乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

18: 『夜這いの民俗学 夜這いの性愛論』 赤松啓介 著  筑摩学芸文庫

2009-02-01 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は信貴山から見える山)

 

記録だけ  

 

2009年度 18冊目  

 

 『夜這いの民俗学 夜這いの性愛論』

 

  

 赤松 啓介 著

 2004年6月9日第1版

 2004年12月25日第4版

 株 筑摩書房

 筑摩学芸文庫

 327ページ 1200円+ 税

 

 赤松啓介 著の 『夜這いの民俗学 夜這いの性愛論』を本日読了。

 これが結構時間がかかり、3日を費やす。

 故赤松啓介氏の口調は学者らしからぬ味わいで、口調良く語る。

 気品にとんだ方とは言えないが、味わい深い内容と意味合い。

「ここの村ではそうだが、燐村や他村では知らない!」といいきる赤松啓介氏の自身に満ちた潔さは、気持ちが良いものだ。

 自分にとって都合の良い継ぎ接ぎをする研究者も多い中、「イエスかノーの二つに一つではない!」といった姿勢は、学者としての厚みさえ感じる。

 

 柳田國男氏の問題点は、居間まで読んだ南方熊楠氏や折口信夫氏や宮田登氏や本田勝一氏などのか鳥羽よりも具体的で単刀直入。

 切り口が鮮やかで、且つ わかりやすかった。

 また某女史などに対する感想も、本質を得ており、的確といえよう。

 

 夜這い内容云々は私の頭の中にたたき込まれているのでここでは省かせていただく。

 

 面白く、興味を持ったのは『柿の木問答』

 これは芸能の初めとされる問答が、生活に密着した形か・・・。

 内容から言っても、五穀豊穣と子孫繁栄を兼ね合わせていると思うのは、私だけであろうか・・・。

 となれば、問答、五穀豊穣、子孫繁栄から考えて、これは二人だけの問題ではなく、神に言い聞かせていると考えられるのではないだろうかと感じる。

 また柿の木は果実(実もの)と言うだけではなく、『柿』の文字の「木偏」を「女偏」に変化させると、『姉』という字となる。

 本書に書かれた『柿の木問答』の台詞を変え、『姉の気問答』とすると話が通じると思えるのは私だけか・・・。

 

 著者曰く、教育勅語などにおける禁止事項が今の日本の性に対する感覚的基本形を無し、元の日本の性大系を大きく揺るがしたことには変わりないらしい。

 それは幸か不幸かは別問題として、日本民俗の大きな部分を大きく変化させたのだろうと思うと、複雑な気持ちになる。

 それが著者の言うように悪かったかどうかは、私個人にはわからない難しい問題を抱えている。

 ただ、赤松啓介氏の言うには 過去のそういった風習を 柳田國男氏のように無かったことにしてしまっているという。

 そういった姿勢柳田國男氏の姿勢が本当ならば、これに関してはいただけない。

 事実は事実としてとらえられる民族学的学問であって欲しいと願うばかりである。

 

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17: 『ちちんぷいぷい 「まじない」の民俗』   神崎宣武 著  (株)小学館

2009-01-30 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫
 

(写真は 奈良の矢田寺の村境で見た『道切』)

 

 

記録だけ  

 

2009年度 17冊目  

 

 『ちちんぷいぷい 「まじない」の民俗』

 

  

 神崎 宣武(かんざきのりたけ) 著

 1999年3月20日

 株 小学館

 223ページ 1500円+ 税

 

 神崎 宣武氏の本はこれで二冊目。

 一冊目は一昨年の四月の読んだ岩波新書の『江戸の旅文化』http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/fc95c0d508c99a610e7cd9b2b0c0eee6

 今回読んだ『ちちんぷいぷい 「まじない」の民俗』葉初めは簡単。だが読み進めていく内に内容は深まり、ぐいぐいとひきつけてくれた。

 

 この本での一番の収穫は『道切(みちきり)』と『石がん当(いしがんとう)』という言葉と意味合い。

 長らく疑問に思っていたことが解決して嬉しい。

 

