2014/08/11
「草むらの虫に等しき恋すやとわが世の人のくちさがなさよ(6/10)」
「サロンにて遊戯恋愛する人の歌を人々非難をせしに()」
「非難とは露骨なもので『犬猫に劣る』というを虫に置き換え()」
「冷ややかに枯木の如き偽りを人の道としいふべしやなほ(7/10)」
「いかなるか枯木の如き偽りは生木の如き真はありか()」
「幾億の生命の末に生まれたる二つの心そと並びけり(8/10)」
「当事者を大きな目を持ち眺めるは白蓮割に冷ややかなりし()」
「月に吸はれ潮に満干の思ひとやかのわたつみのひさしかる恋(9/10)」
「月と潮恋するゆえに満ち欠けるなんと大きな発想なるか()」
「苔むせる墓の一つは幾世へしわがそのかみのわれにてありき(10/10)」
「その墓標だいぶ古くも生れる前のわたしの墓と白蓮はいう()」
「白蓮はすてたき己の運命に別れを言える歌でありしか()」
「華族とか令嬢とかの呪縛から解放されし宮崎により()」