れる。写真一枚目も住居跡とのこと。

 家族は何日間か、ここの有名遺跡の写真を撮ったりいろいろして、仕事をしていた。

 わたしはこの土地も二年続けで複数回きているので、夫から離れて冒険。

 写真の老人は、この土地の人。ガイド役を務めて下さった。

 イラン人大学生二人とわたしの三人は 親切な老人二連れられて、ここの土地の小さな遺跡を案内していただいた。

 

 いっしょに連れ立った大学生の一人に、茶色の可愛らしいショルダーバックを頂いた。

「プレゼント フォー ユー^^」

 イラン人男性は若くても小粋である。

 息子にもこういった子じゃれた行為を、少しは見習わせたい!)

 

 

記録だけ  

 

2009年度 29冊目  

 

 『差別の民俗学』

 

  

 赤松 啓介 著

 2005年7月10日第1版

 2006年8月25日第4版

 株 筑摩書房

 筑摩学芸文庫

 241ページ 1000円+ 税

 

 本日『差別の民俗学』を楽しむ。

 赤松啓介 著の 『夜這いの民俗学 夜這いの性愛論』についで二冊目。

 この本は考えさせられる部分も多く、興味を持って一気に楽しめた。

 

『スジ』という点を詳しく説明。

 職業なども、今まだ考えも及ばなかった業種まで並べられていた。

 その中に、油屋があった。

 わたしはかねがね、歌舞伎の『女殺油地獄』に出てくる茶屋で 女が着物を縫う場面に疑問を抱いていた。

 茶屋で男女は何処までいきかけたか・・・である。

 殺しの前の、油屋において、

「なんぼ、主人に疑われたことか・・・。はよ、いんで(行って)下さい。

という女の台詞や、

「いっそ関係を持って、金を貸して下さい。」

といった男が女に言い寄る場面から、二人は潔白であったことはわかる。

 が、茶屋での子が赤子をあやす場面や

「いっそ関係を持って、金を貸して下さい。」

の台詞の後の、女が一瞬神をなでつける仕草にて、赤松啓介氏が書かれた内容が昔から合ったことが理解できる。

 夜這いが日常化していた日本。

 茶屋、油屋、その他条件が整ったところに、夫が戻ってきたと言うことであった。

 なるほど・・・深い。

 殺しにまで発展したのは五月五日の女の家。また、金。加えて、いろいろな感情的条件がととなっていたのだ。

 ちなみに、夜這いが日常化していた日本の習慣を禁止した日本政府の思惑は、性をケガレとし、また性を商業科させ、税を集めようとした点にあるとのこと。

 

 考えもしなかった大峰山の行の後も、いろいろな試みがあったとのこと・・・。

 山伏のことなども書かれていた。

 そう考えると、もしかしたら役行者なども・・・。

 少々わらけて来るではないか・・・。

 

『釣り合わぬは不縁の因』として、『白滝姫』『鶴女房』『魚女房』『信田の森の葛の葉』『狐女房』『三輪山神話』『もぐらの嫁探し』などあげられていた。

 こういった『鶴女房』などの内容は 以前ざっと目を通しただけだが、折口信夫氏も書かれている。

 

「村落社会の民俗と差別   3 調査の階属性」 (P.118~)の柳田國男氏における問題点を、『夜這いの民俗学 夜這いの性愛論』の時よりも寄り具体的に記述されていて、イメージがつかみやすい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 内容から言っても、五穀豊穣と子孫繁栄を兼ね合わせていると思うのは、私だけであろうか・・・。

 となれば、問答、五穀豊穣、子孫繁栄から考えて、これは二人だけの問題ではなく、神に言い聞かせていると考えられるのではないだろうかと感じる。

 また柿の木は果実(実もの)と言うだけではなく、『柿』の文字の「木偏」を「女偏」に変化させると、『姉』という字となる。

 本書に書かれた『柿の木問答』の台詞を変え、『姉の気問答』とすると話が通じると思えるのは私だけか・・・。

 

 全体を通して、未知の世界が具体的に書かれ、興味深く一気に読むことのできる秀作といえる。

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27: 『民俗を織る旅』(五柳叢書)  赤坂憲雄 著  株 五柳書院

