乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

カッパドキア隣の陶芸の町、アバノス   (11枚)

2010-05-24 | トルコ・エジプト



      カッパドキア隣の陶芸の町、アバノス


 写真はトルコのカッパドキアの近くの陶芸の町、アバノスです。

 カッパドキアから車で一時間位ですので、カッパドキアのようにここでも穴を掘った家が利用されています。

 山方向に行くと廃村となった場所もあり、この町を探検ごっこのような感じで遊んでいました。

 

 写真を見直していて、懐かしく感じました。

 今午後の三時半。

 急に思い立ち、写真を記録することにしました。

 写真だけですが、見ていただけましたら、嬉しいです。



 カーバ(穴を掘った家)工房は今も現役。屋根からは複数の煙突が出ています。



 なんと明るい!OLD TOWN^^



 なんだかこの町らしい案内。



 安いよ、安いよ~。



 日本では考えられない配色。



 カーバを利用したお店。



 こういう景色が好き。



 トルコの絵葉書。絵がユニーク。



 おしゃれなお店も多い。



 アバノスでとれた土。削ると城の曲線。絵付けせず、素焼きが美しい。



 ここもカーバを利用。

 カッパドキアもいいが、ここは観光客が少なめ。トルコ人とゆっくりコミュニケーションがとれる。


 
                    2008年9月初旬   トルコ

 
 



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

何となく

2010-05-24 | 乱鳥徒然 Rancho's room.


 今日は、よく降りますね。

 只今奈良はじゃじゃぶりです。


 お仕事のみなさま、外出中のみなさま、外出したいけど渋っているみなさま(←これ、わたしのこと)

 頑張って下さいね
    
      ・・・って、ナンのことやら(笑)


 用事してきま~す☆

 昼からは猛ダッシュ!


コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

徳島県 脇町うだつのM家を拝見させていただく。

2010-05-23 | お出かけ



    徳島県 脇町うだつのM家を拝見させていただく。





 脇町うだつでは二軒家の中を楽しませていただいた。

 一軒は元紺屋。入場料五百円を払い、素敵なお家を見せていただいた。

 あと一軒は無料で開放して下さっているMさん宅。うだつではM姓が多く見られた。

 このお家がわたしのお気に入り。



 Mさん宅は元郵便局だったという。玄関入って中央の上丸窓が白壁に美しく映える。
 
 玄関入って左手には医院受付及び調剤薬局の部屋。古めかしい薬便の色が美しい。

 靴を脱いで上に上がらせていただくと、格子窓。

 日本っていいなと心が落ち着く。



 おもむろに 時をつげる窓

 がらくたに 息吹をあたえる光

 路地からは 小走り人の声

 ここにも、日本が・・・

 敷居をまたいで渡ると、家の主がこちらにどうぞとすすめて下さったのは、蓄音機。

 わたしと息子は表裏含めて二枚四曲のいにしえの音に耳を傾ける。

 主は蓄音機の構造、針の説明、M家の由来その他色々を聞かせていただく。



 観光客が多い中、家の造りや調度品などをゆっくりと楽しませていただく。

 主はまじめな息子がお気に召したと見えて、わたしたちに夢中で話して下さる。

 立ち入り禁止の札がかかるほんの小さな中庭には水琴屈の文字がかかっているが、竹は指してない。

 主は立ち入り禁止の札を外して二人に聞かせて下さった。

 これはトイレから出ててを洗う度に琴の音を聴けるということらしい。

 何とも情緒ある日本人の遊び心と感心する。

 主は蓄音機と水琴屈の美しい写真と構造の絵はがきを二枚息子に下さった。



 一旦靴を履き、郵便局受付の窓を左に。庭を見せていただく。

 途中土間のような部屋には二階につながる梯子。

 現代的な自転車。無造作に置かれた空気入れ。

 てまわしハエ取り機や昔の道具が多く置かれている。

 知らないものも多い。

 そこを抜けると庭。緑茂り、瓦などが置かれている。

 土間まで戻った頃待ちかねて下さっていた主がまたもやいろいろとお話をして下さる。

 嬉しい計らいを受け、主のやさしさに感謝してM家を後にした。

 古き伝統を守りながら今に生きる人の
「またきて下さい。」
の暖かな言葉は今も鮮明に覚えている。


コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

徳島県 脇町うだつの町並み 1    

2010-05-23 | お出かけ


       徳島県 脇町うだつの町並み






 徳島駅からJRに乗り、脇町へ。

 五月五日は観光客よりも地元利用者や部活の高校生が多い。

 地元者は慣れたもので窓席を向かい合わせ、パンや菓子歌詞を食べている姿も多い。

 わたしたちは駅でたまたま買っていた徳島で有名らしい魚の形のまま酢漬けにした寿司を食べて楽しむことに。



 電車はワンマンカーでこれがまた楽しい。

 乗客は途中駅、前のきっぷ入れに整理券とともにきっぷを入れる。

 すしを食べ終えたわたしは一番前まで行き、車窓を楽しむ。

 息子は落ち着いたもので、元の席を動かず右窓を見つめている。
 
 五月とはいえ、徳島では田植えの季節。関西より一ヶ月も早い。



 脇町駅で下車。バスの時間が合わず、仕方なしにタクシー利用。

 徳島県の方は親切だ。運転手さんはガイド役も努めて下さった。

 そしてうだつの町並みを初めて見る。

 町を入ってすぐに、うだつ住民のおじさまが親切にいろいろと教えて下さる。

 案内所にも行くが、気がつくとうだつはどうもメイン通りを楽しんでもらいたいといった意図が見え隠れ。

 これは面白そうだ。

 わたしたちは脇町で決められた保存地気以外の裏道脇道も楽しんだ。

 するととたんに生活の香りがし始め、わたしの好奇心を満たす。

 ただここではメイン通りの写真が中心に載せてあることも付け加えておきたい。



 うだつは防火の意味が大きいと住民は話す。

「うだつが上がらない」という言葉はこれからきているらしい。

 以前中国の雲南省に行った際、このうだつと同等のものを見た。

 徳島のうだつは中国から来たのだろうか?



 脇町は土地が痩せており、米ができず蕎麦を収穫したという。

 今なら蕎麦の方がありがたいと思うわたし。

 脇町ではそばめし雑炊という郷土料理を食べた。

 そばめし雑炊、椀もの、豆腐、香の物、デザート、飲み物がついて、確か千円くらい。

 そばめし雑炊はのしっかりと粉末風のカツオだしが効き、なかなか美味しい。

 鳥、人参、おあげ、椎茸、ごぼう他色々入っている。蕎麦の実の食感も珍しい。

 この店は元はお茶屋さんだったのだろうか。

 ふと見ると白基調のころんとしたお湯飲み茶碗がこちらを見ていたので五個購入。

 確か村田焼きだったか?後で見てみよう。

 旅のはじめから割れ物を買い、わたしたちの荷物重たい旅は始まったという具合。

                               めでたしめでたし・・・?







     うだつ編  つづく

 






コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画49;『フライトプラン』2005年 監督 ロベルト・シュヴェンケ ジョディ・フォスター

