世田谷文学館で開かれている『星新一展』に行った。
見終えて最初に思うのは、
星新一という人は「自分コレクター」だったのだな、
ということだ。
小説家が自分の自筆原稿のみならず、
下書きまであそこまでちゃんと残しているというのは、
かなり珍しいのではないか。
充実した今回の展示の中で、
やはり一番の見ものは、
残された大量の下書きだろう。
小さな文字で書かれているということは知っていたし、
本で見たこともあったが、
実物を目の当たりにすると、
よりそのすごさが伝わる。
下書きが展示された部屋には、
わざわざルーペが用意されていたほどだ。
圧巻だった。
だが、ひとつだけ難を言えば、
壁に展示された下書きの半分ぐらいが、
半球型のアクリルの中に入れられていたことだ。
黒だか濃紺だかの壁に浮かぶアクリル半球は、
おそらく星をイメージさせたものだと思うが、
中に入っている下書きが見難いことこの上ない。
普通に平面のアクリル板に挟んであるものもあったのだから、
全部同じように展示してくれればよかったのにと思う。
デザイン性よりも、
見易さをとってほしかった。
と難の部分が長くなってしまったが、
この機会にしか見ることのできない、
星新一の歴史と頭の中が垣間見える品々を目撃できる貴重な機会。
興味のある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。