『ちちんぷいぷい 「まじない」の民俗』が他の民俗学のほんと異なる点は、昔ながらの伝説や意味や意義を書くのではない点かも知れない。

 まじないなどを著者なりに消化して、著者の考えでまじないとはこういった意味合いにあると断定されている。

 この断定の仕方が心地良い。

 正論であり、私の場合は納得。

 まじないなどに関連して、自称シャーマンや祈祷師や占い師の方なども世の中には多くいらっしゃるし、また信じておられる方も多いので、ここでは省かせていただく。

 しかし今回の書写のまじないに対する考えといい、前回読んだ『竹の民俗誌』の中に出てくるかぐや姫の翁の心のよりどころといい、人間は何処かによりどころを求める弱い生き物なのだと感じた。また、同時に、弱いがために、今よりも向上したいと考える素晴らしい生き物だとも感じる。

 自分の考えを書かれた本には、この手の関係本では見たことがなかっただけに、楽しく読めた。

 

 この本にはかなり興味深い写真も載せられていた。

 大阪の民族学博物館で見たようなものも多い。

 藁でつくられた道祖神や鍾馗様も見入ってしまった。

 

 主要文献の中に、宮田登氏の名を三つ見つけた。

 心ときめく。

『呪ないの原理』(『日本民俗文化大系 4)』『江戸の小さな神々』(青土社)『江戸のはやり神』(筑摩)だった。

 最後には 年末だったかに読んだ加門七海さんの『うわさの神仏 日本闇世界めぐり』の記されていた。

 加門七海さんの名は 以前宮田登氏だったかの対談でも出てきたことがある。加門七海さんも結構民族学関係の学者に注目されているんだなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

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16: 『竹の民俗誌』ー日本文化の深層を探るー  沖浦和光 著  岩波新書 新赤版

2009-01-29 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は 信貴山。正月に参拝した折、竹笹のはに小判がつけられたものが二本、たてられていた。何ともはや、えべっさんや大黒さんよりもお金儲けが上手そう・・・と、ほくそ笑む私。

 ちなみに今回読んだ『竹の民俗誌』には七福神は竹に深い関連があると書かれていた。)

 

記録だけ  

 

2009年度 16冊目  

 

 『竹の民俗誌』ー日本文化の深層を探るー

 

  

 沖浦和光 著

 岩波新書 新赤版 187

 1991年9月20日

 243ページ 550円+ 税

 

 正月、信貴山に行ったとき、竹笹にまつわるいろいろなものを見た。

 同じく一月、今宮戎の笹や宝恵駕篭のかけ声なども、竹笹にまつわる。

 十二月に奈良で行われたおん祭の後宴能の入り口の竹笹の鳥居も気に掛かる。 

 家を建てる際の地鎮祭にも、四方や真ん中に竹笹をたてる。

 そんなこんなで今年十六冊目は 『竹の民俗誌』ー日本文化の深層を探るーを楽しむ。

 この本はなかなか面白い。

 知りたいことが多く書かれている。

 また、『かぐや姫』にまつわる話を柳田國男氏や川端康成氏の書かれたものを種として、詳しく描かれ、発展。

 川端康成は好きで読んでいたものだから、余計に興味深い。

 かぐや姫の翁の立場や願望、仕事の意味合いや差別などが詳しく書かれ、楽しかった。

 宮田登氏の書かれた内容もあり、読んでいてワクワクする。

 かなり面白く参考になり箇所も多く、読んで良かったと心より思える一冊であった。

 

 

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13: 『神の民俗誌』  宮田登 著   岩波新書 黄版97

2009-01-25 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫
 

(写真は奈良の信貴山。正月参拝の折。丸く光って見えるのは、小銭を貼り付けられているもよう。2009.1.2 )

 

記録だけ  

 

2009年度 13冊目  

 

   『神の民俗誌』

 

  

 宮田 登 著

 株 岩波書店

 岩波新書 黄版97

 1979年9月20日

 193ページ 320円

 