2010-05-22 | 映画


   映画49;『フライトプラン』




 前半 ★★★★★ ★★★★★

 後半 ★★★★★ ★★☆☆☆


 アメリカ 2005年


 監督 ロベルト・シュヴェンケ 

 脚本 ピーター・A・ダウリング


キャスト
 ジョディ・フォスター、ピーター・サースガード、ショーン・ビーン、
 
 マーリーン・ローストン、エリカ・クリステンセン、ケイト・ビーハン 他



 前半。

 細やかな映像美に見とれる。

 不安感をあおるように、女の襟元のデザインは十字架を浮き立たせる。

 ひとこまひとこまが不安をあおる写し方に納得しながら先を求める自分に気づく。


 そして後半は前半ほどの添付を崩す。

 勝手あった普通のサスペンス風の映画に身を潜め、前半が良かっただけに少しだるさを感じるのはわたしだけか・・・。

 
 事態は展開に展開を重ねるがさほどの斬新さもない。

 えん罪の汚名を着せられたアラブ人。色々あったとはいえ、自ら女のの荷物を拾ってやる。女は笑みを浮かべてそれを受け止める。

 子の誘拐が解決した後は、人種差別につながる事態を引き起こし、また汚名を着せたことに対しても誤って欲しかった。

 これはアメリカがつくった映画だと感じた。


 感心したのは子が見つかり、女が正しかったとわかった時の他の乗客に顔。

 女が正しいとわかっても視線をそらす。

 ただ子どもの声だけが、
「ほら。だから見たといったのに。」
と後になって聞こえてくる。

 世の中とはこんなものなのかと痛感し表現の忠実さに納得したが、同時にわたしは人の心はこうであってほしくないと思いたい心が芽生える自分を感じた。

 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「大歩危峡舟下り」 鳶舞う うぐいす鳴くや 大歩危峡 (8枚)

2010-05-21 | お出かけ


         大歩危峡舟下り




 五月、徳島を楽しむ。たった二日間だったが、てんこもりの旅。

 わたしの希望で、二日間とも大歩危峡舟下りをした。

 写真は一日目。日差し具合でか二日目の昼に見た景色よりも、景色が美しかった。

 舟下りはここを川まで降りていく。



 さて、舟に着いたのは、五時ぎりぎり。

 わたしたちが最終から二番目の舟に乗込んだらしく、みなさんは席を開けて下さっていた。

 なんて紳士淑女の集まりなんだろう。

 感謝しながら乗込む。



 まぁ!きれい。

 水が、岩が、新緑が・・・。

 風が気持ちがいい。五月の風が・・・。



 渦潮・・・ではないが、心 ひかれる。

 
                鳶舞う うぐいす鳴くや 「おぅ~!ぼけきょう・・・」



 突き出た鉄モニュメント。

 洪水の際舟を吊り上げ避難させるという。

 わたしたちはこの辺りで、Uターン。

 エンジンをつけ、今度は舟登り。



 水に見とれる。

 藻などで色着いた水。コップに入れると無色透明・・・って、当たり前か。



 向こうから最終の舟下り。

 鯉のぼりが見えてきた。

 いよいよラスト。



 天登り 川登る鯉のぼり。

 夕刻とあって鯉のぼりは風で片方に偏っていたところも。これもまた、ご愛嬌。

 翌日には美しく並べられていた。

 清々しい気持ちを胸に、わたしたちは舟を降りる。

 お名残惜しさに大歩危眺め、旅に出て良かったねと二人で笑う。




                 徳島県 三好市にて


コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久しぶりに通販ではなく、本屋で本を買ったよ。

2010-05-20 | 乱鳥徒然 Rancho's room.




 最近またもや乱読スランプに陥っている。

 こういう時は映画チャンネルも見ないから不思議だ。

 こういう怠惰を打破したいものだ。



 話は変わるが、最近のこと。

 欲しかった雑誌があったが、近くの本屋には無い。

 それならばと、楽天 残三册を信用して、注文。ところが後日、先方からのキャンセル通知。

 飛ぶように売れている。


 仕方がないので、先日松竹座に行った際、大阪あちこちの書店を駆け回る。

 購入すること、三冊。



 書店。

 奈良に住んでいるわたしにとって、これがまた楽しくて仕方がない。

 家族もわたしも自分の世界に没頭。

 本屋に行くと別コーナーを物色し、お互いに何冊かの本を手にして、いざ!レジへ。



 まずが雑誌。堂々たる名高い『群像』

 ブログを楽しませていただいている方^^が新人賞を受賞された。

 それも、評論文。すばらしい!


