マッカランが泣いている

2016年04月29日 09時33分20秒 | コメディのかけら

新宿の某居酒屋。
宮崎料理をウリにしたチェーン店だ。

飲み物のメニューを見て驚いた。

ビールやサワー類に並んで、
「ラフロイグ」「マッカラン」がある。
どちらもサントリーが扱うシングルモルト。
同社が入り込んでいるということか。

マッカランのソーダ割を注文してみた。

出てきたものを見て、再び驚く。

生ビールやサワー類と同じ細身のジョッキ。
しかも「Asahi SUPER DRY」のロゴ入りジョッキ。

ツッコミどころが多すぎる。

「マッカラン」といえばシングルモルトのロールスロイスと称される酒なのに。

西新宿で、マッカランが泣いている。

繁盛店のコメディ

2016年04月28日 09時37分15秒 | コメディのかけら

昨夜、出所祝いで行った店名に”鳥”の字がつく焼きとんの店。

店構えは上品だが、2階席は海の家状態の超満員。

焼きとんと油断していると、
なかなかパンチのきいた値段なので、
お会計の時に驚くことで知られる店である。

このご時世にあの価格で、
しかも若い客で繁盛しているのは良いことだ。

しかし!

遅いんだよ、料理が。

突き出しが来て、その20分後にようやく最初の料理がきた。
それが・・・
漬け物なんだよ、串じゃなくて。

「箸休めです」

と店員。
いやいやいや、
休むも何もまだ箸はほとんど稼働してないし。

注文が殺到していて料理人の手が足りないのかと
カウンターの中の厨房を見ると、
料理人は10人以上いて、右往左往している。

追加の飲み物を注文しようと手を挙げると、
フロアの人間より先に気づいて、
5~6人が同時にこちらを指さし、
「あっちあっち」

揃ったその動きはまるでコントだ。

というか、その前に料理に専念して下さい。

食事に行ったメンバー的に
すべてが笑いに還元されたから良かったけど、
行く人間を間違えると事だな、あの店は。


その電車は回送です

2016年04月26日 09時42分37秒 | コメディのかけら

代々木上原駅の下りホームで、
千代田線から直通の準急を待っていた。

準急の前に、
代々木上原止まりで回送になる千代田線が一本来ると、
アナウンスが流れる。

さらに電車が入ってくるのに先立って、
駅員が並ぶ人の前を走りながら、
「次の電車は回送電車です。ご乗車にはなれません」
と告げていった。

間違える人が多いのだろう。

電車が到着し、乗客が降りていく。

すると僕の目の前に立っていた、
OL風の女性とスーツ姿の男性、
どちらも二十代と思しき二人が、
何の迷いもなく誰もいなくなった電車に乗り込んでいった。

え?

乗り込んでからしばしの間があって、
二人は自分たちの誤りに気づいたようで、
電車から降りてきた。

その姿を見て、彼らがが過ちを犯した理由がわかった。

ヘッドフォンで音楽を聴いていたのだ。

あれだけ念入りに注意されていたのに、
スタスタと電車に乗り込んでいく姿はマヌケだったなあ。

中国TV事情

2016年04月22日 08時05分56秒 | 業界のかけら

中国で番組制作の監修をしてきた知り合いから、
中国のテレビ事情を聞いた。

中国では視聴率の平均は1%。
60ぐらいテレビ局があるためだ。
最近、韓国の番組をフォーマット購入した番組が視聴率5%をとり、
それで大きな話題になったそうだ。

番組の制作費が10倍。
日本のゴールデンのバラエティ番組が仮に制作費2000万円なら、
中国は2億円。
それだけでも驚きだが、さらに驚きなのが、
「制作費の半分が出演者のギャラ」
高い。
日本ではそんなことありえない。

中国のテレビ業界は毎年20%の成長率だそうだ。
しかし、まだ技術的な面が拙い。

「今、中国で番組作りの指導する仕事をしたら、
 一財産築けますよ」

なるほど。

放送作家にも教えられることはあるだろうか。

賛否

2016年04月20日 07時57分50秒 | コメディのかけら

ニュースの見出しで、
「××に賛否」
というのをよく見かける。
(例:『オスプレイ物資輸送に賛否』)

これってよくよく考えると、
なんとも馬鹿げた物言いだ。

どんなものにでも賛否はある。
100%の賛もなければ、
100%の否もない。

大事なのは、その割合ではないか。

賛が99%で否が1%でも、
否が1%で賛が99でも、
見出し風にいえば「××に賛否」

今回の賛否の割合はどうなんだ?

