ここにもカラスが・・・

こんな雑草でも漢方薬に使われる生薬です。



カラスビシャク[烏柄杓]（サトイモ科）です。
草地や畑の周りなどによく生えている草です。昔住んでいた家の裏にも沢山生えていました。
根元をちょっと掘ると小さな球茎が出てきますが、これを「半夏」と呼び、吐き気止めなどに使います。「半夏厚朴湯」や「半夏瀉心湯」などの漢方薬にも配合されています。
サトイモ科特有の仏炎苞を烏が使う「ひしゃく」に見立て名付けられたそうですが、「ひしゃく」という言葉自体、あまり使われなくなっているので、意味を理解するのが難しいかもしれません。

今日は午後に激しい雨が急に降り出しました。この雨に濡れてしまった人もいたかもしれませんが、雨上がりに虹を見ることができました。一部分しか見れませんでしたが、濃い色の虹でした。雨続きで憂鬱だった気分も晴れますね！！

４月下旬　横浜市内にて

虫も食わない花・・・

先週、久しぶりに横浜駅周辺をブラブラしました。この日も雨が降りそうな天気でしたが、こんな蕾を見つけました。



クスノキ[樟、楠]（クスノキ科）です。トトロの木でも有名だと思いますが、公園や街路樹としてよく街中にも植えられています。この木は、東口の駅前にありました。
若葉の緑がきれいですね。白い小さな花を咲かせるのですが、ちょっと早かったようです。
昔は、この木から防虫効果のある樟脳をとるために、沢山植えられたそうです。葉を揉むと特有の芳香を嗅ぐことができます。私はいい香りだと思うのですが、だめな人もいるみたいですね。
アオスジアゲハを知っているでしょうか？この蝶の幼虫は、クスノキなどの葉を食べます。街中でクスノキが植樹されることが多くなってきたので、この蝶も都会で増えていると以前聞いたたことがあります。どうやら樟脳の効かない虫もいるようですね。
でも、この成分があるためにクスノキは害虫による食害を受けにくく、大きく成長することが多いそうです。
街中でクスノキを見かけたら、１枚だけ葉を取って、この芳香を楽しんでみてはいかがでしょう。

５月上旬　横浜市内にて

伝統の花・・・

この頃の悪天候で、中々散策に出ることができません。５月の花を探しに行きたいのですが・・・



ジュウニヒトエ[十二単]（シソ科）です。
ツクバキンモンソウ[筑波金紋草]

昨日のキランソウと同じ仲間ですが、花の感じは違います。
日本の伝統的な衣裳の名ですが、この花が重なって咲く姿を見立てて名付けられたそうです。
十二単の名は知っていても、この衣裳を実際に見る機会はほとんどないでしょう。まだ植物の「十二単」を見るほうが簡単かもしれません。
自然公園でも見れますから、林の中などで足元に注意して探してみてください。

４月下旬　横浜市内にて

（この記事は、ジュウニヒトエだと思って書いたものです。反省の意味もこめて本文は訂正していません。）

地獄への扉！！

ジゴクノカマノフタという物騒な別名をもつ草を紹介しましょう。



キランソウ［金瘡小草］（シソ科）です。道端や山野に見られるごく普通の植物ですが、昔から民間薬としてよく使われていたそうです。
別名は、地面を這うようにして生える姿から付いたとか、地獄に蓋をして病人をこの世に戻すことから付いたとか諸説あるようです。
この時期に全草を採り、乾燥させ、下痢、健胃、咳、去痰に煎じて飲みます。
足元に咲く良薬をぜひ探してみてください。

４月下旬　横浜市内にて

一足お先に・・・

クサイチゴはこれから実がなりますが、既にもう赤い実を実らせているイチゴもあります。



ヘビイチゴ［蛇苺］（バラ科）です。子供の頃に食べた記憶がありますが、甘みはなく美味しいものではありませんでした。「ヘビ」という名前から毒があると思っている人もいるみたいですが、食べても毒ではないそうです。
無毒のものを有毒と思う分には安全ですが、その逆は大変なことになるようです。
群馬県で観賞用に栽培していた「カロライナジャスミン」という有毒植物を「ジャスミン」と間違えハーブティとして飲んで、目の焦点が合わなくなるなどの食中毒症状を起こし、入院した人がいるそうです。この「カロライナジャスミン」は、花の匂いこそ「ジャスミン」に似てよい香りがするそうですが、まったく別の植物で、呼吸麻痺などを起こし、時には死に至ることもある大変危険な有毒植物だそうです。この入院した人も、直接食べなかったから命に別状がなかったのでしょう。
正しい情報を手に入れるということは、本当に大切な事ですね。

４月下旬　横浜市内にて