 購入後、何度か読ませていただいた。

 まず表題が的確で、中味を方向つけるうまさ。


 あらためてこの方の、そして この評論文のすごさがわかった。

 ブログも面白いが、真剣に書かれた評論文は優れたものだと感じた。

 もう一度、メモをとりながら、読もう。



                   『群像』新人賞受賞発表

                          2010年6月号 講談社 980円




 二冊目はまたもや イラン関係の本。

 イランの本はいろいろわたしなりに読み、このブログでも多く記録してきた。

 が!この本も、面白そうだ。

 タイトルは『イランとイスラム   文化と伝統を知る』

 イスラム、うん!なんか、そそるじゃないですか。


 十八名の研究者がそれぞれ専門分野で執筆されており、ありがたいことにその読み進め方まで書かれている。

 あ、これって一般人のわたしでも楽しめる本なんだ。


 古代宗教、神秘主義、歴史、文学、祭や習俗、ファッションチェック、ナショナリズムまで幅広く取り上げられた本書を買わない手はない。


 本書をぱらぱらとめくると、確かに、

   悪魔、ゾロアスター教、古代、多民族、宮殿、イスラム思想、神秘文学論、精神的、

   詩人、聖地、「蛇と男」、イラン女性、ストリートファッション、パーソナリティ・グラフ、

   ホークロア、演技担ぎ、呪い、護符、妖怪、民間信仰・・・このあたるわたしの好きな民俗学関係

   絨毯、叙事詩、ホセイン、シーア派、儀礼、王家、『王の書』、『英雄の書』、

   イスラムのイラン化、ハーフィズ,『カルバラーの悲劇』、行事、『ターズィイエ』  などなど。


 ストリートファッション、パーソナリティ・グラフはまさにファッションの好きな女性にもぴったり。

 そういうと最近はイスラム化粧(特に目)は日本でも流行っているし、ここに年ばかり中東で流行っていた青年のヘヤースタイルも去年辺りから日本に入ってきたよ。

 バッチリ、写真満載だから、それらも参考になるな。

 
 みんながそれぞれに興味のある箇所を楽しめる良書だ。

 さ、今日も続きを読もうっと。


           『イランとイスラム  文化と伝統を知る』

                       春風社  2500円(税込 320ページ




 そしてでました。三冊目は久々、加門七海さんの登場。

 加門七海さんは昨年何冊か楽しんだが、衝動的に手にしたのが『鳥辺野にて』

 乱鳥が『鳥辺野にて』ですよ。

 何を期待しているのでしょうか。

 怖いことはうっちゃって下さいね!恐がりだから、わたし。

   
              『鳥辺野にて』 光文社文庫 267ページ 514円

 

 嬉しいな、久しぶりに通販ではなく、本屋で本を買ったよ。

 京都や大阪に行った時の楽しみの一つだな。


コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大神神社後宴能「神歌」「福之神」「三輪」「源氏供養」「杜若」「船弁慶」2010年 

2010-05-19 | 能楽・狂言


 
 

 




