(写真は中国の陳氏書院。この館にも 聖獣や幻獣の文様が多い。)
記録だけ 2008年度 12冊目
『中国の妖怪』
著者 中野美代子
株 岩波書店
岩波新書 黄版 235
1983年7月20日 第1版
210ページ 430円
中野美代子女史は、先日読んだ『龍とドラゴン-幻獣の図像学』の訳者。
訳者の説明から今回の『中国の妖怪』を見つけ、あちこちの図書館を探しまくる。
『中国の妖怪』はタイトルで想像されるような内容とは、少し違うかもしれない。
どちらかと言うと、先日から私が読んでいる『聖獣伝説-夢万年』や『龍とドラゴン-幻獣の図像学』、文様関係の本などが重複。
どこかしこで読んだような内容が多く書かれている。
しかし、中野美代子女史の特徴としては、それら妖怪(意識上や文様、生活)を、なにがしら 『西遊記』と結び付けられているところが魅力である。
井波律子女史の書かれる内容も魅力的だったが、中野美代子女史も、なかなかどうして。かなり、面白い。
印象的なところでは水墨画の話。
龍の話になると、多くの本で、山脈と金山とをつなげ、重ねて 「龍」と関連付けられている。
山水の水墨画にはよく仙人と家のようなものが描かれている。
必ずと言ってよいほどに描かれた「家?」は「龍穴」だと本書に書かれていた。
ほほう~。
これからは水墨画の見かたも、今までとは少し変わるかもしれない。
中国の水墨画を見る楽しみが増えたと喜んでいる。