黒い笑いが作れそうだ。

だが、笑いのためではなく、
大真面目にこの見出しをつける者がいる。

それは笑いではなく、恐怖だ。

なぜ彼は笑ったか?

2016年04月18日 23時31分05秒 | 業界のかけら

現在四十代のテレビマンが、
駆け出しディレクターの頃の思い出話だ。

編集ブースで作業をしていると、
隣のブースから笑い声が聞こえてきた。

先輩ディレクターが編集をしている隣のブースを覗いて、
よくそんなに笑えますねと尋ねると、

「面白い素材をもっと面白くする作業をしているんだ」

という返事が返ってきたという。

その言葉にシビレたそうだ。

この言葉・・・今、伝えたい若手ディレクターが沢山いるなあ。

カードとサイン

2016年04月17日 08時13分11秒 | アイデアのかけら

初めて入るビストロで、勘定をカードで支払うことにした。

すると店員がカードリーダーを装着したiPhoneを持ってきた。

そして、
「ここにサインして下さい」
とiPhoneを差し出す。

あ、PINコード入力じゃないんだ。
これまでにも何度か同様の対応を受けたことがあったが、
すべてPINコード入力だった。

iPhoneの画面に指でサインをしたわけだが、
当然のことながら普段、僕が書く字体とはまったく違う。

あのサインに意味はあるのかなあ。

趣味の悪い命名

2016年04月14日 00時00分21秒 | アイデアのかけら

神泉の飲食店が並ぶメインストリートの店で飲んでいたら、
最近、目の前の通りが「裏渋谷通り」と名付けられたと聞いた。

なんだ、その趣味の悪い名前は。

検索すると、確かに昨年の秋、
道玄坂上の交番脇から入り、円山町、神泉町を通る道が、
「裏渋谷通り」と名付けられたという記事があった。

繰り返す。
なんだ、その趣味の悪い名前は。

神山町界隈の「奥渋谷」と呼ぶのも違和感があるのだが、
こちらはまだ許せる。

しかし「裏渋谷」はダメだ。

おそらく「裏原宿」からの着想だと思うが、
原宿の裏はいいが、渋谷の裏はダメだ。
怪しい感じしかしない。
そもそも円山町や神泉町は渋谷の裏じゃないし。

円山町、神泉町、どちらも味のある地名じゃないか。

バスケットボールストリートといい、
渋谷界隈の人はどうしてこうもネーミングセンスがないのか。

たぶんいっさい定着しないまま、消えていくんだろうなあ、「裏渋谷通り」の名は。

ライブは突然に

2016年04月12日 00時01分22秒 | コメディのかけら

仕事の打ち上げでサムギョプサルを食べた後、
二次会で赤坂の裏通りにあるBarに行った。
参加者の一人がネットで探した、全員が初めて入る店だった。

この手の店にしては時間が早いせいか客は我々だけ。
ジントニックを頼むとジンの銘柄を尋ねられた。
なかなか正統派のBarだと思った。
夜8時までは。

8時。
突然、網タイツの女が現れた。
40歳前後の女だ。
店の片隅にピアノがあり、男が座った。
女が歌いだす。

あ、LIVEをやる店だったのか。

1曲目はホイットニー・ヒューストンだ。

歌の途中で、彼女の一番近くにいた我々の仲間に歩み寄り、
かぶっていた彼の帽子を取り、くるくる回す。
しかし彼は一切動じず、
その間、彼はずっとスマホを操作している。
不思議な光景だった。

店には我々しか客がいない。
なので、女はいろいろと話しかけてくる。
どんな曲がいいかとリクエストを求められたので、
今の気分を話すと『ケ・セ・ラ・セラ』を歌った。

そしてその後に『Smile』。

またもやリクエストを求められたので、
独立して会社を興す奴がいたので、
そいつを応援する歌をリクエストした。

どんな歌を贈ってくれるのだろうか。

歌い出した曲は・・・

中島みゆきの『糸』だった。

邦楽かよ!

