正直、僕も正しく理解できているのか、不安ですが、前回に続き、樹皮について、分かりやすくお話したいと思います。
樹木の内部(木部)が肥大成長することで、それを覆っている内樹皮(師部)の外周が引き伸ばされ、軸方向に裂けてしまいます(接線方向の成長応力によって、内樹皮が軸方向に裂ける)。
裂けた部分では、柔細胞などが有する生命活動の機能が衰え、そこにコルク形成層が形成されます。
コルク形成層の外側にコルク層、内側にコルク皮層が作られます。
顕微鏡の世界・・・の話になりますが、コルク形成層・コルク層・コルク皮層について、簡単に。
・コルク形成層=薄い細胞壁を持っている1つ~多数の層の細胞列がある。細胞分裂機能をもつ。
・コルク層=全て死んだコルク細胞で構成。細胞膜より内側は空で、その中は空気で満たされ、細胞壁には蝋物質やリグニンが含まれ、水の浸透や蒸発の防止、病害虫の侵入を防止、直射日光による熱を遮断・・・という重要な役割をもつ。
・コルク皮層=複数の柔細胞で構成。細胞壁にはセルロースが豊富にある。
これら3つをまとめて「周皮」といいます。
前回、外樹皮と内樹皮のお話をしましたが、このコルク層によって、内樹皮から切り離された外側の部分を「外樹皮」といい、外界から樹木内部を守っています。
周皮は樹木の肥大成長に応じて、内側から新しいものを毎年形成するため、既存の周皮は、外側に押し出されます。
そのため、一番外側のコルク層が常に脱落する(押し出される)樹種では、樹皮が薄くなり、脱落しない樹種では、コルク層が何重にも重なり、樹皮が厚くなります。
次回からは、樹皮が厚い樹木、斑状に剥がれる樹皮・・・などに分けて、お話したいと思います。
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