        大神神社後宴能



 もう一ヶ月以上も前のことになるが、四月十日、奈良の大神神社(三輪神社)後宴能にいった。

 珍しく家族も一緒。

 旧友たちも含め、大人数での鑑賞。




 演目は

 観世流素謡 「神歌」 大月文藏
    大藏流狂言 「福之神」 茂山千三郎

     仕舞 「源氏供養」 上野朝義
    
     金春流能 「三輪」  櫻間右陣

     仕舞 「杜若」 松野恭憲

        「船弁慶」 伊藤真也
       
     金剛流能 「黒塚 白頭(くろづか しろがしら)」 金剛流宗家 金剛永謹




「神歌」 は言葉が興味深く、リズムも楽しい。

 何度聴いても素敵だ。

 
 三輪の後宴能では毎年「神歌」「福之神」「三輪」が演じられる。

 聴く度にわたしの中では面白さが増してくる。

 初心者故の、わかりつつある方向に進む過程の小野白坂。

 毎年素晴らしい舞台を堪能させていただいている。

 そういうと今年は金春流能だった。

 わたしには流派の好みは全くわからない。

 ただただもうに見とれてしまう。



 仕舞は以前はわからなかったが最近は好きで仕方がない。

 今回は「源氏供養」「杜若」「船弁慶」 

「源氏供養」と「杜若」は内容と言葉が面白い。

「杜若」は最近個展で何度も慣れ親しんでいたので、嬉しい。

 また、「船弁慶」は何度見ても嬉しい。

 動きが歌舞伎の荒事のようで燃える。わたしは能楽など初心者なので、未だに来んな見方をしていることは少々恥ずかしい。



「源氏供養」を舞われたのは上野朝義さんという方。
 
 このかたは以前拝見させていただいたことがある。

 今回の仕舞は心に響いた。

 ゆっくりとした上品な舞いにわたしはのめり込んで見ていた。

 仕舞も面白いなと感じた。



 今回わたしは「黒塚」を楽しみにしていた。

 苦労かはいわゆる安達ヶ原、これはわたしも初めてであり、また、以前から見たい聞きたいと切望していた演目の一つ。

 良かった。

 前シテも後シテも素晴らしかった。

 山伏も素敵だ。

 物語の展開もわかりやすく、楽しかった。

 

 今回、全ての番組に感動した。

 能楽は素晴らしい。

 後は申し越しわたしが理解を深める時期に来ているということだろうか・・・。






 最後になりましたが楽しい時間をありがとうございました。

 関係者の皆様に感謝申し上げます。
 





        4月10日12時から
  
        場所 奈良県桜井市三輪 大神神社
     
        無料



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

没後400年 特別展『長谷川等伯』 京都国立博物館   追記あり

2010-05-18 | 美術・文様・展示物



    没後400年 特別展『長谷川等伯』










 大型連休前日 家族と没後400年 特別展『長谷川等伯』に行く。

 実はわたしはあまり乗る気ではなかった 特別展『長谷川等伯』

 家族が観たいというので、便乗。

 それもせこく、家族の仕事前を利用。

『長谷川等伯』を観たあとは、仕事の家族としばし別れ、ちゃっかりと『京大総合博物館』平常展示 特別展『化学技術X線の謎』を楽しんだと言う感じ。



 気楽に考えてはいた『長谷川等伯』だが、東京国立博物館の混雑ぶりは尋常ではなかった。

 これはひとまず朝一で。

 いつもゆっくり遅く起きる家族を起こし、いざ!京都へ。

 博物館に着くや否や、めげる。

 まだ開場して間もない時間なのに、入り口まで長蛇の列。

 いや。長蛇どころではない。

 大河濁流を思い起こす。

 日差しは暑く、すこぶる並んでおられるご年配方の機嫌が悪い。

 こんなこともあろうかと折り畳みイス。

 家族もまわりも突き刺すような視線。

 みんなに勧めるが辞退され、皆さんは若さを主張される。

『若くとも つらいものはつらい、』
と、内心思い、イス利用。

 この日は常連的観客がまわりにはいなくて、イス持参がすこぶる少ない。

 悲惨な私。

『かわいそうだね。』
と自分を慰めること、しきりなし。


 四月下旬とはいえ炎天下、案の定救急車が到着。

 不幸にも病院に運ばれた人がいらっしゃった。



 この日は混雑を見通してか、博物館側もいつものように博物館真ん前のイスは設置せず。

 身体にハンディのある方や体力にない方は悲惨だったと思う。

『身体にハンディがあれる方くらいは、同伴者共に優先的に入場させてあげれば!』
と内心は腹立たしい。

 百番単位でカードを渡して入場させるなり、もう少し工夫が必要ではないか?