 今回も私の好きな宮田 登 著の『神の民俗誌』を楽しむ。

 やはり興味深い。

 

 宮田 登氏の話の中に度々出てくる「木花開耶姫(このはなさくやひめ)」の話は、好きだ。

 これは『日本書紀』巻二に記されている。

 

「箒の神」は、はき出すとか 掃き寄せるとか。

 これはケガレとハレに関するのだろう。

 箒の丸く絞った形も、いかにも心霊が宿りそうで、こういったものを神に見立てる日本人の知恵には驚きと同時に、納得もする。

 こういった形は妊婦や出産にも見立てられている。

 妊娠中トイレを掃除するといい子が生まれるといった言い伝えは、こういったところから来ているとのこと。

 納得。

 

『江談抄』や『諸社通用神祇服忌大成(じんぎぶっきれい)』http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/wa03/wa03_06343/index.htmlの例は興味深い。

『諸社通用神祇服忌大成』での 「魚鳥、大社無憚 (魚鳥、大社にて はばかり無し) 」は、わた其の場合は 大神神社(三輪神社)の神餞(しんせん)である つるされた鯛と雉を思い浮かべる。

 

『仏説目連正教血盆教』の、「血の池地獄」

 そうだったんだと変に納得。

 

 鍛冶屋の話は以前読みかけたままになっている柳田國男氏の『一つ目小僧』に関連性があるのだろうか・・・。

 職人の技術が呪術者としての役割も含むといった説もこの本には記され、全体を通して、非常に興味深く読んだ。

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11: 『宮田登 日本を語る 8 ユートピアとウマレキヨマリ』 宮田登 著 吉川弘文館

2009-01-16 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

(写真は今宮戎の日に 大阪・道頓堀で。宝恵駕篭などの前を歩かれる 芸者衆のお練り。   1/10 )

 

記録だけ  

 

2009年度 11冊目  

 

『宮田登 日本を語る 8 ユートピアとウマレキヨマリ』

 

  

 宮田登 著

 発行所 吉川弘文館

 2006年9月10日

 243ページ 2730円

 

 本日、『宮田登 日本を語る 14 都市の民俗学』を読了。

『暮らしの中の文化人類学』(波平恵美子著)やその他とと併読していたので、若干内容があちこちごちゃついたきらいはあるが、内容が興味深いので丁寧に楽しむ。

 

 女護ヶ島は波平恵美子女氏の夜ばいの話しにだぶる。

 

 体内としての聖山は正月に参拝した信貴山を思い浮かべる。

 

 幡竹の話しも興味深く、春日大社おん祭の能楽入り口に立てられた竹笹の鳥居とイメージが多少重なる。

 竹は思いの外、意味深いようだ。

 

 京都の八つ橋で有名な『聖』。 この聖という言葉にも意味が深くあったのだなと思いつつ、生八つ橋とニッキの香りに心奪われる。

 月曜日、息子に買ってきてもらおう・・・。

 いつもながら 少々ふざけたにんげんだな、私って^^

 

 落語についてはシャーマンとしての噺家が書かれていた。

 落語や民話や伝承文芸の意味合いも楽しい。

 

 隠里の『椀貸伝説』は柳田國男氏の『山の人生』でも出てきたことを覚えているが、非常に興味深い。

『椀貸伝説』に関する本を読んでみたい。

 この場合は山の穴蔵が、あの世とこの世の境界となっている。

 境界について書かれた本を探すのが先決かも知れない。

 

 他にも興味深い内容がてんこ盛りの、質の良い 幕の内弁当といった感じの一冊であった。

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10: 『暮らしの中の文化人類学』《平成版》   波平恵美子 著  株 出窓社

2009-01-15 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

記録だけ  

 

2009年度 10冊目  

 

 『暮らしの中の文化人類学』《平成版》

 

  

 波平 恵美子 著

 株 出窓社

 1999年10月22日

 213ページ 1429円+税

 

 本日『暮らしの中の文化人類学』《平成版》を読了。

 これがなかなか興味深い内容が多く面白い。

 女性らしい決めの細やかさで、丁寧に書き上げられている。

 

