この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

厳冬期猿ヶ馬場山敗退

2009年01月15日 | 山行記録

P1000523 ブナ林を行く1

以前から憧れていた白川郷、猿ヶ馬場山へ怪物SS木君と挑戦してきました。さすがにこの時期、甘くはなく激ラッセルで山頂を捕らえることはできなかった。

午前2時起床。眠っている家族を起こさないよう静かに家を出る。5時にSS木君と高山で待ち合わせ。時間があるので牛丼屋で食事を取り食料を調達。時間が来るまで車の中で寝て待ち合流して白川郷に向かった。飛騨トンネルのおかげて随分近くなった。白川郷はかなり雪が降っていた。積もり方もハンパじゃない。奥飛騨とは比べ物にならないくらい多い。6時15分、神社の横に車を止め暗闇で雪が降りしきる中出発した。始めからラッセルである。勘弁して欲しい。林道をカットしながら黙々と登り続ける。次第に膝上のラッセルとなり厳しさは増して行く。

P1000529 ブナ林を行く2

とにかくラッセルを交代しながら登り続けた。

標高1200mを超えた辺りからブナ林になった。素晴らしいブナ達に癒され、辛いのも忘れさせてくれる。夏道もないこの山は登るのに厳しい山として知られている。

登り始めて約7時間、タイムアップである。二人でかなり頑張ったが帰雲山辺りで引き返すことにした。

P1000524_2 癒しのブナ。

午後1時半、シールを剥がしいざ滑降。スキーを脱ぐと深雪の地獄である。胸までもぐりそうだった。

さあ、激パウダーを頂きます。降りたて新雪を胸まで浴びながら一気に滑るのは最高だった。ファットならもっと浮いて楽しそうである。

7時間かけて登り、1時間半で降りてしまった。山頂は辿りつけなかったが滑りは文句なしに楽しかった。これだから山スキーは止められない。

山を降りた後は白川郷で「白川郷の湯」で疲れを癒し、高山でSS木君と別れた。また行きましょう。満足の1日であった。