2009-02-18 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は京都の稲荷神社。

 一人行動も好きな私だが、一人で稲荷神社を歩くのは、怖い・・・。私は恐がり。

 稲荷神社の奥の方まで行きたいのだけれど、なかなか思うようにいかない。

 写真は秋に息子と行った時のものだが、二人は峠茶屋まで行飯田が、後ろ髪を引かれる思いで 降りた…。

 息子は東福寺に行きたいという。

 先を急ぎ、稲荷神社を後にした。

 

 稲荷神社の上の方にはサスペンスにも出てくる自殺の名所かも知れない???滝があるという…。

 滝も何かが起こる場所の一つと考えられている。

 もしかすれば雨神の龍 或いは鳴神にも会えるかも知れないではないか…。

 妄想は尽きない。)

 

 

記録だけ  

 

2009年度 27冊目  

 

 『民俗を織る旅

 

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        images images images  

 赤坂憲雄 著

 2002年4月15日第1版

 五柳叢書

 株 五柳書院

 270ページ 2310円

 

 子どもに大学図書からかりてもらった三冊の内の一冊。

 前日『境界の発生』を読んだが、赤坂憲雄著続きの『民俗誌を織る旅』なのである。

 この本はエッセー風で、思っていたものとは違った。

『境界の発生』は興味深かっただけに、屋台のラーメン屋で杏仁豆腐を出された感じか…。(笑み)

 

 宮田登氏の名が何度も出てきたので、心ときめいた^^

 また、山形の蕎麦を褒め称えたところは、感心感心。

 違いのわかる男であった。(・・・と、えら~~い先生に対して、馬鹿を言う乱鳥)

 お許し願いたい(笑み)

 

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お百度参りから 右まわり、左まわりを考える。

2009-02-17 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

    

 

 赤坂憲雄著の『境界の発生』の記録が長文になってしまったので、手短に書くことにする。

 

 

 京都の稲荷神社には、お百度の仕方が説明されていた。

 写真の図を見てもわかるように、説明では『左まわり』と説明されている。

 だが、図を見てわかるとおり、矢印は時計まわりである。

 

 子ども二人が各小学校一年生の頃、いっしょに朝顔観察をした。

 教科書には「朝顔の蔓は左まわり」と説明されていた。

 納得!

 ところが調べてみると、学者にっよっては朝顔の蔓は右まわりと論じられている。

 これも納得。

 

 友人の嘘のような話だが、右左が苦手な人がいる。

 対象物を中心に考える場合と、自分を中心に考える場合の区別がつきにくいらしい。

 右利きの私にはわかりにくいが、彼女は左利きで、親御さんに、

「右はお箸の持つ方。」

だと教えられ、それが後になっても災いしている様子。

 但しこの友人の場合はこういった単純な話が、「対象物を中心に考える場合と、自分を中心に考える場合の区別がつきにくい」といった思考の範囲まで入り込み、彼女を悩ましているという。

 

 右まわりと左まわり。

「対象物を中心に考える場合と、自分を中心に考える場合」といった事を考えず、単に対象物を見た場合、どちらまわりかは、必然的に変わる。

 こう考えると、たまには時計も「右まわり」とは決めつけず、時計の針とともに歩んで違った見方をするといった遊びも楽しいかも知れない。

 其の手始めに、悩みなき人も、一度お百度参りをされて見ては如何でしょうか・・・。

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26: 『境界の発生』  赤坂憲雄 著  講談社学術文庫

2009-02-17 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

       

 

(写真は京都の稲荷神社。お百度参りに使用するらしい。ちゃんと、おひょくどの方法も説明が記されていた。私のようなもの知らずの阿呆には、ありがたい。稲荷さまさまである。)

 

記録だけ  

 

2009年度 26冊目  

 

 『境界の発生

 

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        images images images  

 赤坂憲雄 著

 2002年6月10日第1版

 講談社学術文庫

 株 講談社

 329ページ 1155円

 

 この本は子どもに頼んで、大学図書からかりてもらった。

 子どもには 『境界の発生』の他、『都市と境界の民俗』と『民俗誌を織る旅』の三冊を頼み、要約二冊が読めた。

 先日読んだ『都市と境界の民俗』に思いの外手間取り、更新してもらったという情けない状態。

 なお、『境界の発生』と『民俗誌を織る旅』はいずれも赤坂憲雄 著である。

 

