「スペースボール・リコシェ」。
「ボクは風がわかる人間だ。
おまけにどんなことでも
理解できる。
でも、子どもたちが泣くのは
そのせいなんだ。
レスポールを抱えてると
自分のちっぽけさ加減がよく解る。
でも、どんなところでも
ボクは楽しく暮らせるんだ。
本に夢中になってるんだ。
作者たちは友達のように
ボクに語りかけてくれる。
ボクに何ができる?
ボクらは動物園の動物たちとなんら変わらない。
出来ることといえば
この宇宙で水切りして遊ぶことだけなんだ。
ボクの心の奥底を覗くと
家が一軒あって
その中にキミを閉じ込めてしまってる。
ボクは車を持ってた。
それは古かったけど運転しやすかった。
でも、自分をしかりつけたら
なぜか、目の前から消えてなくなっちゃったんだ。
愛する娘がいた。
その娘は永遠の天使だった。
でも、残念なことに
彼女は自分自身のことだったんだ。
いったいどうやって横になればいいんだ?
ボクができることは
宇宙の中で水きり遊びをすることだけなんだ。」
深く、深く、自分のことを見つめると
いろんなことがだんだんと見えてくる。
ちっぽけな、
ホントにちっぽけな自分自身が。
それがわかると、
軽い絶望感に襲われて
居ても立ってもいられなくなってくるけど
でも、
実はそこから、
大きな、宇宙規模の大きな感覚に包まれる。
ボク自身も、同じような感覚に何度もなった。
以前はよくわからなかったけど
今では、わかる。
たいそうなことをすることなんてないんだって。
ただただ、自分自身に正直でありさえすれば良いんだってことに気が付いたんだ。
それだけでも、すごく大変なことなんだって
今では心の底から、そう感じてる・・・。