「下町ボブスレー」不採用のニュースに対する世間の反応は、
下町ソリの方がBTCのソリと比べて2秒遅かった。
性能が落ちるならば不採用なのはあたり前。
というのが主だったと思う。
しかし実は、2つのソリの滑走テストは、
異なる条件下で行われ、
製品テストとしては精度の低いものだった。
「2秒遅かった」
その結果だけが報じられ、
どんな条件でテストが行われたかを言及している記事は、
僕が知る範囲ではなかった。
「2秒遅かった」
それが不採用の理由の1つだったが、
なぜジャマイカはそんな不正確なテストを行ったのか。
確かに、ここに疑問は残る。
それはおそらく、永遠に解決されることのない疑問だ。
昨夜のオンエアを受けて、
「陰謀論か」と冷笑する声を散見するが、
あれは「陰謀」ではないと僕は思う。
じゃあ、なにか?
「ビジネス」である。
巨大なビジネスチャンスであるオリンピック。
そこには表裏、さまざまな策略が渦巻いている。
下町は、「良いものを作れば認められる」と信じて疑わなかった。
だが、それだけでは足りなかったのだ。
今回の件から学ぶべきことは、
優れた技術だけではまだ片翼、
ビジネスとして羽ばたくためには、
もう片翼が欠かせない、
ということなんだと思う。