 個人的に興味深い項目としては、つぎのようなもの。

 1,節約と浪費の生活律で、ハレとケとの関連性を示されていた。

 2,女の性と霊力での、女性の不浄性。

   山や鳥居、女の家、漁における女性隔離など。

 3,若ものをめぐる問題の若者の性での夜ばいなどの問題や行われ方は具体的で、知らない事が多く書かれていた。

 

 波平 恵美子さんはなかなか面白い内容を取り上げられていた。

『ケガレ=不浄』説は本書でも注目していたが、今 著者の説明を読むと、注目を集めたとのこと。

『ケガレの構造』(青土社)『ケガレ』(東京堂)は読んでみたいと感じた。

 

 

 波平 恵美子

  1942年 福岡生

  お茶の水女子大教授

  専攻 文化人類学

  九州大学教育学部卒

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9: 『宮田登 日本を語る 9 都市の民俗学』   宮田登 著  吉川弘文館

2009-01-14 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

記録だけ  

 

2009年度 9冊目  

 

 『宮田登 日本を語る 9 都市の民俗学』

 

  

 宮田登 著

 発行所 吉川弘文館

 2006年10月10日

 226ページ 2730円

 

 昨日から 『宮田登 日本を語る 9 都市の民俗学』を楽しんでいた。

 この本は暮れに子どもが大学から借りてきてくれた物。

 返却期限は 確か今日。

 子どもに申し訳ないことをした。

 宮田登 日本を語るシリーズは あと一冊借りてもらっている。

 早急に読まねばなるまい。(笑み)

 

 宮田登 日本を語るシリーズは前回、11月24日に楽しんだ。

 これでやっと、七冊目。

 全部で十六冊だから、まだまだ楽しむことができる。

 

 本題に戻って、少し記録しておこう。

『宮田登 日本を語る 9 都市の民俗学』はハレやケに触れられていた。

 稲荷信仰や富士講などが詳しく書かれ興味深かった。この項目はかなり参考になった。(笑み)ノートにつけて折るので、詳細は省く。

 

 明治十年代に三度にわたって来日したモースにも若干触れられた記述あり。

 

 楽しめる一冊だったが、こう単純におもしろがっていても良い物なのだろうか・・・。

 知恵が無い。

 宮田登は百冊以上本が出ているが、覚えが悪いので(爆)もう一度丹念にノートをとりながら、読み直そうかと考えている。

 

 

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8: 同時代ライブラリー202 『柳田國男と折口信夫』   池田彌三郎 谷川健一 対談  岩波書店

2009-01-12 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫
    2009年度 8冊目  

           

 同時代ライブラリー202 『柳田國男と折口信夫』 

                            

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 池田 彌三郎

 谷川 健一   対談

 岩波書店

 1994年10月17日第1版

 264ページ 1000円+税

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 同時代ライブラリー202 『柳田國男と折口信夫』を楽しむ。

 以前から気になっていた柳田國男氏の人物像が薄ぼんやりと浮かび上がってくる。

 以前から何かにつけ言われていたが、折口信夫氏や南方熊楠氏などとの関係、柳田國男氏個人の民俗学に対する根本的な姿勢がわかりやすく書かれた一冊。

 柳田國男氏の伝統芸能や都会に関する部分で、京都に住む友人と 長時間電話で話す。

 柳田國男氏の好きな彼女は、釈然としない様子。

 今回の電話では、宮田登氏の名前はあえて出さなかった。

 どうも彼女は、宮田登氏を鼻であしらっている感がぬぐえないのが悔しい。(笑み)

 まぁ、電話と手紙ばかりも何だから、花の季節に一度お茶でもしてみよう・・・。

 

 

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6:  ウォッチングガイド『神社ふしぎ探検』  外山晴彦 著  さきたま出版会

2009-01-07 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

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      2009年度 6冊目  

           

  ウォッチングガイド『神社ふしぎ探検』 

                            

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 外山 晴彦著

 さきたま出版会

 平成11年4月15日第1版

 153ページ 1714円+税

 

