友人の3歳の息子が水族館に夢中だ。
年間パスを買っているため、
週に2、3回、水族館に通っているという。
しかし、水族館だけでは満足しない。
家にいる時も、
お母さんは海の生き物のマネをしてくれと、
リクエストされる。
最初は、
「おさかなやって」
「タコやって」
だったが、
最近は知識も増えてきたので、
「タチウオやって」
タチウオの形態模写はかなり難しいぞ。
がんばれ、小さかなクンのママ。
「ナガミヒナゲシ」のことは最近知った。
驚異の繁殖力で在来植物を脅かしている「外来種」である。
この事実を知って家の近所を見ると、
いたるところにナガミヒナゲシがある。
いつの間にこんなに増えていやがったんだ!
だが一番怖かったのは、
意識するまで気づいていなかったことだ。
視界には入っているけど認知していない。
そういう人も意外と多いのではないか。
ここでSF的妄想が広がる。
彼らは侵略者なのだ。
増え続け、ある臨界点を越えたところで突然変異を起こす。
香りの成分が人間を含む高等生物にとって猛毒になるのか。
花粉が神経組織に寄生するのか。
そんなふうに考えて見ると、
路傍のオレンジの花がやけに不気味に見えてきた。