 考えればいろいろな方法がと終えるだろうに、入場案内が価値は数多く雇っておられるのに、観客者には冷たい。

 長蛇の列で展覧会の良し悪しははかれないことを、肝に命じるべきだ。

 

 さてさて、長い前置きはさておき、没後400年 特別展『長谷川等伯』の記録。

 これがある意味面白かった。


 色調は割合に平均して長谷川等伯を思わせる。

 ところが松などの枝振りが若い頃と年老いた頃では別人かと思わせる描き方。

 若い頃は枝ぶりも先まで力とアクセント。

 年老いられてからは枝は水の流れのよう。

 私は力がある方が好きだった。



 四枚の障子に松を描いたものがあった。

 障子は真ん中で開け璃子とが多い。

 大松の幹のど真ん中で左右に開かれリ部屋。

 刀で一気に枝を切り裂いたようだ。

 わざとか?

 わたしにはわからない。



『松林図屏風(右隻)』は途中の描きかけと記されていた。

 向かい側の松を観ると、背景空間に赤金が一面にはられている。

 私は背景は白のままの『松林図屏風(右隻)』を覚えた。



 長谷川等伯の作品は緊迫を貼ったものが多い。

 今でこそ色が落ち着き美しいが、当時はピカピカの金だったはず。

 宗教的なことを考えると派手なものがよしとされたのだろう。



 弁慶の大型絵馬があった。

 これはモチーフの好みとして好きだった。


 釈迦涅槃図は多くあった。

 弁慶の大型絵馬のまん前には、驚くほど大きい釈迦涅槃図、

 ビックリ。

 神社などに奉納されたものも多い。

 また明らかに当時の売り絵と感じれるものも多かった。

 東伯はなかなか商才に長けているようだ。


 
 東伯で有名な猿の絵や達磨の絵もあった。

 二時間くらいで足早に観たが、人が多く疲れた。


追記

 長谷川等伯は好きなものと嫌いなものがはっきりしていました。これはあくまでも私の好みの問題です。

 東伯はデッサン力も素晴らしく、また、西洋的要素を取り入れた波や岩などを描いたものもあり、造形力に長けていました。

 西洋的要素を取り入れた波や岩などを描いたもの、これは当時の日本画家にはまれに見るものです。



 墨絵や水墨画風の上品なものもあるのですが、だいたいにおいて正方形(或は長方形)の金箔が形のまま貼付けられていました。

 長年の月日で金は美しい色に変色していましたが、地(或は板)が痩せ、貼付けの具合が浮き出ていました。

 当時の金ぴかを思うと、心は萎えます。



 鬼子母神の絵も三枚程度ありました。

 これは物語性はなく、単に神化された鬼子母神でした。

 皆があがめ奉るにはもってこいでしょう。

 柘榴文様などは描かれていませんでした。



 十六羅漢など、好まれるモチーフが多かったです。

 全体にゴージャスで、大金持ちが好みそうな被写体と画風のものが多いです。

 その中に突如、東伯本来の美しい上品な絵に出会うと喜びを覚えました。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーー






 今回のマスコミなどの長谷川等伯の売り出しは少し戸惑っています。

 短期間開催。

 等伯を観ないと日本人ではないといった強迫観念にかられた人たちが多く来られていました。



 まわりの絵に関心のないお年寄りたちは、

「こんなに並んでまで、観たくなかったんやけど。新聞がええて書いてるさかい。」

などを口々におっしゃっていました。

 こういった絵をご存じない方達が美術館、博物館に行かれる機会を与えられるのは非常に良いことだと思います。

 しかし、日本は高齢化社会の一途を辿っています。

 受け入れ態勢をしっかりと設けるシステムの合理化をはかっていただきたいと思います。

 わたしたちならまだしも、ご高齢の方々が二時間三時間立ちすくめで待たねばならない現状を重く受け止めていただきたい。

 これでは私だって人ごとではない。

 年老いてから美術を見る機会を逃すということになります。

 芸術部門での弱者の閉め出しは,見ていて堪え難い苦痛です。

 お年寄りはいたわらねばいけません。


 以上の問題は日本の美術館・博物館全体に言えることを付け加えておきたいと思います。



コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『京大総合博物館』平常展示 特別展『化学技術X線の謎』

2010-05-17 | 美術・文様・展示物

 (京大総合博物館内からアンモナイトの小さな方を写す。

  外には学生の自転車。京都は自転車人工は多い。

  学生の多くは自転車でしないのあちらこちらを行き来する。)