 今日は家事を返上して、朝から暇人のように 二冊の本を楽しむ。

 三冊目途中で、これではいけないと気を取り直し、とりあえず本の記録。

 後はしっかりと家の雑用に取りかかりたい。

 

 この本、全体を通して非常に参考になった。

 今まで何度も足を運んではいたが、漠然と狛犬や石その他を見ていた。

 だが、神社を楽しむにあたり、自分なりのテーマを持じんじゃに向き合うことをすすめている。

 それに加えて、メモポイントの一例も載せられていた。

 なれるまでは白空状態のポイントメモをコピーして、ココに書き込むのが得策という物だろう。

 

 中には鳥居などのように少し首を傾げたくなる項目もあったが、知人に問うてみると、本は「『頭』はしっかりしていればいい」のだそうだ。

 なるほど・・・と、納得。

 

 ちなみに著者のプロフィールを見てみると、有名雑誌などの編集者をされていた。

 皆が食いつく、また楽しめ満足感を与える本作りのプロである。

 加えて言うならば、よかにこういった楽しみをされている著者にも魅力を感じた。

 

 

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4: 『十二支伝説』  林 義勝 写真・文  PHP研究所

2009-01-05 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

( 写真は京都の円山公園近く。

 石畳が京都らしい。                       

 いもぼうは 京いも のたいたんが中心。

 一人前3000円くらい。      2009.1.4)

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2009年度 4冊目  

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    『十二支伝説』

     

                 

 林 義勝 写真・文

 PHP研究所

 1993年12月3日第1版

 140ページ 2000円

 

 

 今年四冊目は『十二支伝説』を楽しむ。

 十二支関係の本は去年末に加えて、これで二冊目。

 十二支とはいえ 写真が主で、説明は至って簡素でエッセイ風。

 最後に作者なりの落ちがつけてあるところが、何とも言えず可愛らしくて好感が持てる。

 

 十二支の他に、

 飛天、天狗、猫、狐、河童、シーサー、烏、狸、竈、亀、白鳥、鯉 などの説明や関連した写真が載せられていた。

 この本、説明と言うよりは写真を楽しむとよい。

 影の使い方に感心した。

 但し、写真加工はこういった作品にしては、目立つくらいにされている。

 表情は良く、景色や動植物にも 独特のムードと色気を感じる。

 

 林義勝さんは相当龍に魅力を感じておられる様子。

 この点で、私は興味を持った。

 北京や中国の写真や話しもあり、この点でも関心は深い。

 やはり龍ともなると、中国抜きでは考えられないだろう・・・。

 

 林義勝さんは勘三郎丈の写真も手がけた人らしい。

 フムフム・・・。

 とても、興味深い。

 この本、図書館ではほとんど手に取られなかったらしいが、もったいない。

 写真がことのほか美しいので、十二支の興味がない方でも、開くだけでも開いてみれば如何だろうか。

 

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3: 『うわさの神仏』其の三   江戸 TOKYO 陰陽百景  加門七海 著

2009-01-05 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は京都の知恩院さん  2009.1.4)

 

2009年度 3冊目  

 

 

    『うわさの神仏』其の三

    江戸 TOKYO 陰陽百景

     

                 

 加門 七海 著

 株 集英社

 2007年5月25日第1版

 244ページ 514円+税

 

  

 一月四日。

 夫は部屋に閉じこもって仕事。

 今年は元旦からずっと。

 夫には正月はない。

 

 遊び三昧も気が引けるが、昨日、息子と京都に行った

 行き帰りプラス α で読んだのが、加門七海著の『うわさの神仏』其の三 江戸 TOKYO 陰陽百景。

 このシリーズは今のところ其の三で終わり。

 たいへん残念である。

 

『犬神』の項もあったので、京都駅ビルで見た浮世絵の中の 北斎漫画の犬の絵なぞは吹き出しそうになってしまった。

 また、昔流行った 石坂浩二主演の『犬神家の一族』などは、いいあんばいに構成されているのだなと痛感。

 

