この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

息子と槍ヶ岳登山。最終日。

2012年09月08日 | 子育て

P1130062 槍ヶ岳のシルエットと幻想的な日の出。

槍ヶ岳登山3日目。

今日は下山である。

4時半に起床し準備をして朝食を食べ外へ。御来光を拝もうと外へ出たが薄いガスが掛かっていた。

ガスが取れないまま陽が昇ってきてガスが赤く染まり辺りは幻想的な雰囲気に包まれた。こんな御来光もありか。

しかし、山々は見えなくなってしまった。昨日の約束と違うじゃん!

P1130072 天を突く槍ヶ岳。

仕方が無い。天気が好ければ、大喰岳まで登って景色を見てから帰ろうと思っていたが、そのまま下山することにした。残念。

飛騨側からはドンドンガスが湧いてきて冷たい風も吹きつけている。

息子と話す事も無く飛騨沢を下った。

P1130075 来年はあっちか!

200mくらい下っただろうか。

これまた一気にガスが取れてきた!

マジッすか!辺りは明るくなり風もやんで絶景が広がり始めた。

今ならまだ引き返せる。息子の荷物をデポして、下ってきた道をまた登り始めた。

飛騨乗越まで引き返すとやはりガスは全く無くなっていた。そして大喰岳を登り始めた。

P1130076 この写真が撮りたかった。

大喰岳では素晴らしい展望が広がっていた。

登り返してよかった。

息子も素晴らしい景色に大満足。

ああ、山って素晴らしい。

息子がどうでもいい写真を沢山撮ったのでカメラの電池がギリギリ。でもしっかり撮れました。

もう思い残す事は無い。晴れ晴れとした気持ちで今度こそ本当に下山を開始した。

P1130082 オコジョも顔を出してくれました。                        

槍平ではまたまた沖田さんにお世話になり息子も大喜び。

いつも山岳救助隊でお世話になっているのはこちらなのに、本当にありがとうございました。

帰り、滝谷付近で滝谷の怖い話をしてやった。息子はマジでビビッて絶対に非難小屋を見ようとしなかったのが面白かった。

長い長い右俣林道も元気に歩ききって無事新穂高に帰ってくることができました。

今回の登山は息子の希望だった。しかし、ぼくにとっても一生の思い出となる山行となった。

名峰中の名峰で自宅から見える故郷の山、槍ヶ岳。

今までとは違った眼で見えることだろう。わざわざ学校を休んでいく事ではないかもしれないが、僕たちにとっては思い切って行ってよかった。

自宅に着いたときの充実感に満ち溢れた息子の顔が印象的だった。

長々と読んでいただきありがとうございました。