 自転車に乗る学生。



 ものすごく大きなアンモナイト。模様が美しい。



 こちらは上よりずいぶん小さめ、とはいえ、一般的に考えるアンモナイトよりもかなり大きい。



 ↑  あれ?ここにも、アンモナイトが...って、違うか^^;;



 こちらは能楽部。私の好みで...。



 百万遍でございます。





 先月の話だが、京大総合博物館を楽しんだ。

 けのぬけたような話であり申し訳ない。


 この日は家族と一緒に まずは『長谷川等伯展』を楽しむ。

 この日は大型連休ぜんじつとあって、『長谷川等伯展』は二時間半待ち。

 いあやーーー!実に長かった。

 続いて二人は出町まで。

 私一人 二時間弱という短い時間ではあるが、京大総合博物館を足早に見て回った。

 その後また家族と出会い、わたしたちは大阪でお食事を楽しんだとような忙しい一日。

 
 京大総合博物館は大まかに三つの分野に分かれていた。

 学生がカードを差し込み無料で入館する姿を横目に、私は400円払い、荷物をコインロッカーに、そして入る。

 左手すぐに三角が四角に見えるモニュメント。

 続いて驚くばかりの大きさのアンモナイト。

 兄が京都石の会でお世話になっていたMASUTOMI先生の名はないかと思ったが、ここは京大。

 あろうはずがない。


 続いて向かったのは、考古学の部屋 二室。

 一つ目は貴重な石棺が三つ。

     石棺の屋根の形が変わっている

     石棺側面の片方は真っすぐなのに、片方はなぜか曲線

     石棺の外部が赤いがこれは頭の他?水銀朱だろうか?魔除けだろうか?

と、いろいろ妄想を巡らしているとここだけで20分近くを費やす。

 
 次の部屋も埴輪やら土器やら面白いものがいっぱいで、こんなにあっては時間が足りないと気が焦る。

 直弧文が美しい。

 渦巻きが、唐草が私を呼ぶ。

 イランの動物形リョトンに似たような土器。

 銅鏡。

 純粋に、なんて美しいんだろうと感じる。


 この部屋では学生一人がひざまずいて,呪術的な人形(?)を丁寧にスケッチされていた。

 静かだ。

 至って居心地が良い。


 中国や韓国の古い土器もあった。

 人間や馬の形をした唐三彩。

 これは某理由で、家族には見せたくない。

 内緒にしておこう。


 ものすごく早足で二室を楽しみ、いざ!二階へ。

 おびただしい数の虫の標本。

 見たこともないような昆虫。

 甲虫類も多く、蝶も満足だ。

 だが、何しろ時間がない。

 ここをハイキングのように見て回り、特別展の『化学技術X線の謎』へ。

 
『科学技術X線の謎』は科学の宴同意私でも楽しめる。

 というのは、この部屋を企画された専門家の先生方が実にユニーク。

 ただでさX線を通すと美しいものが多い。

 一例記すと、ここでは「卵」をX線で通した場合のタイトルは「きみはどこ?」といった具合。

 この感覚は直感的に好みだと感じる。


 巻貝をX線に通すと驚くばかりの美しさ。

 素晴らしい。自然は美しいと痛感。

 そういうと三月に楽しんだ東京大学総合研究博物館『命の認識展』でも、動物の骨の美しさに見入ってしまった。

 美しさとは、外部の自然ばかりではなく、本来こういった自然の姿にも見られるもののようだ。


 暫く見ているとおそらく高校留学生のような男子生徒が大人数でやってきた。

 ところが、話はしているものの結構マナーが良い。

 まじめに楽しんでいたようす。


 この部屋で最も興味深かったのは蛍の光から放射能を考え、論理を進めたような説明が書かれた場所。

 大掛かりの機会も据え付けられていた。

 名前は忘れた。


 この近くで研究社が一人の女子大生に丁寧に話し込まれていた。

 有望な学生か?

