久しぶりに琉球史小説を読了しました。
『三十六の鷹 万国津梁外伝』
(亀島靖著/沖縄教販)
文庫、全3巻です。
1巻は2016年6月発行、
3巻は2018年7月発行。
そういえば、
たびたび書店で見かけていたはずなのに、
表紙にはがっつり尚巴志とか阿麻和利とかの名前が羅列されてるのに、
なぜかずっとスルーしていました
(普段、文庫は手にしないから…?)
先月来沖していた琉球歴女プニさんとのジュンク堂巡りのお陰で
ようやくこの本に意識がフォーカスされ、
全3巻、一気読みしました。
(ただ誤植がやたらと多いのと、
ルビが同列( )書きなのはちょっとアレでしたが…)
時代は尚巴志が三山を統一していく頃から
阿麻和利が死ぬまで。
メインは尚巴志時代です。
主人公は
梁崇(りょうすう)・鄭文(ていぶん)という
明国から琉球に渡ってきた青年たち。
久米村の華人たちが比較的中心となって
物語を展開していきます。
*追記*
ブラタモリの那覇編(録画)を見ていたら
久米村の紹介のくだりでこんなボードが!
15世紀、梁崇(りょうすう)の子孫姓に
「亀島」姓が!
あっ、著者の亀島さんって、もしかしてそうなの?
ははぁ~、だからか!(納得!)
*
琉球の発展に欠かせない存在だった
久米村華人たち。
久米村の思惑は、
対して琉球は、
懐機の存在は、
そして尚巴志、
続く第一尚氏の王たちは…
これまでとはまた一味違った(というか踏み込んだ)視点で
この時代を描いていて、
とても興味深かったです。
それから、もちろん大和人たちも!
彼らがオマケ的にではなく
結構がっつり絡んで物語が展開されて行くのは
リアリティを感じました。
芥隠とかはもちろん、
早田六郎次郎(小説では小次郎)とかね!
印象的だったのは
尚巴志を冊封した冊封使・柴山と
大和の八郎、禅僧正棋との話(2巻)。
最初は普通に小説(フィクション)として読んでいました、
が…
……待てよ……
とふと思い立って
『歴代宝案』で調べてみたら……
元ネタを発見。
図書館で一人悶えました。
小説(創作)をきっかけに歴史を知る、
新しい知識を得る、
ああ楽しい…
うーむ。
柴山、イメージがガラリと変わったぞ。
これはぜひともキャラ化したいです。
『琉球戦国列伝』で描いてたマイナーな人物も
結構出てきていて、
主人公たちと絡んでセリフや動きがあって
生きたキャラクターとして感じやすかったためか、
彼らを改めて描いてみたくなった…!!
(続く)