日本の代表的な毒ヘビ「ニホンマムシ」。
マムシはアオダイショウやシマヘビなどに比べると、動きが遅いヘビです。
人が近づいても、マムシはジィーッしていることが多いので、意外とマムシの存在に気づきません。
アオダイショウや同じ毒ヘビのヤマカガシなどは、すぐに逃げ出すので、存在に気付く前に離れてくれることが多々あると思います。
個人的な考えですが、マムシとしては、「静かにやり過ごそうとしている」のではないかなーっと思っています。
動画でもニホンマムシについて、簡単ですが、紹介しているので、よろしければ、こちらもどうぞ。
森の知識はぐくMOVIE「ニホンマムシ」
マムシは、周囲の色にとけ込むような色と模様なので、落ち葉が多い場所では、見つけにくい(>_<)。
人が近づいても、素早く逃げない上、ジッとしていて、色と模様が周囲にとけこんで、見つけにくい。
結果、気づかないうちに「マムシと接近」というニアミスが起こり、咬まれる・・・という事例が多いのではないかと思います。
捕まえようとして、咬まれる事例もありますが、一応、それは論外で(^_^;)・・・
山菜やキノコを採ろうとした時。
休憩しようと地面に手をついて、座ろうとした時。
登ろうと岩の隙間に手を入れた時。
など、地面に手を近づけたときに咬まれる事例が多いようです。
他にも、素足+サンダルという状態で、茂みの中を歩いてガブッ、マムシの目の前を歩いたしまいガブッ、マムシを踏み付けてしまいガブッ、といった事例も。
マムシに咬まれないための対策としては、
・長袖・長ズボン、手袋・靴下を着用し、素肌を露出しないこと。
・ハイカットの靴を履き、足下の咬まれる箇所を減らすこと。
・地面に手を近づけるときは、必ず周囲を確認すること。
・茂みなど視界の悪い場所を避けて歩くこと。
なお、周囲にマムシがいないか、確認するときは、1m以上の棒などで地面を撫でるように、ゆっくりと振り回してください。
上から叩き付けるように振り回すと、逆に、マムシを興奮させてしまいます。
ヘビは地面を這う生き物なので、上からの攻撃には敏感です。
なので、ヘビを見つけたら、1m以上の長い棒で、ヘビのお腹を優しくすくう様に押し出してあげると、あまり興奮させずに、ヘビを追い払うことができます。(というか、ヘビが自ら移動してくれます。)
なぜ、棒の長さが1m以上なのか?
ヘビの攻撃範囲は、体長の1/3~1/2と言われています。
例えば、2mのハブなら攻撃範囲は約66cm~1m。
マムシの体長は最大で60cm程度なので、攻撃範囲は20~30cm。
つまり、1m以上の長さの棒があれば、2m近くのヘビも十分に追い払うことが出来るからです。
ちなみに、僕の師匠は、「マムシは、すれ違う直前に、一瞬、体を引くから、その音でわかる。」らしく、一緒に山へ行くと、よう捕まえていましたね・・・(^_^;)
師匠の後ろを歩くとマムシを捕獲できないし、前を歩くと「見逃したな~」とからかわれる・・・そんな悔しい思い出が・・・(T_T)。
あっ、でも、その音を意識しながら、毎日、山を登っていたら、分かる様になりましたよ(^o^)。
今は、8割事務仕事なんで、その勘はほぼ失われつつありますが、調子が良いときは、その音を聞く(感じる?)ことが出来ます(^_^)v
マムシの模様はくさり模様で、非常に特徴的です。
この模様を見ると、何となく、ゾッとする方もいるんじゃないでしょうか?
あと、お腹の模様も特徴的。(見たいからと言って、捕まえたりしないで下さいね。(^_^;))
マムシの特徴はクサリ型の模様に加え、しっぽが短いこと。
まずは、くさりっぽい形した模様で、しっぽが短い感じのヘビと思ったら、直感的にマムシと覚えましょう。
マムシの幼蛇も成蛇と似たような感じです。
マムシのお顔はこんな感じ。
これが熱を感知する器官「ピット官」で、1秒間に千分の二~千分の三の温度差を見極めることが出来るそうです。
そして、毒牙。
大きな2本の前歯が毒牙です。
この牙の中に毒腺があり、牙の先端に小さな穴があって、そこから毒が出てきます。
牙に咬まれると、その穴から毒が注入される・・・ちょうど注射器のように毒が注入されます。
注射器のように・・・といっても、牙の先端に穴があるわけではありません。
人の指を牙に例えると、爪あたりの位置に穴があります。
なので、マムシの牙をつっつくと、顔に向かって毒液が飛んできます・・・が、絶対にマネしないで下さい。
口の下側にある穴は、空気を吸うための管です。
獲物を飲み込むときは、この管から空気を吸い込んでいます。
マムシに咬まれると10~15分以内に痛みや腫れなどの症状が出てきますが、致死率は1%と非常に低いので、まずは、咬まれたら落ちつくこと。
これが1番大切です。
興奮すると血流が早くなるので、毒の巡りも早まります。
咬まれた箇所を心臓より高い位置にしたり、軽く縛る方法もあります。
ただし、強く縛ると悪化する恐れもあるので、包帯など幅広いもので、軽く縛るようにします。
毒を吸い出す「吸引器(ポイズンリムーバー)」があれば、それで毒液を吸い出します。
絶対に、口で直接、毒液を吸い出すようなことはしないで下さい。二次感染につながる恐れがあります。
あと、冷やす行為も症状を悪化させるので、冷やさないで下さい。
咬まれたら、落ち着いて、すぐに病院へ搬送してください。
「何もせず、落ち着いて、すぐに病院へ行く」が最大の処置とも言われています。
処置も重要ですが、まずは咬まれないための対策と予防が一番重要です。
そして、マムシを捕まえようとしないことです!
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※2017年8月の記事を改編
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