もうすぐ元号が変わる。
ご存知のとおり、
天皇の即位によってのみ改元されるようになったのは、
明治以降のこと、
それ以前は在位中に元号が変わることはよくあった。
では、実際どれぐらい変わったのかと調べてみると、
3回4回、改元するのはざら。
平安時代後期の第73天皇・堀河天皇なんて、7回も改元している。
明治天皇の一代前の孝明天皇だって、5回改元している。
改元の理由は、新天皇の即位以外では、
疫病、旱魃、飢饉、地震などが起きた後の厄払い的なことが多い。
(「彗星が来た!」も意外と多い)
改元することで、「リセット」するわけだ。
時間軸を分断し、
前の元号の中に封じ込める。
改元にはそんな効果があったのだろう。
明治以降は、そうした目的で改元されるわけではないが、
その効果は今でも残っている気がしている。
たとえば、
広島と長崎に原爆が落ち、東京が焦土と化したのは、1945年。
え、まだ74年しか経っていないのか!
加藤茶の方が歴史あるじゃないか!
西暦で考えると、すぐわかる。
だが、昭和20年といった途端、
現在との距離感がわからなくなる。
わずか74年という歳月で、今に続いているにも関わらず、
まるで別世界で起きたことのように遠く感じられる。
新しい元号になったらそれは、さらに強くなるのではないか。
(僕だけか?)
日本史が好きなので、
元号を廃止する必要はないと思うけど、
元号によって過去の距離感が失われ、
現在と過去が分断されるのは、
僕は良いことだとは思えない。
(実務的にも元号の使用は不便だ)
なので、西暦を基本とし、
元号は、1300年以上続く日本の“伝統文化”として、
ひっそりとでもしっかりと受け継いでいく、
(そういうものはたくさんあるのだから)
というのでいいのではと思うのだけどなあ。