この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

山岳レスキュー講習会

2012年04月18日 | 山岳救助

Imgp0752 まずは机上講習。

以前から暖めていた山岳レスキュー講習会を本日行う事ができた。

僕の所属する山岳救助隊のメンバーに声を掛けて個人的にという形で前から一度はやってみたかった。

講師はいつもお世話になっている、現在日本山岳協会副指導委員長で 日本体育協会公認山岳上級コーチ・上級(マスター)指導員 のラテルネ師匠。

山岳レスキューのプロフェッショナルから本物の技術を学べることは中々無いがラテルネ師匠は僕たちの山岳救助隊の活動を大変理解していただいて、今回も僕のお願いを快く受けていただいた。

2012041813380000 懸垂下降も再度確認。

場所は清見の立壁。

午前中は机上講習で近くの休憩所の外で行った。

全く基本的なロープワークから始め、ロープの種類、結束による強度の低下、それぞれのロープの特徴、ヒリクションヒッチ、支点の取り方、流動分散均等加重、動滑車1/2, 1/3,ナドナド解りやすくなぜこうなのかという理由を付けて教えていただく。

昼食後立壁に移動して実際にレスキューの訓練を行った。

始めは懸垂下降。参加者全員懸垂下降は何度も経験しているのでスムーズに下降できた。

Imgp0754 システム構築中。

次はメインのレスキュー訓練。稜線から登山者が滑落したという想定で登山道まで引き上げるという物だ。

まずは1/2でやってみる。フリクションヒッチやタイブロックの使い方が大事。

次はもっと斜度と距離がある壁に移動して今度は1/3での引き上げ。

さらに2段階での引き上げ。とにかくミッチリいろいろやった。

あっという間に時間が過ぎてしまった。Imgp0756

皆真剣です。

今回、こういう試みは始めてだったが内容の濃い充実した訓練ができたと思う。

実際に険しい山で遭難者を目の前にしてスムーズにレスキューできるだろうかという不安はいつもあるが、訓練をしなければいつまでたっても不安はぬぐえない。

また今日はレスキューでのチームワークの大切さも痛感した。レスキューのシステムは複雑で場所によって条件も違う。皆でより良い方法を考え力を合わせてやらなければとつくづく思った。

本を読んである程度は頭に入れても、実際にやってみなければわからないことがたくさんある。

今回を機に次回に繋がって皆のスキルアップを図っていけたらいいなあと思った。

ラテルネ師匠、今日は本当にありがとうございました。

みなさんお疲れ様でした。ありがとうございました。