初めて犬を飼ったのは小学生の時だ。
近所に迷い込んだ捨てられた雑種の子犬。
「コロ」という名前をつけた。
コロは数年後、病を得て亡くなった。
近所の獣医が親身になって診察をしてくれ、
母校の獣医学部で(無料で)手術も受けさせてくれた。
しかし手術の甲斐なく亡くなり、
大学まで看取りに行った。
確か秋の終わりの寒い日で、
どういう事情だったか忘れたが、
クラスメイトの女の子が一緒についてきてくれた。
遺体を持って帰ることはできなかったため、
毛と爪をもらって、
自宅に庭に埋めた。
二頭目の犬とは、
コロの件でお世話になった獣医に
お礼を言いに行った帰り道に出会った。
また捨てられていた子犬だ。
何か運命的なものを感じ、飼うことになった。
今度は「ケイ」と名付けた。
ケイは何度も脱走を繰り返し、
数年後、逃げ出したまま帰って来なくなった。
鎖を引きずって歩くケイを目撃したという話を聞いたが、
我が家に戻ってくることはなかった。
それから長い間、
犬を飼うことはなかったが、
10年ほど前に再び犬を飼い始めた。
ミニチュア・シュナウザー。
「リタ」と名付けた。
世田谷公園まで散歩に行く途中に閃き、
そう名付けた。
さらにその数年後、
もう一頭、ミニチュア・シュナウザーを飼い、
「ニナ」という名前をつけた。
リタとニナは今も健在だ。
穏やか性格のリタ。
おてんばなニナ。
いつまでたっても雷が怖いリタ。
大きくなってもしばらく階段を降りられなかったニナ。
ソファで眠る家人(小)に寄り添って眠っていたリタ。
ソファの裏に盗んだ食べ物を隠して食べるニナ。
だが、犬や猫といった温かい動物を飼う時はいつも、
彼らは僕より先にいなくなる、
そういう思いが心のどこかにある。
犬を飼っていた僕
犬を飼っている僕
この歌を聴きながら、
いろいろな感情と光景がこみ上げてきた。
いい歌ですね。
曲はこちら↓からどうぞ。
『ケイト』MV