2017/10/28
「秋の空物干竿の高さかな(M27)」
「最近は物干し場など消えたるか軒下干しやベランダ干しに()」
「秋天に上げる物干しなかりける()」
「田舎では物干し竿の空にある棒高跳びのバーのごとくに()」
「霜降の次候は時雨たまに降る時期と秋が終わりて冬到来す(『霎シグレ時トキドキ施す』)」
2017/10/27
「もてなしに栗焼くとて妹がやけど哉(M29)」
「中・七が少し字余りなりたるも一気に読んで気にするなかれ()」
「客のため焼き栗をして『あっちっち』騒ぐ声してやれやれと思う()」
「この客は妹律ももてなせるほどの親しさそんなムードに()」
「艶やかな葉っぱの蕗を意味したる石蕗の花黄色く咲けり(『ちぃぱっぱの花』)」
2017/10/26
「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺(M28)」
「子規といやこの句真っ先口に出る背景ここで書いておきたし()」
「松山で療養終えて奈良に寄り食後に柿を食めば鐘鳴る
(東大寺の鐘で、より古い法隆寺の鐘に変えた)」
「アトリとは冬に渡れる鳥のこと山形富山などに飛来す(『アトリの訪れ』)」
「日本に渡れるアトリ捕われて焼き鳥などにされし昔は
(害鳥のため霞網で捕まえた。橙色の胸、白い腹、黄褐色に黒や白の模様の入った羽、キョッ、キョッと鳴く)」
2017/10/25
「秋高き天文台のともしかな(M29)」
「灯りとか灯といわなくて『灯し』とぞ子規の工夫はどこにあるのか()」
「『秋高し』これは昼間も『ともし』とは夜かと思う如何なりしか()」
「並木では銀杏落ちる時期となる居酒屋にてはメニューに加う(『銀杏の塩炒り』)」
2017/10/24
「砧打てばほろほろと星のこぼれける(M27)」
「この場合星を泪に置き換えて鑑賞はせん寂しき砧()」
「今はもう砧打つ音聞かれぬが変わる音にはなにがあるかな()」
「狼や山犬などが捕まえし獲物を神に供える仕草(『狼獣を祭る』)」
「中国の七十二候に見慣れない言葉のありし『狼獣を祭る』など(『霜降』の季節)」