 十六日に読んだ『境界の発生』は、楽しかった。

 この本も論文三、他という構成。

 しっかりとした内容だが、『境界』という私の興味ある内容で、納得しながら読み進めた。

 柳田國男氏や折口信夫氏や宮田登氏なども引用。

 馬鹿な私は、宮田登氏を例にとられると心ときめく。

 気持ちはまだまだ若い。

 家族に宮田登るの話を連日していると、もうあきれめられているらしく、フムフムと納得してくれる。

 夫、子ども二人は、私の良き理解者である。

 感謝^^

 

 この本で特に気になったのは『杖』の話。

 杖ひとつ取り上げてもいろいろあるんだなぁ・・・。

『箸』といい『竹』といい、『餅なし正月』や『肉正月』・・・・・・(書き出したらきりがないのでやめるょ^^;;)。

 他にもいろいろな意味合いを持ったものが多くて、考え出すと切りがないのかも知れない・・・。

 

 また『辻』の話も興味深い。

 辻は芝居でも多く出てきて、舞台が上手く作り上げられている。

 辻や川や峠や坂や森や十字路や井戸や穴・・・・・・。

 何かが起こりそう・・・。

 うんうん、そういうところの芝居も多いんだよね^^

 この本では辻をクローズアップして顕彰されていた部分が、興味深かったな。

 

『捜神記』や『譚海』や他多くを例にあげての生け贄の話は驚いた。

 人柱などは有名だが、こういった「置き換え」の生け贄は驚きながらも、カって人々の期待や願いをこめて、そういった事を行ったのかと思うとそら恐ろしいと同時に、何だか納得する原始的な感覚も生じて来るから不思議だ。

 上の感覚は、民俗学の本を読み進むうつに芽生えた、事実を冷静に見るといった感覚が定着しつつあるからかも知れない。

 

 生け贄とは違うが、昨日S様に教えていただいた愛媛県の一人相撲といったものも、「置き換え」に底部分が通じると思われる。

 強が力士が土俵空間にいらっしゃる神にものの見事見投げ飛ばされる。

 三本のうち日本を神ガ勝たれ、力士が負けることにより、その都市は豊作という。

 これは広義で考えるならば、救われた形をとられた犠牲の置き換えとも思われる。

 強い力士が見えない神様によって、まるでエクソシストのように投げ飛ばされる姿に、私は感動を覚えた事を付け加えておく。

 

 今回読んだ『境界の発生』は何処彼処と興味深く、面白かった。

 また、宮田登氏の名前が多く載せられていて、私は心ときめかせながら少女のような感覚で読みあげた。

 この場に及んで、私は厚かましい中年女性である。

 ミーハーの私をお許し頂きたい。

 

 

 

 

 

 

 

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25: 『都市と境界の民俗』  筑波大学民俗研究室 編  株 吉川弘文館

2009-02-15 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は奈良のおん祭。三日目の奉納相撲前の神事。2008,12)

 

記録だけ  

 

2009年度 25冊目  

 

 『都市と境界の民俗

 

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 筑波大学民俗研究室 編

 2001年12月10日第1版

 株 吉川弘文館

 325ページ 8725円+税

 

 以前から読んでいた 『都市と境界の民俗』を本日読了。

 この本は子どもに頼んで、大学図書からかりてもらったものだ。

 宮田登氏が2000年2月にお亡くなりになり、その追悼論文集とのこと。

 私のような一般人対象の本ではなく、専門的な内容で、手間取る。

 興味深い内容も多いが、わからない部分も多い^^;;

 

 記録のため、吉川弘文館の説明分をのせさせていただく。

 

民俗学的歴史」「都市・漁村」「日和見・王権論」「儀礼研究の展開」をテーマに、民俗学研究の最新成果を集成。沖縄の門中組織、昭和戦前期の郷土食等、宮田民俗学の継承と課題の克服を試みた多彩な論考十三編を収録。

 目次

 1 民俗学的歴史—近代の再認識(記録された系譜と記憶された系譜—沖縄における門中組織のヴァリエーション「郷土食」からの問い—昭和戦前期における地方と農村女性への視線読み書きのフォークロア—農書と私文書の検討から ほか)

