暖かい日が続くようになり、徐々に、木材の原木価格が下がる季節になってきました・・・・。
その要因の1つが「虫」。
林業・木材業界を困らせる代表的な虫の一種「ハンノキキクイムシ」。
名前に「ハンノキ」という樹木の名前が付いていながら、スギやヒノキだけでなく、マツにも入るし、ケヤキやクスノキなど色々な広葉樹に穿孔するキクイムシです。
地域差もありますが、3~10月頃にかけて伐採した木に集まり、木の中に入ります。
入られた木は、キクイムシが穴を空けて、掘り進んだ”ピンホール”という傷がつき、木材の価値が下がってしまいます。
木材の強度を著しく下げると言うことはありませんが、とにかく見た目が悪くなる💢
住宅の梁に付けられたピンホール。
ホクロみたいな小さい黒い穴が、キクイムシが木の中に侵入したときに出来た傷です。
製材の方法によっては、キクイムシが掘り進んだ穴が目立ってしまうことも・・・
チェーンソーカービング中にキクイムシが寄ってくることもあります。
上の作品は、キクイムシだけでなく、ゾウムシという大型の虫の被害を受けた丸太で彫った物なので、大きな穴も目立ちます・・・。
木を伐採すると発生するカイロモンという樹木が発する誘引物質に引き寄せられ、キクイムシが集まってきます。
木に集まってきたキクイムシは・・・・
ほじほじほじ・・・・
もぞもぞもぞ・・・
ズポッ!
って、おい!、こらー!!
という感じで、木の中に侵入します。
キクイムシは、入った木の中で、菌を繁殖させ、その菌を食べて生活します。
キクイムシという名前なのに、木を食べるのではなく、木の中で育てた菌を食べています。
このタイプのキクイムシを「養菌性キクイムシ」と呼ばれています。
基本的に、辺材(白太)の部分を掘り進むので、心材への被害はありません。
しかし、引退したベテランの方の話では、「昔は、それほど多くはなかった」と聞きます。
おそらくですが、木材価格の低迷によって、売れない木を山の中に放置したり、搬出できない木を放置したり、切り捨てられた間伐木が増えたり、市場の隅っこに放置された競り落としたけど取りに来ない丸太とか、キクイムシの繁殖に適した木がたくさん増えたことが原因ではないでしょうか・・・定かじゃありませんが!
昔は、土場に置かれていた丸太が盗まれることもあったくらいなので・・・・。
最近は、バイオマス発電の燃料材として、木材が使われるようになり、放置されている丸太を見る機会が減った気がします。
実際、薪を確保することが難しくなってきてますし・・・・
キクイムシの繁殖に適した丸太や木が少なくなると、少しは減っていくのかな?