この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

息子と槍ヶ岳登山。2日目。

2012年09月07日 | 子育て

P1120930 談話室で寛ぐ息子。

槍ヶ岳登山、2日目。この日の予定はのんびり南岳まで行って泊まる予定だった。

しかし。

朝起きてみると前日と同じ辺りは真っ白。残念、何も見えない。しかも風も強く暴風雨である。こりゃあきません。即停滞を決めた。今回のメインは槍ヶ岳。まだ山頂にも立っていない。無理をして行くより槍ヶ岳一本に絞る事にした。

P1120950 親父臭い息子。

僕は登山前から少し風邪気味だったので休息には丁度よかった。しかし、どんどん悪化していき喉がやられて声がかすれて出なくなってしまった。咳も出るが熱は無いし頭も痛くない。持ってきた風邪薬を飲んで横になっていた。

息子はというと売店からサキイカを買ってきて自炊室でストーブで炙って食べていた。美味いと言いながら一人満足そう。そうかと思えば雨なのに外に出て写真を撮ったり、談話室でマンガを読んだり山小屋生活を満喫していた。どこへ行っても楽しむ事の上手い男である。

P1120985 相変わらずガスの槍。

僕はといえば、ヒマすぎてコーヒーばかり飲んでいた。

たまにはこういうふうに過ごすのも悪くない。

たまに外を見て晴れてこないか様子を伺った。

今日もダメか。諦めかけた夕方4時頃。他の登山者の歓声が聞こえたので外を見ると一瞬にしてガスが抜けていた。晴れてきた!周りにもガスは無く一気に安定している。息子に頂上に行くぞ!と声を掛け素早く準備して槍の穂先へ向かった。

P1130012_2 穂先の登り。

息子も大喜びで駆け出した。

しかし、浮かれて慌てて登る事は危ないので落ち着いてゆっくり登るように注意した。

それでも登るペースは速い。

岩も濡れているし滑りやすいので気をつけるように叱り付けた。

でも、息子は岩登りがとても楽しそう。今まで見えなかった山々が眼下に広がってくる景色に興奮するのは当たり前なのかもしれない。

そして、ついにまだ誰もいない槍ヶ岳山頂3180mに立つ事が出来た。

やはり、頂上というものは嬉しい。いつものように息子と握手を交わした。

P1130015 ハシゴ登り。

槍ヶ岳から穂高まで続く稜線も、笠ヶ岳も双六岳、薬師岳や鷲羽岳、白山、乗鞍、御岳、見える見える。

P1130017 やりました!

P1130018 穂高をバックに。

P1130022 故郷の山笠ヶ岳、遠くに見えた自宅をバックに。

P1130042 あそこまで登ったんだ。

P1130051 次の日の好天を約束してくれる夕焼け。

山荘に戻ってしばらくすると素晴らしい夕焼けになった。

よかった、晴れてくれて。神様ありがとう。

最終日へと続く。