先日、東村山にある豊島屋酒造という酒蔵に行った。
『金婚』『十右衛門』といった酒を作っている酒蔵だ。
ちなみに「東京で作った日本酒なんて」と偏見を持っている人もまだ多いようだが、
(僕もある時期までそうだった)
実際は7つか8つある酒蔵の大半が、
全国の品評会で金賞銀賞に輝く、
今や東京は「日本酒の名産地」なのだそうだ。
日本酒は好きだが、
酒造りに関する知識などはまったくないため、
いろいろと興味深い話を聞いたが、
その中に酒の飲み方に関するこんな話があった。
「世界にはたくさん酒があるが、
温めて飲む酒は日本酒と紹興酒ぐらい」
確かに言われてみればそうだ。
もちろん、蒸留酒をお湯で割って飲むこともあるし、
ワインを温めて飲むこともあるが、
日本酒の燗とは意味合いが違う。
「夏の燗酒もいい」
日本酒好きの中には夏でも燗酒を好む人も多いという。
夏場の弱った胃腸には、
温かく、冷で飲むより少ない量で酔える燗酒のほうが、
体にもやさしいという。
実際、酒蔵で燗酒も飲ませてもらった。
『十右衛門』の純米無濾過原酒(生・火入)を、
40℃ほどのぬる燗で飲んだ。
「生酒」を燗にするなんてと思ったが・・・。
いやいや、これが旨い。
冷で飲むのとはまったく味が違う。
なんというか燗にしたほうが「ふわっ」とした味わいになる。
まあ、酒は嗜好品なので、
どちらが旨いと感じるかは人の好き好きだが、
僕はぬる燗のほうが旨いと感じた。
いい飲み方を教えてもらった。