 尊敬しながら、側を通る。


 悲しいことに家族との待ち合わせ時間が近づいていた。

 鉱物や小麦の標本の部屋を見て回り、小麦の研究者の説明で湯川秀樹の父の名を目にした。

 が、またもや忘れている。


 足早にもう一度一階の考古学の具多部屋を楽しみ、京大総合博物館をあとにしたが、後ろ髪がひかれる思い。

 ここはもう一度行こうと思う。


 ああ!面白かった。正確に言うと、ものすごく満足したことを覚えている。

 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ほろ酔いの 壁

2010-05-17 | 乱鳥徒然 Rancho's room.



      ほろ酔いの 壁




    歩く歩道なんて、ふん!
    乗ってやるものか

    酔ってなんか ないよ
    自分の足で歩いて行くさ

    ほら、壁が笑っている
    ネオン輝く道頓堀の壁
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

わたしの巣箱。

2010-05-16 | 乱鳥徒然 Rancho's room.












 難波で幸せそうな人たちに行き交う。

 それぞれが自分の世界で生きておられる。

 微笑ましい景色。


 自然がいい。

 自然の姿形が・・・。

 たとえ色形で遊んでも、自分の描く自然が良い。


 ここは家庭と同様、わたしの巣箱。

 落ち着きを求めて、自然体を求め、

 わたしは生きる。


コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

65; 『神、人を喰らう』人身御供の民俗学  六車由美著 新曜社

2010-05-13 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫



 記録だけ  



2010年度 65冊目  



       『神、人を喰らう』

              人身御供の民俗学

  

          

 六車由美 著

 新曜社

 2003年3月31日第1版

 269ページ 2500円+税


 昨年楽しんだ『神、人を喰らう』を、もう一度読むことにした。

 本日読了。

 
 柳田國男の『一つ目小僧』は以前読んだことがあるが、こういった話は非常に面白く、また、哀れである。


 真っ向からの否定、そして揺らぎ。

 学者の世界も大変だな。(笑)


 わたしの好きな赤坂憲男先生の名は驚くばかり各所に出てくる。

 
 昨年の十二月にイランに行き、幸か不幸かアーシューラーに出くわす。

 アーシューラー本番前日にはイラン中、モスクの前で犠牲となる牛や羊が首を切られる。

 わたしが目の当たりにしたのは、牛二頭と羊三頭。

 地を汚した上で、清めるという。

 その間、始終ばら水を巻く係員。

 翌日、神に,人に調理された肉はご飯と共日分け与えられる。


 人は動物(四つ足)となり、鳥(二つ足)となり、魚となり淡水魚となリ、人方(人形など)や馬(木)の生け贄。

 これは以前『苑池』の講義を受けた際にも,類似した内容を絵馬の形でお聞きしたことがある。


 此処では言葉は控えるが、日本にもあった。

 確かにあったとわたしは思う。


 著者はそれと人柱は同一ではないと力説。

 納得の行く内容であった。



コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

食パン

2010-05-12 | 乱鳥徒然 Rancho's room.



 連休を終え、時間に余裕ができる。

 今日も家には一人。

 出かける予定もない。本屋に行くのみ。


 読もうと思っていた本が二三、読めてない。

 明日はそのうちの一册が図書館の返却日だが、珍しくまだ3/4のところで停滞。

 世の中には楽しいこと、興味深いことが多すぎる。


 昨日、大切に思っている方が某受賞をされたことを知る。

 構成と文章力を考えると、当然だろう。

 どのようなことを描いておられるのか、やはり、本屋へ。


 絵が描きたい。

 幸せ感を味わうと筆を撮りたくなる。

「食パン!」をかじりつつ、アグリッパーでも描こうか。



コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かって地球が丸かった頃

2010-05-11 | 乱鳥徒然 Rancho's room.


かって地球が丸かった頃
花が咲き、鳥が歌い、
人が集っていた。

過去の話とならないために
今の地球を見ていようか。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする