今回は、スギノアカネトラカミキリ(以下、アカネ)第3部「防除」、第3章で被害診断について。
被害を受けているか否か、その判断は立木のまま識別することは、とても困難で、伐倒したり、造材(玉切り)して、初めて分かるのが一般的です。
←被害を受けた丸太の木口。
写真の木口、右側3時の方向にあるのが、アカネ被害の痕跡です。
写真の木口、左側8時の方向にあるのは、皮が傷ついて、それを治した痕跡なので、アカネの被害ではありません。
伐倒以外で診断する方法として、立木の枯れ枝を落として、枝の木口を見る。
枝の木口からアカネが侵入または脱出した痕跡も分かります。
あとは、林内に落ちている枯れ枝を調べて、脱出孔を探したり、枯れ枝を割って、幼虫の食害した痕跡を探すという方法もあります。
ヒノキの場合、スギのように、枯れ枝がごそっと落ちることがほとんどないので、この診断方法はあまり使えないと思います。
ただし、ヒノキはアカネの被害を受けると、その部分がこぶ状になったり、枯れ枝の付け根からヤニ(樹液)が流れ出たりする場合があるので、これで被害の有無を推定することも出来ます。
・・・・とは言え、地域差があるようで、和歌山県ではこの診断方法がそこそこ使えるようです。
写真の左側10時の方向に、ヤニ壷が出来ているのが分かるかと思います。
被害を受けたすべてのヒノキに、ヤニ壷が出来るというわけではありませんが・・・。
これも診断の1つですが、見慣れないと分からないです。
診断方法というタイトルにしたものの、やはり決め手は、実際に伐ることですね。
外見で判断できれば、間伐の時に伐採することも出来るんですが・・・。
ちなみに、間伐した木の枯れ枝にアカネがいたら、脱出します。
被害木を間伐しても、林内に置いたままでは、アカネの駆除には繋がらない可能性が高いと思うので、防除は重要かなーと思います。
というわけで、次回防除についてのお話です。