 2 都市・漁村—非農業民の民俗研究(首里と那覇の都市民俗漁民の移住誌論)

 3 日和見・王権論(トキと時—熊本県五木村のトキヨコイを手がかりに日和見から血スジへ—宮田王権論、もう一つの可能性 ほか)

 4 儀礼研究の展開(村落祭祀の二つの類型淡水漁撈と儀礼—稲作社会における淡水漁撈の意義 ほか)

 

 宮田登氏などで読んだ内容もあった。また、好きな宮田登氏の追悼論文集ということで、時間をかけて頭をこんがらがし クチャクチャになりながら、最後まで読んでみた。

 読み終えてまずしたことは、おん祭の奉納相撲http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/5ce3c013fba2e691c0eaa8b454324d0eの写真と 信貴山火渡りの前に行われる山伏問答の写真を見た。

『都市と境界の民俗』に出てきた相撲の話は、興味深かった。

 

 他 気になった記述としては、南の島の肉正月。

 これは度々出てくる内容だが、気にかかる。

 

 扶鸞信仰(ふらんしんこう)から扶鸞結社運動(87ページ)は面白かった。

「扶鸞」とは「扶けい」「扶箕(ふき)」と呼ばれ、日本のこっくりさん、西洋のプランシェットと同様、自動筆記によって託宣を得るシャーマニズムの一形態だという。

 私はこっくりさんや占いをしてもらったことがない。

 しかしながら民俗学てくに考えて、次々に紹介されるいろいろな占いやことばは、また私の知らない世界であり、民と密接なつながりをもっていたことに感動した。

 

 この本は記録しはじめるととりとめもなく長くなってしまいそうなので、この辺で止めたいと思う。

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22: 民俗と文化の同一性を探る 『日本文化のふるさと』  岩田慶治 著  角川選書 

2009-02-11 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

 (写真は民族学博物館にて撮す  ↑)

 

 

    

(今日は奈良の広瀬神社の砂かけ祭り。2006年に撮す ↑)

 

記録だけ  

 

2009年度 22冊目  

 

民俗と文化の同一性を探る『日本文化のふるさと

 

 

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 岩田 慶治 

 平成3年12月5日第1版

 角川書店

 角川選書 222

 1300円+ 税

 

 二月十日。

 約一週間ぶりで本を読み終える。

 今月は まだ五冊目か・・・。

 何をするでもなく漠然とした空白の時間。

 反省点は多い。

 

 民俗と文化の同一性を探る『日本文化のふるさと』はほんの名でもわかるように日本文化をアジア諸外国戸比較検討しながら紐とかれていた。

 中国やタイの話は日本文化の元になっている部分も多く、興味深い。

 

 共通点が多いとはいえ、タイとビルマの国境産地に住むイコー族(アカ族ともいう)の村の入り口に立てられた鳥居は、今現在の日本で見られる鳥居にそっくりだ。(四十六ページ)

 また鳥居の横木の取り付けられた木彫りの鳥は、日本の初期の木 一本を立て上に鳥をのせたと伝えられているる鳥居を思い浮かべる。(四十七ページ)

 なお、木 一本を立て上に鳥をのせた鳥居は、大阪の国立民俗博物館でも見ることができる。

 

 タイの出産の方法は、日本のケガレとしての隔離された様子を思い出す。

 意味合いは日本とは逆とされているが、ハレとケガレは逆一対とされる考え方もあるので、あながち無関係とも言い難い。

 

 死における『魂夜這』は興味深い。

 死に瀕し 霊魂が身体から去ろうとするのを、何とかとどめようとする。

 人が死に行こうとするとき、『カン・ピー』という古書を持ち出して、必ず死ぬ運命かどうかを判断するという。

 こういった魂夜這の習慣は、ラオ族、タイ族、クメール族に広く行き渡っているらしい。

 

 クメール族の神の木偶は日本のこけしの形に似ている。 

 二対の木偶はクメール族の村祠(そんし)である。

 滋賀県の安土町の弥生式遺跡跡から発掘された日本最古の木偶と クメール族の木偶とのあいだに、一脈通じるものがあると、著者は書かれている。

 

 稲作儀礼なども紹介され、興味は尽きない。

 日本文化に焦点をひく本書は、誠に面白くためになった事を付け加えておく。

 

 

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