写真は奈良法隆寺です。
梟の城
楽しめ度 ★★ ☆☆☆
満足度 ★ ★ ★☆☆
中井貴一が出ていたよ~♪★ ★ ★ ★★
色彩 ★★ ☆☆☆
1999年 邦画 2時間18分
原作 司馬遼太郎
脚本 篠田正浩,成瀬活雄
監督 篠田正浩
能演出・指導 観世栄夫
狂言指導 茂山千之丞
キャスト 中井貴一
鶴田真由
葉月里緒菜
上川隆也
マコ・イワマツ
表情・しゃべり方・雰囲気が役柄にぴったり
寝間を襲われた時の重蔵(中井貴一)との会話が見事
後に映る開けても開けても襖の連続の空間と演技がマッチ
マコ・イワマツさんについて(ウッキ・ペディア)↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B3
小沢昭一
中尾彬
永澤俊矢
根津甚八
山本學
火野正平
津村鷹志
今日二本目の映画は『梟の城』、この映画は前にも観ていたんだ。
今回も中井貴一さんと茂山千之丞さんと能に引かれて、観てしまったんだ・・・
この映画10億円もかけたらしいんですが、中井貴一さんとマコ・イワマツと葉月里緒菜さんのかわいさと城での能楽シーンと京都三条川原町の民衆文化以外はあまりスカッとしない映画でした。
【私の考える問題点】
①まず初めから半分(5/10)くらいまでがCGと画面の加工のしすぎで、色彩的に疲れる。とにかく『緑』と『コントラスト加工』がきつすぎる中、部分的に『朱色』を使いすぎるので、恐怖心とサイケな空間が同時に私を襲ってしまう。この色彩が長い時間続き過ぎるから、安定してみていられない。また色が浅い為に重厚感にかける。つまり全体に安っぽく仕上がってしまう。
この色彩は半ば過ぎた頃1/5(2/10)くらいの時間、『緑』と『コントラスト加工』が両方少しだけ和らぐが、最後の3/10位がまたもとの色に戻ってしまうからたまったものではない。途中の心理の揺れ動きや強調部分はモノクロに近い状態にしたほうが、全体が品よく仕上がるように思う。
②沖縄の蛇みせんが京都三条河原の大道芸の部分で二度ばかり出てきたが、二度はくどい。不要な音だ。
③屋根が二度ばかり出てきたが、かわらの形を工夫しないことにはおなじみ見えてしまう。ここでかわらの色を初め(聚楽第)と後(伏見桃山城)で変えるべきだったのに、浅い色に仕上げていたのは残念であった。
④屋根の形が似ており、映画にしてはあまりにも平面的正面の構図でカブキの『白波五人男』の屋根の場面を思いだしたが、『白波五人男』は相当面白く、カブキ舞台を越えることはできなかったのは残念。
⑤大仏が横たわっていたのはいいが、色が浅いため張子の虎のように重みを感じなかった。
⑥鶴田マユさんの口紅のぬり方はあれでよかったのでしょうか・・・・・・
⑦襖空間は秀吉の性格とマッチしてよかったのだが、『虎絵図』の部分で虎の鳴き声は重蔵の不安感の表れという意味合いはわかるが、くどいではないか。襖を開けても開けても、何度開けても襖が続くといったくり返しのパターンだけで充分であったように感じます。
織田信長に襲撃を受けた伊賀忍者一族。
わずかに生き残った一人の重蔵は 秀吉の暗殺を企てる。
己の出世のために伊賀を捨てた風間五平(上川)。
小萩(鶴田)は重蔵を挑発するが本当に愛してしまう。
けなげな女忍者木さる(葉月)。
各人のかかわり合いや愛憎、裏切り。
重蔵は伏見城の秀吉(マコ・イワマツ)の寝所に潜入。
ここのやり取りが非常に満足のいくものでした。
聚楽第の屋根の上の重蔵と風間五平のやり取り、
「絶景かな~♪」
「絶景かな~、絶景かな~♪」
といったやり取りと最後の石川五右衛門としてかまゆでされた風間五平はあらすじ筋的に上手くまとめたつもりなのでしょけれど、こんなに簡単な展開では少し物足りない。
各人のかかわり合いや愛憎、裏切りをここでもう一度くり返したかったのでしょうけれどどこに焦点を置くのかをはっきり決めてもらわないと、『生ぬるいポカリスエット』のようでうまみに欠けまする・・・・・・
ということで、今日は辛口感想でごめんなさい