この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

下関の旅

2010年05月14日 | 旅行記

P1020874_2 関門海峡と関門大橋。

11日から昨日まで山口県は下関に行ってきました。

今回の旅の目的はある人に会うことである。ちょこっと観光もしたけど。

 ある人というのは僕が子供の頃山登りや車でいろんな所へ連れて行ってもらったりして、子供居ないそのおじさんにとって僕を、本当の孫のように可愛がってくれた人である。しかし、そのおじさんも近年病に罹り、最近病状がかなり進んできた。いつ逝ってしまうか分からない状況なのでおじさんの親戚の方が僕を呼んでくれたのである。

おじさんが小松から下関に移ってから遠くなってしまいここ2年ほど会っていなかったがその間、親戚のおばさんには僕の事をよく話していたようで、おばさんも気にかけてくれていた。今回は僕の家族も、そういう事なら是非行ってやりなさいと快く出してくれたので最期になるであろう、会いに行く事にしたのである。

P1020819_2夕暮れの海峡と大橋。

11日午前、小松空港から福岡へ飛んだ。博多から特急で小倉へ行き、さらに電車で下関まで。家を出てから7時間ほどだった。

下関駅では連絡をくれたおばさんが待っていてくれおばさんの車で早速病院へ。道中関門海峡や大橋がずっと見える。素晴らしい景色である。わずか幅700mほどの海をひっきりなしに船が行き来している。よくぶつからないものだ。海峡の景色は見たことなかったが本当に美しかった。

まもなく海岸沿いにある新しい病院へ着いた。おばさんに案内してもらって病室へ。病状が進んでいると聞いていたので、僕は緊張したが久しぶりに会うことができた。はっきりしないが僕の事は分かったようでよかった。おばさんたちも喜んでくれていた。こんな僕でも会って喜んでくれてよかった。病室にあまり長くは居れないので今日は程々に出る事にした。

それから、おばさんが下関市内をいろいろ案内してくれ僕はホテルへ入ったがまだ明るいし夕飯も食べなければならないので一人で歩いてみることにした。

P1020824 門司港の夕焼け。

船で関門海峡を渡って見ることにした。下関から対岸の門司までわずか5分である。門司はレトロな町で有名らしく下関とは全く違った雰囲気で静かであった。何も分からないので適当に歩いていると焼きカレーの看板が目立つ。どうやらここの名物らしい。それではとインド料理の店に入って焼きカレーとインドビールを注文した。カレーにチーズを乗せオーブンで焼いたカレーである。それだけである。家でも簡単に作れます。インドビールのキングフィッシャーというビールは美味しかった。お腹も膨れ程好く酔いも回り夕焼けも綺麗で潮風が気持ちよかった。1日目終わり。2日目に続く。

P1020823

こんな町並みが続く。

P1020829

下関2日目。朝9時前におばさんと待ち合わせ、再び病院へ。この日はおじさんが急遽転院することになりなんだか慌ただしくなった。僕は何も出来ないのでおじさんに付き添っていたがおばさんはいろんな手続きに追われていた。介護用の特殊なタクシーで転院する病院まで僕も乗って移動した。次の病院も響灘が見える小高い山の上で見晴らしは良かった。診察を受けたり説明を受けたりと午前中いっぱいかかった。おじさんも疲れたようで眠っていた。おばさんは午後から仕事なので僕も一旦ホテルに帰り、時間はあるのでレンタカーを借りて秋芳洞へ行ってみることにした。

P1020836 秋芳洞入口。

車で1時間ちょっと。有名な秋芳洞へやってきた。平日なので観光客は少ない。1200円の入場料を支払い洞窟の中へ。洞窟の中は暗くて当たり前なのだが、ちょっと怖い。たまに他の観光客にあうとホットする。

しかし、中はとても広く洞窟の大きさには圧倒された。すごい迫力である。延々と整備された道が続いている。鍾乳石も綺麗だった。

P1020841 なんとかっていうもの。

まだまだ奥まで続いていたが、川の音も無くなり本当に誰もいなくなったので僕もこの辺で引き返そう。小心者である。

洞窟の次は秋吉台を見に行ってみた。洞窟の上に広がるカルスト台地である。

この景色も一度見てみたかった。独特の景色は中々美しかった。

P1020868 秋吉台

これだけ見れれば充分なので下関に帰ることにして、も一度おじさんに会いに行ってみた。

次の日は帰るのでこれで会うのは最期だ。昔、山へ沢山連れて行ってもらったことのお礼を充分に伝えたつもりだが、聞こえているかは微妙だったが僕の気持ちは済んだ。もう少し元気な時に言えればよかったが仕方が無い。

大人になってからは会うこともかなり少なかったが、幼いころ山に連れていってもらった事は僕は一生忘れない。素晴らしい思い出を沢山与えてくれたおじさんには本当に感謝である。少しでも病状が回復する事を祈った。

そして、次の日帰路についた。

P1020876 向こうは門司。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは、昨日やっと種送れました。 (kaoriko)
2010-05-16 07:12:08
こんにちは、昨日やっと種送れました。
大好きな方とのお別れ辛かったでしょう・・・でも、こう言うことはしっかりすべきですね。
で、この写真見て思ったのですが、門司港、海面と地面とあまり段差がなくて、
ちょっとビックリしましたが、温暖化で海の水位が上がってきているのでしょうか・・・
なおとさんのいる所は心配ないですが、海に近いところはこれから大変だろうな・・
って思っています。ココも海から遠いし海抜360mくらいなので、一応安心です。
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海面上昇。怖いですね。門司港の海面、温暖化の影... (Naoto)
2010-05-17 07:32:23
海面上昇。怖いですね。門司港の海面、温暖化の影響かは分かりませんが確かにぎりぎりまで来てますね。
何よりも温暖化ストップですね。冬に雪が降らなくなるのは困ります。
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