「雨ニモマケズ」の歌を歌っている。
聴いてると、またしても無性に宮沢賢治の詩を読みたくなり、
久々に詩集「春と修羅」のページをひろげた。
この詩集は、宮沢賢治が生前に、唯一刊行できた詩集で
「序」の部分からしてホント素晴らしい。
―――――
わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといつしよに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(ひかりはたもち その電燈は失はれ)・・・・・
―――――
この「序」はまだまだ先に続くんだけど、そのなかで
彼は自分の詩の事を「詩」だと言わず「心象スケッチ」だと言っている。
「こころのひとつの風物」であることはまちがいなく、解釈はいろいろあるだろうけれど
実在したのは確かなんだってなことを主張してる。
まあ、とにかく
「自分の感覚は有機交流電燈の明滅なんだ」っていうのは面白い表現だよね。
んで、電燈自体はなくなっても、その光は残ったままだなんて
彼の自分の作品への自信のほどがうかがえるよね。
でも、
彼の独特の世界観や感じ方なんかはホンットに素晴らしい!
彼は童話だけじゃなく、詩も素晴らしいから
ぜひ、読んでない方、一度目を通してみてもいいかも。