そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

万葉集#17.3973-17.3975

2013年06月17日 |  / 万葉集

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「七言詩晩春弥生の三日の日野原に遊ぶその序文なり(晩春ヤヨヒの三日、遊覧する七言の詩カラウタ一首、また序ハシカキ)」

「昔から三月三日のよき日には暮れ行く春は美しきかな(上巳の名辰、暮春の麗景、)」
「桃の花瞼を照らし紅に柳苔つけ緑を競う(桃花瞼マナブタを照して、紅を分つ。柳の色苔を含みて緑を競ふ。
「時として一緒に河畔を行きながら酒持ちゆかん友のところへ(時に手を携へて曠く江河の畔を望ミヤり、酒を訪ひて迥かに野客の家に過ぐ)」
「琴を弾き光り楽しむ恨めるは賢人がなくなにを抒ノべんか(既にして琴樽性を得、蘭契光を和らぐ。嗟乎、今日恨むる所は、徳星已に少きか。若し寂含の章を扣タタかずは、何を以てか逍遥の趣を抒ノべむ)」
「逍遥の趣いかに述べんとす短く書こう四韻にして(忽に短筆に課して、聊かに四韻を勒すなり)」

「(余春の媚日怜賞すべし                 上巳の風光覧遊するに足れり 
  柳陌江に臨みてゲン服を縟マダラにし   桃源海に通ひて仙舟を泛ウカぶ 
  雲罍ウンライ桂を酌みて三清湛へ        羽爵人を催ウナガして九曲流る 
  縦ホシキママに酔ひ陶心彼我を忘れ      酩酊処として淹しく留らざること無し
三月の四日ヨカノヒ、大伴宿禰池主。)」

「総じては春終わるころ自然愛メで酒などの持って友と飲もうよ
(上巳の名辰、暮春の麗景、桃花瞼マナブタを照して、紅を分つ。柳の色苔を含みて緑を競ふ。時に手を携へて曠く江河の畔を望ミヤり、酒を訪ひて迥かに野客の家に過ぐ。既にして琴樽性を得、蘭契光を和らぐ。嗟乎、今日恨むる所は、徳星已に少きか。若し寂含の章を扣タタかずは、何を以てか逍遥の趣を抒ノべむ。忽に短筆に課して、聊かに四韻を勒すなり。 余春の媚日怜賞すべし 上巳の風光覧遊するに足れり 柳陌江に臨みてゲン服を縟マダラにし桃源海に通ひて仙舟を泛ウカぶ 雲罍ウンライ桂を酌みて三清湛へ 羽爵人を催ウナガして九曲流る 縦ホシキママに酔ひ陶心彼我を忘れ 酩酊処として淹しく留らざること無し三月の四日ヨカノヒ、大伴宿禰池主。)」


「(掾大伴宿禰池主が報贈コタふる歌二首、また、短歌)」
「昨日は短懐を述べ本日も耳をけがすが許しを願う(昨日短懐を述べ、今朝耳目を汗ケガす。更に賜書を承り、且不次を奉る。死罪々々謹み言マヲす)」
「賎しきを忘れず徳に(下賎を遺ワスれず、頻に徳音を恵む。英雲星気、逸調人に過ぎたり。智水仁山、既に琳瑯の光彩を韜ツツみ、潘江陸海、自ら詩書の廊廟に坐す。思ひを非常に騁せ、情を有理に託ツけ、七歩に章を成し、数篇紙に満つ。巧に愁人の重患を遣り、能く恋者の積思を除く。山柿の歌泉、此に比ぶるに蔑ナきが如し。彫龍の筆海、粲然として看ることを得。方に僕の幸有ることを知りぬ。敬みて和ふる歌、其の詞に云く)」

「大王の命をかしこみ雛治む大夫は何を物思いする(大王の命畏み足引の山野ヤマヌ障サハらず天ざかる夷も治むる大夫マスラヲやなにか物思モふ)」
「奈良路は遣いは絶えず行き来するどうして悩むわたしの彼氏(青丹よし奈良道ナラヂ来通ふ玉づさの使絶えめや隠コモり恋ひ息づきわたり下思シタモヒに嘆かふ我が背)」
「古くから言い伝えるに世の中は安きものだと里人が次ぐ・・・(古ゆ言ひ継ぎ来らく世間ヨノナカは数なきものそ慰むることもあらむと里人の吾アレに告ぐらく)」
「山辺には桜容鳥すみれ摘む晴れやかな娘らあなたに恋す(山傍ビには桜花サクラバナ散り容鳥カホトリの間なくしば鳴く春の野にすみれを摘むと白布イロタヘの袖折り返 紅の赤裳裾引き娘子らは思ひ乱れて君待つとうら恋すなり)」
「家にいるうっとおしいことさあ行こうもう事すでに決まっています(心ぐしいざ見にゆかなことはたな知れ()」

「大王の 命畏み 足引の 山野ヤマヌ障サハらず 天ざかる 夷も治むる 大夫マスラヲや なにか物思モふ 青丹よし 奈良道ナラヂ来通ふ 玉づさの 使絶えめや 隠コモり恋ひ 息づきわたり 下思シタモヒに 嘆かふ我が背 古ゆ 言ひ継ぎ来らく 世間ヨノナカは 数なきものそ 慰むる こともあらむと 里人の 吾アレに告ぐらく 山傍ビには 桜花サクラバナ散り 容鳥カホトリの 間なくしば鳴く 春の野に すみれを摘むと 白布イロタヘの 袖折り返し 紅の 赤裳裾引き 娘子らは 思ひ乱れて 君待つと うら恋すなり 心ぐし いざ見にゆかな ことはたな知れ(#17.3973)」 

「山吹は日に日に咲きぬうるはしと吾アが思モふ君はしくしく思ほゆ(#17.3974)」
「やまぶきは日毎咲きますうるはしとわが思モふあなたしきりに思う()」 


「我が背子に恋ひすべなかり葦垣アシカキの外ホカに嘆かふ吾アレし悲しも(#17.3975 三月の五日、大伴宿禰池主。)」
「彼氏には恋して術なく葦垣アシカキの外ホカで嘆けるわたしも悲しい()」 

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