本年度も奈良県フォレスターアカデミー様からご依頼をいただき、「リーダーシップの理論と実践」をテーマに1週間の授業を行わせていただきました。
奈良県フォレスターアカデミーでは、「施業の提案を行い、それを実践できる人材」の育成を目指しており、それに応えるため、毎年、授業構成の練度が上がっています。
今年度は、担当者の想いもあり、去年よりもより一歩踏み込んだ形で、授業構成を再編しました ......【正直、疲れた (;゚Д゚)】。
今回、踏み込んだのは行動経済学の「ナッジ」を加えたことです。
昨年度もどうしようかな~と悩んだ末、加えなかった「ナッジ」を今年度は加えることにしました。
これからは、行政やビジネスにおいて、「ナッジ」という手法が標準になると考えています。
林業大学校では国内初!の取り組みだったらいいな~
林業という仕事は、自然相手の仕事ではなく、「自然を通じた人間相手の仕事」です。
この森林をどうすべきか、どのように整備すべきか、どのように管理すべきか、どのように利用すべきか、という話は、森林所有者の要望、意見を聴くところからです。
森林所有者が要望や意見が無いと言っても、まずは、こちらから大雑把な提案とビジョンを提供し、要望や意見の形を掘り出すことが重要です。
というのも、森林に対する知識や理解が追い付いていない森林所有者の場合、「何か要望ないですか?」と聞かれても、要望なんて出てこないことが基本です。
具体的なイメージがないと、要望も意見も出てきません。
自分が全く関係ない分野で、その分野に関する知識が乏しければ、「要望ないですか?」と聞かれて、要望が出てきますか?
まずは、知識を持っている我々が、具体的なイメージを提供した上で、改めて、要望を聞くことも時には重要です。
一方で、私たちが持っていきたい方向性もあります。
その方向性と森林所有者の要望を合わせることが、これからの私たちの仕事でないか。と考えています。
まさに、今回の授業は、その土台作りとして、「ナッジ」を入れながら、人間心理と森林科学をミックスした授業を行いました。
1週間の内容は、このとおり ↓ ↓ ↓ 。
初日は、真っ先に「奈良県の林業振興」をテーマに何をすべきかを提案するグループワークでスタート。
その後・・・・、
そもそも、目的と目標の違いを明確に理解し、説明できるのか。
そもそも、問題と課題の違いを明確に理解し、説明できるのか。 をテーマに講義とグループワーク。
「木材価格は安い」は、本当に問題なの?
「経営意欲が低い森林所有者が多い」は、本当に問題なの?
というテーマで、問題派とそうでない派に分かれて議論。
続いて、「ナッジ」と「人の行動特性と心理特性」。
皆伐を希望する森林所有者に対し、「間伐後に皆伐をお願いします!」と所有者自ら言い出すための方法は?
「この山、どうしたらいいですか?」という方に対し、「こういう整備をお願いします。」という言葉を引き出すには?
アウトプットの法則。
インプット3:アウトプット7の割合が知識の定着を促す!
教室形式の講義が、最も知識定着の効率が悪い!ので、ガッツリ学んだ翌朝は、現場でひたすらアウトプット!
仕上げは、森林所有者に対する施業提案。
ナッジと人の行動特性と心理特性を意識して、森林所有者が選択できるように複数の提案かつ、自分たちが導きたい施業のナッジを取り入れてのプレゼン!!
生徒さんたちは、「森林所有者」と「提案者」の2役をこなしてもらい、それぞれがそれぞれの所有者に提案する。
自分で構成しておきながらですが、めっちゃ難イナ! (゚Д゚;)
5月27日。
皆さんの発表が楽しみです♪
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