 また『両国』などは相撲の蘊蓄が細やかに書かれ、今まで読んでいた宮田登氏などの相撲の項目よりも詳しいとはこれいかに。(笑み)

 

 ところで・・・最近 故宮田登氏が好きでたまらない。

 まだ彼の本をあまり読めてはいない あんちょこファンですが(笑み)

 飽きるまではできるだけ一日一回、彼の名を書き記したいと思う 阿呆な私なのです(笑み)

 

 

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2: 『日本人の言い伝え ものしり辞典』暮らしの中に語りすがれる知恵  谷沢永一 著

2009-01-05 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は京都の知恩院さん  2009.1.4)

 

2009年度 2冊目  

 

 

    『日本人の言い伝え ものしり辞典』

     暮らしの中に語りすがれる知恵

                 

 谷沢 永一 著

 大和出版

 2000年4月10日第1版

 284ページ 1680円+税

 

 一冊目に続いて、よく似た題名。

 だが、こちらは、民俗学者の名がずら~り。

 

 一項目ごとに参考にした文献などが事細かに記載され、『ああ、これ読んだ。』とばかりに喜びを味わえる。

 それくらい有名な本も参考にされていて、日田市見やすい一冊。

 

 柳田國男氏を初め、入り色ナ民俗学学者が出てくる中で、宮田登氏はは二度ばかりしか出てこない。

 妖怪関係の項目ですら・・・出てこなかった。(ショック!)

 

 ところでこの本でわかったこと。

 宮田登もさかのぼってたぐってみると、他の学者の文献を念頭に置いてかかれていた部分が多いのかも知れない。

 内容、言葉まで似ていて、彼のもにのかと思いきや、他の学者の文献を参考にされた物だった。

 但し、私は無知なので、どちらが先に書かれた物かは知らないことを付け加えておく。

 また、宮田登氏や他の学者なども、書物の末に参考文献を連ねておられるので、問題は無いだろう。

 ただ、あまりにも言葉まで似ていたので、驚いただけだ(笑み)

 

     ===============

     切り貼りの 言葉平たく ハルの恋

     ===============

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1 『日本人の知恵袋』知らなきゃバカを見る珠玉の言い伝え375 〈年越蕎麦蘊蓄〉

2009-01-03 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は信貴山の『銭亀』。石臼に「一億円札」や財布をのせ 右に回すと、金のまわりが良くなるという。

 考え出した方の知恵もユーモアがあって微笑ましい。また、「一億円札」も魅力的。

 「一億円札」と金銀の小さな亀がついて金壱千円とは、魅力的ではないだろうか。

 私のように、眺めているだけではもったいないか・・・と思いつつ、その場を離れた。)

 

2009年度 1冊目  

 

 知らなきゃバカを見る珠玉の言い伝え375

      『日本人の知恵袋』

                 

 村石 斗志夫 著

 池田書店

 昭和53年3月31日第15版

 223ページ(2段) 750円+税

 

 知っていること、知らないこと、思い出したこと・・・。

 楽しく時間を過ごすことができた。

 今年の第一冊目に何を読むかを考えたのではなく、漠然と手に取った本がこれだった。

 図書館からお借りした14冊、子供や家族からの差し入れ10冊ほどの中から福引きのように選んだのだ(笑み)

 

 中でも興味深い項目があった。

 大晦日にも書いた『年越蕎麦』

 新説を入手した。

 年越蕎麦は運を開くという物だ。

 

 年越蕎麦(晦日蕎麦)は縁起物として祝われてきた。

 これは昔、散らばった金・銀を集めるとき、また金箔をのばスト記に使用されるとのこと。

 金を吸い寄せるという縁起担ぎ。

 商家に限らず、一般家庭でも祝われていた。

 

 また薬味の葱は、旧年のケガレ除けの、神社の禰宜(ねぎ/神官)が御祓いをするのに語呂を合わせたとも言う。

 

 先人の知恵とユーモアは見事に楽しい。

 上の内容は今のところ宮田登氏などの民俗学関係の本では読んだことがなかった。

 この本を選んで、良かった。

 これは正月からついている。

 新たな年の幕開けに相応しい本であったと喜んでいる。

 

