ある特番の収録に行けなかったら、
オンエアに向けて会議をするから、
それまでに見てくるようにと、
スタジオ収録のVTRが送られてきた。
メインのカメラ、「本線」の映像だ。
こんなことは異例である。
僕も初めてに経験だった。
そもそも編集前のスタジオの映像なんて、
さしておもしろいものではない。
特に今回の特番は、
いわゆる「映像モノ」なので、
送られてきたVTRの大半は、
サブ出しの映像を見ているゲストたちの姿だ。
まあ、この映像がオンエアでは、
ワイプの中に使われるのだが、
それだけをアップで見ていても、
おもしろいわけがない、
そう思って斜め見しはじめた。
ところが。
これが意外とおもしろいのだ。
タレントの百面相。
顔芸を見ているようだった。
やはり一番表情豊かだったのは、
勝俣州和さんだ。
作り手の気持ちをよくわかってくれている、
リアクションだ。
一方、最悪だったのは某女性タレントだ。
ずっとつまらなそうな顔をしている。
時には半眼で眠そうな顔をしている。
あんな顔ではワイプにも使えない。
というか、人前で見せてはいけないブサイクな顔だ。
でも、VTRが終わって、
スタジオトークが始まった途端、
打って変わって笑顔になり、
さも楽しそうに話し始める。
ある意味、プロではあるが、
VTR中にリアクションをするのも仕事なんだから、
そこはちゃんとやってくれよとも思う。
スタジオ本線の映像を見るめったにない機会だからこそ、
気づいたことだった。
まあ、いつも見ているディレクターは、
とっくにわかっていることだろうけれど。
タレントのみなさん、
VTRを観ているその姿も、
しっかり見られていますよ。