(写真はイラン。ペルセポリスの前で出会った お洒落な女の子。)
2月13日夕刻。
韓国料理を食べる目的で、夫と 大阪道頓堀の松竹座前で待ち合わせる。
2月は 玉三郎丈と菊之助丈、海老蔵丈出演。
別段、鑑賞の予定はない。
ちょうど5時前に松竹座付近の商店街を通ると、驚くことに、海老蔵丈が歩いておられるではないか。
私は目を疑った。
『そうか、今日は午後の部は休演らしいな・・・。』
と、ほくそ笑む。
海老蔵丈は大柄で、帽子を被っておられる。
顔のつくりは大きく、オーラ全開。
海老蔵丈は舞台で見る彼の印象と、なんら変わりない。
『ほほう~~。これが、海老蔵(丈)か・・・。』
と、意味無きを思う。
続いて すぐに 菊之助丈。
やはり帽子を被っておられる。
まじめな眼鏡。
爽やかな笑顔。
眉毛は太く、目と口は始終笑っておられ、性格と育ちの良さが滲み出ておられるといった感じ。
おまけに紳士的で男前。
私はこの青年に、役者として、かなり好感を持った。
『菊之助(丈)の素顔って、染五郎(丈)や考太郎(丈)と同じように、やっぱり、好青年なんだ~~。』
夫との待ち合わせの時間が迫る。
玉三郎丈は見ることが出来なかった。
急いで松竹座正面に行くと、夫は片手をあげ、にこりと笑う。
ふと松竹座を見ると、七月歌舞伎のポスターが貼られている。
仁左衛門丈と 菊五郎丈が眩い。
夫が、
「まだ、演目は決まってないね。」
と、いいながら、先日のように、見たい芝居をぶり返す。
阿呆夫婦が意味のない会話を楽しみながら、数分も歩くと、目的の 韓日館という店にたどり着いた。
私たちは枕詞のように、
「とりあえず・・・・。」
と、ビールを頼み、喉を潤す。
炭火で焼き上げる焼肉は、表面はカリカリで、極めて美味。
肉にはあらかじめ下味が付けられており、タレ無しでも、タレをつけても、ごまの葉で巻いても美味かった。
焼肉以外にも、この店では太刀魚の蒸し物やサラダ、キムチなども頼む。
太刀魚の蒸し物は下には、厚さ1センチくらいのジャガイモがひいてあり、魚の形崩れがない。
蒸し物と言っても、少量のとうがらし味のタレで煮付けられている。
あらかじめ魚に振られた下味用の塩が少し多いのが、惜しい。
他にも色々と注文したが、中でも感心したのは、生レバーとケジャンの二品。
新鮮この上ない生レバーの甘さ。
また、恐ろしくが病み付きになる 良質の蟹に みのつまったケジャンの美味さ。
生レバーとケジャンの味は、私の心にも響いた。
「日本でこんなに美味しい韓国料理。韓国に行けば、一体どれくらい美味いの・・・。」
「そういうと、鶴橋の大邱の家という店の、焼肉と エイのつくりは 抜群に美味しかったね。」
二人の妄想は膨れ上がる。
『韓国に行きたい・・・。食の文化を知るために、ただそれだけのために、韓国に行きたい・・・。』
さて、実現するかどうかは定かではないが、私たちはこの日を境に、韓国に行きたいといった願望が、頭をかすめ始めたのは事実である。