 

 

 2008.12.31 『年越蕎麦』http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/4dbe811860379727ddf0b6e0b37f1126(乱鳥)より一部紹介

 

 ・・・・・・

 この 年越蕎麦。

 一年の締めくくりに食べるとされる。

 よって、年を越す前に食べるのが一般的。

 

 年越蕎麦を食べる理由は、

「人生は蕎麦のように細く長く生きるという意味で食べる」

といわれるが、我が家の蕎麦は歪で太い。

 

 江戸時代中頃から始められたとも言うこの習慣。

 実は饂飩だったのではないかとも言われています。

 関西では運を呼ぶ『うんどん(饂飩)を食べて「太く長く」を願うところもある』友言われていますが、確信はつかめてはいません。

 

 また蕎麦は細く切れやすいから、年の苦労を切り捨てたいという願望もあるとも伝えられています。

 

 皆様は蕎麦の育っているところを見られたことはあるでしょうか。

 実は私も残念なことに、写真で見たきりです。

 蕎麦は風雨で打たれてしなっても、お日様の力ですぐ元のように立ち直るとも言われています。

 よって生命力の強い、縁起物です。

『ハレ』の正月に向けて、蕎麦を食べておくというのは、先人の願いや希望を垣間見た感じがして、楽しいものです。

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『うわさの神仏』其ノ二 あやし紀行 加門七海 著 集英社文庫

2008-12-27 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(この写真は前にUPした猿沢の池.

 逆さにしてみたよ。

 ところで・・・写真(小)は、全部本物だよ。)

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2008年度 148冊目  

 

 『うわさの神仏』其ノ二 あやし紀行

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 加門 七海著

 集英社文庫

 2007年3月25日第7版

 256ページ 495円+税

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『うわさの神仏』日本闇世界 めぐりに続く第二弾、『うわさの神仏』其ノ二 あやし紀行を読む。

 今回も実に愉快。

 楽しませていただきました。

 

 東北、京都、出雲、大阪、奈良、沖縄、吉野、長野、恐山、台北などの紀行ならず 奇行の数々を、自らの経験にもとづき書き進められているところがいやはや 潔くて好きだな。

 これって、変なテレビドラマを見ているよりも、楽しいよ。

 

 あ!そうだ。

 沖縄の項ではグスク(城)についても書かれていたよ。

 

 それにしても彼女の経験は読んでいてにやけてくるな。

 また、読もうっと。

 簡単且つコミカルなタッチの文章。

 中には首を傾げる部分もあったが、全体をとおして、満足^^

 

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『河原にできた中世の町 ~へんれきする人々の集まるところ~』  (絵本)網野善彦 文  司修 絵

2008-12-27 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は奈良の墨阪神社にて) 

 

記録だけ  

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 2008年度 147冊目  

 

 『河原にできた中世の町     

    ~へんれきする人々の集まるところ~』 

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 網野 善彦 文   

 司 修 絵 

 岩波書店  (絵本) 

 1990年10月15日第5版

 55ページ 1650円

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 網野善彦氏を検索の上、図書館に行く。

 毎日賞をとったという目当ての本は貸し出し中。

 でも、網野善彦氏の絵本を見つけたよ。

 

 この絵本は、書庫にしまい込まれていた。

 本は美しく、あまり貸し出された形跡はない。

 

 巻末の説明は詳しく見事。

 以前にも宮田登氏 文の絵本(同仕様・岩波)を楽しんだが、それと同じ形式。

 とても詳しく、充実。

 司 修氏の絵も見事に上手く描き出され、堪能。

 絵本なので、イメージも広がりやすい。

 

 歴史と民俗学を融合。

 時代をとおして、人々の暮らしぶりが理解できるといった良書絵本。

 今まで民俗学関係の本で度々出てきた内容が、川を支軸に丁寧に説明。

 子供にも大人にも満足がいくよう 書き上げられていた。

 

 理屈抜きで、楽しめる一冊。

 

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