草履で歩きながら考える

笑う門には福来たるで、マイペースでやりたいこと やってみよう♪基本PTAブログですが、日常やがんのことも綴ります。

「 絆 」- 絵描き:いせひでこ氏講演

2009年07月20日 | 子育て親育ち いい話♪- 講演会等の記録

このあいだ、ムスメの小学校の図書準備室で
絵本の名作 『ルリユールおじさん』
と運命の出会いを果たしました。


その作者、いせひでこ氏の講演があるというので
アマゾンで購入した絵本を携え、
先日、都内某所にいそいそと出かけました。

ステキな方のお話を伺える機会をくださったことに感謝♪

***

ご講演のテーマは、「絆」。


「わたしは、旅する絵描きなんですよ」と
はじめに仰っていた いせひでこ(伊勢英子)さんは、
感性の鋭い、とても素敵な女性でいらっしゃいます。

絵本の原画を描き終わられた後、
「一番高揚している」とのことで
絵本だけでは「気が済まず」、
  
たいていは、その絵本のテーマに関する
絵画作品(「タブロー」というそうです)を
制作なさるそうです。


まずはじめの メッセージは、
「みなさま、是非原画展に足をお運びください」
というもの。

大人だけでもいいのですが、
できればお子さんもお連れになってくださいね、
とのこと。

というのも、
たとえば『ルリユール』おじさんの
原画は、絵本の倍くらいの大きさで
描いていらっしゃるとか。

その大きさの違いに、驚かれる方が多いこと、
原画は、印刷された絵本とは違うこと、
「タブロー」や捨てたスケッチなども展示すること、

などなどがあり、
原画を媒介に親子の会話が弾むに違いありません、
とのことです。


  「急がされてる子どもたち。
  生き方として、違うんですね。」



との鮮烈なメッセージ。

そして、お話は、
いよいよ『ルリユールおじさん』の
制作秘話へ。

絵本にある、ルリユールの工房は、
パリ6区に実在するそうです。

いせさんは、大切な旅の終わりに工房の窓を
見つけられ、どうしようもなく惹きつけられて
再びパリを訪れます。

***

取材・制作に、2年かけて作られた絵本。

絵本のために、パリにアパートを借りて
スケッチを繰り返され、

絵本の習作を繰り返され、
磨き抜いて作られたそうです。


『ルリユールおじさん』は、女の子の大切なものを
おじいさんが直してあげる、
絆をテーマにしたストーリー。

その絵本は、
まさに、作者ご自身が
さまざまな絆に支えられてできあがったもの。


  「窓に出会ってから、パリ原画展まで、まさに絆。

  仕掛けたり、作ろうとしたり、計画したわけではなく

  なにかとなにかが引きあってできた」


とのお話でした。

***

絵本『にいさん』の
お話もすこししていただけました。

最後の1枚を、原画展の後パリで
制作されたそうです。

こちらは、画家ゴッホと 弟のテオのストーリー

ゴッホの黄色と、深い青が印象的な絵本です。


通常のカラー印刷は、4色ですが
この色を出すために、絵本の印刷会社さんが
「特色」を3色も使い

原画の雰囲気を損なわないよう、
配慮してくださったそうです。

また『大きな木のような人』の
お話もしてくださいました。
『ルリユールおじさん』 では描けなかった
テーマを、表現されたのだとか。

作品はそれひとつではおわらず、
テーマがテーマを呼ぶのだそうです。


そして、

   「大事なことは、シンプルな
   あたりまえの 中に ある」


というメッセージをいただきました。

***


いせひでこさんは、
絵画作品・絵本・生きる姿勢・たたずまい、
その全てが「ああいう風になりたい」と思わせる 憧れの方。

ご講演と写真をブログに載せる許可をいただけて
大感謝です。

制作にかける熱い情熱のお裾分けにあずかって
元気をいただいてまいりました♪


余談ですが、
『ルリユールおじさん』にサインをいただいてから
『にいさん』を買い求め、
こちらにサインしていただけばよかった・・!と
後悔した猫紫紺です。

(修正:150526、写真を削除)