家人(大)が唐突に、
「まわりで、この人、品があるなと思う人は誰?」
と尋ねてきた。
家人(大)に尋ね返すと、
「驚かないでね」と前置きされた後、
僕だと言われた。
驚いた。
僕はおおよそ品などというものとは、
縁遠い人間だと思っているからだ。
驚いたまま話の続きを聞いていると、
次第に家人(大)が考えていることがわかってきた。
僕が「上品」であると思っているわけではない。
ただ、「下品」ではないと思っているだけだ。
上品でもなければ下品でもない。
いわば「平品」
それならば合点がいく。
品とはなにか?
以前、ある番組で取り上げた時は、
「欲」というワードが出てきた。
確かに強欲な人間は下品だ。
逆に、過剰な欲を持っていない、
あるいは欲をコントロールできている人は、
上品だと思う。
(※追記。
この時は、品とは欲を入れる器である、
という話でした。
器からあふれるほどの欲は品がない。
器がボロボロで欲が染み出してしまうのも品がない。
上記と同じような意味合いではありますが、
加筆しておきます)
しかしながら、「欲」=悪ではない。
と言っていたのは、京都の名刹の高僧だ。
これも以前、番組の取材で訪ねた折に、直接お聞きした。
欲があるから人は向上する。進歩する。
こういう時、普通は「夢」という言葉を使うが、
夢と欲は、実はとてもよく似ている。
さらにいえば、文明や技術が進歩するのだって、
根底にあるものは、欲だ。
「欲」は否定されがちだけど、
本当はそれを受け入れ肯定することが大事、
というようなことをおっしゃっていた。
何の話だっけ。
そうそう、家人(大)が思う下品とは、
虚勢を張る人であり、
自分を高く見せるためにまわりを貶める人、
であるようだ。
確かに僕もそれは下品だと思うし、
僕もやっていないから、
自分は平品であると自認しても、
まあ、いいかと思う。
我が家の中に限るけれど。