初めて聞いたリサーチャーの”自分の言葉”

2016年04月10日 10時38分51秒 | 業界のかけら

いろいろな番組の会議で会うK君は、
優秀なリサーチャーである。

報告は常にコンパクト。
傍らで聞いていて「それは難しいだろう」という発注を受けても、
即座に「無理です」と断ることなく、全力を尽くす。

先日、新年会が伸び伸びになり新年度会になった席で、
K君と一緒になった。

酒の席でも寡黙なK君。

ところがBGMにチャゲアスが流れ、
ASKAの話になった時、
突然、チャゲアス愛を熱く語り始めた。

曰く「ASKAの曲は薬の力で書いたんじゃない。絶対に戻ってくる」
曰く「CHAGEが最近よく歌番組に出ているのを見ると寂しくなる」

K君が仕事現場で喋る時は、いつも事実の報告であり、意見を言うことはない。

初めて聞くK君の”自分の言葉”だった。

新鮮だったなあ。

人としての常識

2016年04月08日 08時45分46秒 | 業界のかけら

ある番組の会議の最後で、
プロデューサーがいつにない真顔で語った。

「人の家に上がる時は、ちゃんと帽子を脱いでください」

その番組では、ディレクターがリポーターを務める。
なので、しばしば画面に映り込む。

「手を合わせる時は手袋を外してください。
 クレームがあったとかそういうわけではありませんが、
 これは人としての常識です」

それを受けてチーフ・プロデューサーが補足する。

「ウチらの番組ってナレーションで遊んだりするじゃん。
 だから余計にそういうところはちゃんとしとかないと、
 バカがバカをやっていると思われるからさ」

なるほど。

榊原郁恵さんをたとえて

2016年04月06日 23時37分17秒 | 業界のかけら


ある番組に出演中の榊原郁恵さんを見て、某作家が言った。



「元気オバケだよねー」



なんとも口悪い表現だが、
もちろんこれは褒め言葉だし、
言い得て妙でもある。

次第に痛くなくなる

2016年04月03日 10時16分21秒 | その他のかけら

行きつけの店の主が若い頃、
かなりヤンチャだったことは知っていたが、
高校生の頃、半殺しの目にあったことは、
最近はじめて聞いた。

当時チーマーだった彼は、
下北沢の駅前で対立するチームに集団で襲われ、
ボコボコにされたのだという。

「腹をやられたら死んでしまうんで、
 とにかく亀になって腹を守りました」

缶ジュースの入ったコンビニの袋などの鈍器で、
丸まった彼を容赦なく殴る。
頭や背中の皮膚が破れ、血が流れる。

「最初はスゴく痛いんですけど、
 だんだん痛みがなくなってきて、
 目の前がす~っと白くなっていくんですよ」

仲間が助けに来てくれた時、
彼は血だるまだったが、
まったく痛みを感じていなかったそうだ。



ここまででもかなり驚きの体験だが、話にはまだ続きがある。



普通ならばすぐに病院に連れていかないといけない状態だ。
だが、喧嘩でケガをした場合、病院に行くと警察に通報される。
すると、学校に知られ退学になってしまう。

そこで彼は病院には行かず、ひとり暮らしの友人の家に運び込まれ、
三日三晩、友人とその彼女に看病してもらったそうだ。

「こうやって額の割れた部分を指で押さえていたんですよ」

よく死なずに済んだものだ。