乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『木々高太郎全集 2』 朝日新聞社

2008-03-16 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(写真は先日、能楽講習で拝見させていただいた面です。)

 

 

記録だけ  2008年度 23冊目   

 

  

   木々高太郎全集 2

 

                   

 著者 木々高太郎

 朝日新聞社 

 上下あり・381ページ 980円

 昭和45年11月25日 第1版発行

 

 三月十五日 土曜日。

 先日から読み続けていた木々高太郎全集 2を読了。

 

 この本、近くの図書館で、蔵書無き本書を願いでて、借りていただいた三冊の内の二冊目。

 

 おもしろかった。

 結構読み応えがあり、一日のうちかなりの時間を読書でつぶし楽しんだが、それでも数日かかる。

 

 第2巻には次のような作品が載せられている。

   「女と瀕死者」(1936)   

  「無気味な老医師」(1936)   

  「緑色の眼」(1936)    

  「盲いた月」(1936)    

  「死の乳母」(1936)    

  「夜の翼」(1937)    

  「ヴェニスの計算狂」(1937)    

  「大浦天主堂」(1937)    

  「女の政治」(1938)    

  「水車のある家」(1940)   

  「文学少女」(1936)   

  『折芦』(1937)   

  「女の復讐」(1937)  

  「蝸牛の足」(1937)   

  「封建性」(1937)

 など、短編十四編と長篇一作品。

 短編においては「」、長篇は『』という形で今回も記録することにした。

 

『折芦』は単行本一冊の長さ程度。

「文学少女」にいたっては、私 いたって感激。涙しての感情移入。この作品、推理小説というより、純文学に近い。

 彼の感性は、やはり私の肌に合う。

 他にも意味深き「無気味な老医師」や印象的な「女の復讐」など、女にまつわる作品に心魅かれる。

 最後の「封建性」などは忠義を扱った作品で、強いては数十年前の現代社会にも通じる作品であったが、

『そうくるか・・・・・。』

と、木々氏の潔さに納得した。

 この「封建性」、また別の見方をするならば、文楽や歌舞伎の忠義を扱った主な演目を木々氏作風に変えるとどうなるか・・・と一人物思いにふけり、楽しむこと小一時間。

 それでも飽き足らず、今後も癖になりそうな予感がする。

 

 今回も、木々氏の感覚の切れのよさが、私をひきつけ、魅せられた。

 

 「あっぱれじゃぁ~~。」 

 

 

 朝日新聞社 木々高太郎全集 全6巻(1970-1971)

1 「網膜脈視症」(1934)   

  「睡り人形」(1935)   

  「青色鞏膜」(1935)   

  「恋慕」(1935)   

  「就眠儀式」(1935)   

  「完全不在証明」(1935)   

  「医学生と首」(1935)   

  「幽霊水兵」(1935)   

  「決闘」(1936)   

  「胆嚢」(戯曲)(1935)   

  『人生の阿呆』(1936)   

  「印度大麻」(1936)

 

2 「女と瀕死者」(1936)   

  「無気味な老医師」(1936)   

  「緑色の眼」(1936)    

  「盲いた月」(1936)    

  「死の乳母」(1936)    

  「夜の翼」(1937)    

  「ヴェニスの計算狂」(1937)    

  「大浦天主堂」(1937)    

  「女の政治」(1938)    

  「水車のある家」(1940)   

  「文学少女」(1936)   

  『折芦』(1937)   

  「女の復讐」(1937)  

  「蝸牛の足」(1937)   

  「封建性」(1937)

 

3 「風水渙」(1937)   

  「死人に口あり」(1937)   

  「秋夜鬼」(1937)   

  「柊雨堂夜話」(1938)   

  「永遠の女囚」(1938)   

  『笛吹-或るアナーキストの死』(1940)   

  「宝暦陪審」(1939)   

  「婚礼通夜」(1939)   

  「ベートーヴェン第十交響曲」(1940)   

  「ストリンドベルヒとの別離」(1940)   

  「東方光」(1941)   

  「葡萄」(1942)

 

4 「呪縛」(1946)   

  「新月」(1946)   

  「月蝕」(1946)   

  「無花果」(1947)   

  『彼の求める影』(1957)   

  「冬の月光」(1948)   

  「老人と看護の娘」(1949)   

  「人形師の幻想」(1949)   

  「少女の臀に礼する男」(1950)   

  「夜光」(1952)   

  「幻想曲」(1952)   

  「X重量」(1953)   

  「六条執念」(1954)

 

5 『わが女学生時代の罪』(1949)   

  「タンポポの生えた土蔵」(1954)   

  「千草の曲」(1955)   

  「バラのトゲ」(1955)   

  「オリムポスの山」(1956)   

  「異安心」(1957)   

  「細い眼の孫娘」(1958)   

  「悪い家系」(1959)   

  「銀の十字架」(1962)   

  「失踪」(1967)   

  「幻滅」(1968)

 

6 『随筆・詩・戯曲ほか』


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4 コメント

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 (さち)
2008-03-16 08:49:42
最近、乱鳥様に影響されたようです。
お掃除や整理の本を読んでます。
本はかなり高いですね。
図書館で借りたと書いてらっしゃるので、
納得しました。
私も、近くにあるか、
一度探してみようと思いました。
参考になりますね。
返信する
図書館 (さち様)
2008-03-16 22:21:31
コメント、ありがとうございます。
お掃除や整理の本って、楽しいですよね。
節約本や健康本とかも・・・。
私もついつい読んじゃいます。
本は基本、図書館で貸していただいております。
家族の本だけで、置き場に困っておりますです。はい。(笑)
さちさんも図書館、行ってみて下さいね。
私、絵本や子どもの本まで見て、楽しんじゃってます。
よろしければ、お話を聞かせてくださいね。
返信する
おはようございます (やまとなでしこあん)
2008-03-17 07:09:17
旅行から戻りますと、息子も戻っており、久々に家族で食卓を囲みました。旅行中まずまずの天候で楽しんでまいりました。しかし、帰ってくると急速に季節が進んでおり、我が家の梅も随分と散っており、驚きも。

乱鳥さんは読み応えのあるご本に巡りあえられたのですね。日本が激動の時を過ごしているとき、いかに考えて過ごすのか、とても興味深いですね。今の日本の生活文化の空洞化の理由がわかりそうな本ですね。
返信する
お帰りなさい。 (やまとなでしこあん様)
2008-03-17 20:44:50
お嬢様との北海道は、お楽しみになりましたか?
坊ちゃんも帰ってこられて、にぎやかなことでしょうね。
我が家の梅はまだ蕾なんですよ。椿と山茶花と桜は満開で、毎年変な庭になっています・・・。今年は街道桜の蕾のつきが悪いんです。雪洞みたいで好きな街道桜、ちょっと心配なんです・・・。

木々さんのは大衆探偵小説に分類されるような始末で、私が好きなだけかもしれません。トホホ・・・。
返信する

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