がじゅまるの樹の下で。

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執心鐘入のゆかりの場所(記事まとめ)

2019年09月03日 | ・琉球歴史/文化風景

今日は組踊の日、らしいです。

9(く)、3(み)、だから?

 

先日の記事でも触れましたが
今夏の沖縄ホラードラマ番組でも
組踊「執心鐘入」がモチーフになったものが2つもあり、その影響か、
執心鐘入のあらすじを紹介した記事のアクセス数がまだまだ伸びていて、
関心が高まっているということを実感しています。

 

組踊と一言で言っても演目は様々あり、
組踊を創作した玉城朝薫の代表作でも5作品あります

しかし、その5作品の中でも
特に注目を浴びているのが
やはり『執心鐘入』ではないでしょうか。

実際、ストーリーも分かりやすいし、
コメディ要素もちょこっと入ってるし、
鬼のシーンなどメリハリも効いていて
よりショー的というか、
初心者でも取っつきやすい演目だと思います。

 

そこで、

執心鐘入にちょっと興味が出てきたよ!

という人のために、

執心鐘入にまつわるスポットを紹介した過去記事+αを、
改めてまとめてみたいと思います。

 

 

まず、主人公、中城若松。

 

 

若松(のモデルとなった人物)ゆかりの場所が詰まった場所と言えばここ!
ズバリ、若松公園!
(北中城村安谷屋)

高速の北中城ICを出て、ほど近いの場所にあります。

 

 

若松についての紹介、

若松の屋敷跡、

若松の屋敷の火の神、

若松の墓、

若松の妻と母の墓、

が、解説パネルと共にあります。

 

 

過去記事には載せていなかったのですが、

若松を謳ったおもろ碑もあります。
裏に解説があります。

 

  安谷屋の若松

  秀れ若松

  枝茂り

  国守る若松

又 心ゆかしき若松

 

(縁起のいい)青々した若い松の枝にかけて、
優しくて優秀な中城若松を称えています。

 

墓とか、屋敷跡とか、妻とか母とか、
舞台上のキラキラしたいたいけな少年若松というより、
成長して所帯して老いて亡くなるという
生身の人間としての、「中城若松」に想いを馳せられる場所ですね。

 

ワタシは「妻(の墓)」の存在に、
鬼となり成敗させられた
恋に敗れた宿の女を想うのであります。

 

 

 

 

あと一つの執心鐘入スポットは、


若松が逃げ込んだお寺。

そして鬼と化した宿の女と住職たちのバトルが繰り広げられた
あのお寺。

 

那覇市の末吉公園界隈(末吉参詣道)にある、
遍照寺(万寿寺)

 

 

参道から中に入った所の写真がなかったので
追加で載せておきます。
(こちらは今年1月撮影)

今はお寺自体は見る影もありませんが
鬱蒼とした緑に囲まれ、
普段はひと気もないため、少しゾクっとする空気感。

夜のこの場所をイメージすると
まさに鬼が出てきそうな雰囲気です…。

遍照寺自体は移転して今も存在します。
沖縄県民にとっては中尾彬のCMでもお馴染みの、
あの遍照寺なのです。→

 

 

末吉公園には
玉城朝薫生誕300年記念の碑もあります。

執心鐘入の遍照寺に由来して
ここに建てられたのでしょう。

 

 

レリーフは、執心鐘入だけではなく、
朝薫五番(5作品)がデザインされています。

 

 

ちなみに、
同じ末吉参詣道沿い(平良交差点側)には
こちらも有名な組踊演目『万歳敵討』(田里朝直作)の
舞台となった場所もあります。

 

 

いかがでしたでしょうか。

実際にゆかりの場所を「体感」して、
より深く『執心鐘入』の世界に想いを巡らせてみてはいかがでしょうか?


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